一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

広瀬会長会見

【日 時】 平成24年3月8日(木) 午後4時45分~5時35分
【場 所】 海運クラブ 2階会議室

6年間を振り返って

  • 記者:6年間の任期を振り返って印象に残っていることをうかがいたい。
  • 広瀬会長:一つは地デジ、もう一つはBPO放送倫理検証委員会の設置である。 地デジについては、当初の普及目標は85%だったが、実際は100%を目指すことになった。地デジ化がテレビ離れのきっかけになるかもしれないというのが理由だが、一方で100%を目指すのは良い効果をもたらすと確信してきた。とはいえ、これは非常に大変な目標で、米国をはじめいくつかの国が目標を決めながらも延期を繰り返していたことから、実現については危惧していた。全体で1兆円を超えるデジタル化投資に加えて、PRのために民放とNHKが足並み揃えて取り組んだ結果、台数で見る限りテレビ離れは起きなかった。HDの大画面、ワンセグ、データ放送など、放送事業者はお金をかけただけのことはあったと感じていると思う。
    BPO放送倫理検証委員会について言えば、放送事業者にとっては、委員会から訂正放送や再発防止策を求められることは不名誉なことではあるが、「表現の自由」という権利を持ちながら、表現上の問題について当事者が国会に呼ばれるようなことがあってはならず、BPOの機能はありがたい。残念なのは、番組のトラブルが減らないことで、「BPOは放送事業者に甘い」と言われては残念だし、BPOの委員の皆さんにも申し訳ない。設立のきっかけはともかく、長い目で見ると良いシステムができたと思う。世界的にみても第三者機関が本当に中立性を確保することがいかに難しいことかが分かるが、BPOは本当の第三者機関であり、ありがたいと感じている。
  • 記者:3期6年という任期について、どう思うか。
  • 広瀬会長:「もう6年か」という感じである。民放連の業務は忙しくなってきており、在京キー局のトップが民放連の会長を務めるのは本当に大変になっている。民放連の活動に時間とエネルギーを費やせる人がいていただけるとありがたい。

 

次期会長に引継ぎたいこと

  • 記者:次期会長に引き継ぐ課題は。
  • 広瀬会長:一つ目は、BPO放送倫理検証委員会の定着である。BPOの委員が「効果がない」と無力感に囚われ、世間も「BPOは放送局の味方か」となれば、BPOという仕組みは破綻する。全放送局が本気で番組の改善をしなければならない。二つ目は、効果的な災害放送である。今回の震災では津波で多くの方々が亡くなった。民放連でも、津波の情報が出ているのにどうして人々が避難しなかったのかを検証したが、気象庁の津波情報をより確度の高いものにすることが必要だ。放送事業者の課題としては、もっともっと適切な表現で差し迫った危険を伝えられなかったかという思いがある。災害に対して放送は何ができるのかを考えることを引き継ぎたい。民放連では、今年の民放週間のテーマの1つに、「災害時の放送への取り組み」を加えた。災害情報に関する基礎データを収集して、年を追って改善するといったことができないか検討したい。三つ目は、私的録画補償金制度である。SARVH(私的録画補償金管理協会)は地裁、知財高裁でいずれも東芝に敗訴し、現在は最高裁の判決を待っているところであるが、すでに補償金は無いに等しい状況である。最高裁の判決を待つことなく、きちんと権利者に対価が行くシステムができないか、国民レベルの議論をしてほしいと思う。

 

震災から1年間の放送の取り組みについて

  • 記者:東日本大震災からまもなく1年が経つが、この間の放送事業者の取り組みをどう評価するか。今後、望むことは何か。
  • 広瀬会長:東北3県の放送事業者は、損失や取材コストに加えて、しばらくの間はCMが外されるなど二重三重の苦労を強いられてきた中、全力をあげて取り組んできたと思う。キー局も、100人、200人という単位で現地に人を派遣した。現在も、仮設住宅の問題をはじめ被災地の様々な問題について、多くの人と時間をかけて取材し、放送している。原発関連の会見にも、全国から交代で記者を出して、対応している。こうしたことを最後までやり抜くことが必要である。また、これを契機に、テレビやラジオで何ができるのか、しっかりと研究する必要がある。人は百年経つと過去の出来事を忘れてしまうが、この震災のことは忘れないよう、災害への対応の基準を作り、永く伝えていくことが必要である。さらに、被災地で過ごしてきた記者は、取材力や仕事の面で人間的に大きな成長があったのではないか。震災の体験をできるだけ広げていく必要があると思う。民放連としても、例えば会費の免除などを来期も続けるなどして、3県の放送事業者を支援していくつもりだ。

 

NHKとの関係について

  • 記者:NHKとの関係について、歴代の民放連会長は、時にはNHKに対して警戒心を持ったりしたこともあるが、任期中の地デジ以外でのNHKとの関係はどうだったか。
  • 広瀬会長:民放とNHKの二元体制は、放送文化にとってプラスだと思っている。例えば、民放では思い切った報道をできるが、NHKはそうもいかないところがある。ダラっとしたい時に応える番組というのもNHKだけでは足りないだろう。オリンピックやワールドカップサッカーなどの放送権を双方で分担するのも良い仕組みだと思う。要は双方が補いあっているわけだ。それを忘れて、つまらないことで対立することもあったが、二元体制は双方が大事にしなければならない仕組みだ。連盟賞などを受賞した民放の番組を、NHKがBSで放送し紹介する取り組みは引き続き行い、定着させていきたい。

 

B-CASの不正カードについて

  • 記者:BSなどの有料放送を無料で見られる不正なカードが流通していることについて。
  • 広瀬会長:非常に残念である。B-CASは、非常にしっかりしたシステムであると聞いていた。販売後50日以上経っているようだが、犯人は捕まっておらず、法的な対応もまだである。今回破られた可能性があるのは有料放送の顧客管理機能であり、コンテンツ保護機能ではないが、いずれにしても厳罰が望まれる。
  • 福田専務理事:法的に対抗できることとできないことがあり、非常に微妙な問題である。顧客管理機能はB-CASカードの根本であり、現在、有料放送事業者とB-CAS社を中心に調査、解明を行っている。もしコンテンツ保護機能も破られた場合には、有料放送だけでなく、すべての放送事業者の努力を踏みにじることになるので、断固たる対応が必要である。いずれにしても今回のことは有料放送事業者にとっては死活問題であり、早期の解明と手当が必要である。