会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成25年9月19日(木) 午後2時15分~2時40分

【場 所】 民放連会議室

 

2020年夏のオリンピック大会の東京開催について

  • 記者:2020年夏のオリンピック・パラリンピック大会の東京開催が決まったが、放送界の期待をうかがいたい。
  • 井上会長:オリンピック・パラリンピックの招致が成功して、良かったのひとことに尽きる。心からお祝い申し上げるとともに、改めて決定にいたるまでの関係者のご尽力に敬意を表したい。東京開催は1964年以来のことであり、いまから楽しみにしている。オリンピックは、スポーツを通して、人間の尊厳を重んじた平和な社会をつくることをめざしている。いずれにせよ、明るい大会になるといいと思う。民放事業者も参画し、万全の態勢でオリンピックの素晴らしさをお伝えしたい。日本や東京の魅力を世界に発信する機会としても、期待している。
  • 記者:オリンピックの放送権料は高騰が続き、2012年夏のロンドン大会では初めて赤字になったと聞いている。今後はどのように対応していくのか。
  • 井上会長:まだ、今後のことは見通せないが、どのような体制で臨むのか、まずは民放事業者内で検討したい。ジャパン・コンソーシアム(JC)として対応することが決まっているのは、2016年のリオデジャネイロ大会までである。
  • 記者:東京オリンピックの開催が決まり、4K・8K放送をより現実的に推進する必要があると思うが、民放事業者の考えはいかがか。
  • 井上会長:4K・8K放送の普及は、需要者側の動向によるところが大きい。2020年頃にはテレビの買い替え時期に差し掛かり、相応の需要が喚起されることと思う。新しい技術に対応していくことは放送事業者の責務であり、現実の需要を見ながら2020年に向けて検討していくことになろう。各社とも実験的な取り組みを進めており、投資額などとのバランスで各社が考えていくことになると思う。

特定秘密保護法制について

  • 記者:内閣官房が「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に関する意見募集を行ったが、民放連の考え方をうかがいたい。
  • 井上会長:まだ法律案そのものではなく「概要」しか公表されていない段階だが、「概要」を見る限り「国民の知る権利」と「報道の自由」を侵害する可能性があると懸念している。民放連も意見を提出したのでご覧いただきたいが、具体的には、①報道・取材の自由に配慮する旨の具体的な記述がない、②処罰の対象となる取得行為の範囲が曖昧、③本来は公表されるべき情報までもが秘匿されたり隠ぺいされるおそれを大いにはらんでいることなどだ。まだ国民的な議論が足りないと思うし、今回の意見募集もわずか15日間だった。臨時国会に法案が提出されるのであれば、しっかり審議していただきたい。

NHKのインターネット活用業務について

  • 記者:8月に総務省「放送政策に関する調査研究会」の第一次取りまとめが行われ、NHKのインターネット活用業務の方向性が示されたが、これへの見解をうかがいたい。
  • 井上会長:NHKがインターネットを活用するのは、情報提供の中身を充実させるものだと理解している。しかし、第一次取りまとめ案への民放連意見で述べたとおり、放送法や受信料制度の趣旨を踏まえれば、NHKのインターネット活用業務は無限定とするのではなく、サービスの外縁を可能な限りはっきりさせてほしい。同報告書では、NHK自らが制定するインターネット活用業務の「自主基準」に委ねる方向性が示されたが、すべてNHK任せにするのではなく、第三者的なチェックが不可欠だ。NHKには、受信料制度の中でどのように実施するのか、具体的に明示してほしい。

コンテンツ海外展開促進のための支援措置について

  • 記者:昨年度の補正予算からコンテンツ海外展開促進のために予算措置が講じられているが、上半期における各社の活用状況や評価をうかがいたい。
  • 井上会長:支援措置は有難いが、当初は支給要件が厳しかった。機会のある度に使いやすくしてほしいと要望してきたところ、2回にわたって要件緩和が図られた。助成金の活用状況はデータがなく、はっきりしたことは分からない。活用しているのは海外展開を日常的に行っている在京キー局が中心だろうが、ローカル局にも独自に一生懸命取り組んでいるところもあり、興味を持っていると聞いている。要件緩和を歓迎しているところであり、今後とも事業者側のニーズを踏まえて、支援していただきたい。こうした支援があるから取り組んでみようという機運がある。日本のプレゼンスを示し、等身大の実像を海外に伝えることは、諸外国と関係を結んでいくうえで大切なことであり、この支援は良い施策だ。
  • 記者:今後ともこうした支援を望むのか。
  • 井上会長:こうした文化交流に関わる取り組みは、1年限りでなく、長く続けてほしい。

新型スマートテレビについて

  • 記者:新型スマートテレビの広告出稿を各社が拒んでいると報道されていた件について、進展があったようだが、考えをうかがいたい。
  • 井上会長:民放事業者とメーカーが協議していると聞くが、先日もお話ししたように、民放連はコメントする立場にない。

NHKのハイブリッドキャストについて

  • 記者:9月2日からNHKがハイブリッドキャストを開始したが、こうしたサービスへの民放事業者の対応方針をうかがいたい。
  • 井上会長:技術は常に進歩しており、各社も対応しているが、民放事業者としては、視聴者ニーズがあるか、ビジネスモデルとして成り立つかという問題がある。放送・通信連携サービスは、IPTVフォーラムに民放事業者の専門家も参画して技術仕様の策定などを行っており、徐々に環境が整ってくるものと思う。サービスを実施するか否かは各社の判断だ。

 

  (了)

関連リンク Link