会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成25年11月21日(木) 午後3時45分~4時20分

【場 所】 民放連会議室

 

今年1年を振り返って

  • 記者:今年1年を振り返った感想と来年に向けた抱負をうかがいたい。
  • 井上会長:「あまちゃん」と「半沢直樹」の大ヒットがあり、視聴者の皆さまの琴線に触れる良い作品を作れば、放送メディアの力はまだまだ強いと再認識できた。また、今年は局地的な豪雨や台風の被害が多かった。迅速な災害報道も含めて、これからも番組を通じて視聴者の期待にしっかり応えられるよう取り組みたい。差し迫った課題であったV-Lowマルチメディア放送への対応については、三木ラジオ委員長を中心に難問を乗り越え、いまは総務省で、V-Lowマルチメディア放送とAM放送事業者の難聴対策用FM中継局の設置が両立するよう、具体的な制度整備が進められている。来年には新しいサービスが実現するものと期待している。かねてから都市部の難聴対策の必要性が指摘されてきたところだが、災害報道の充実のためにもFM中継局を設置できるとよい。「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」は、初の海外イベントを今年3月にタイのバンコクで行い、大変な盛況であった。息長く継続的に取り組むことで、日本のドラマの良さを実感していただけると思う。日本文化のアジア諸国への発信は政府も力を入れているところであり、私たちも支援を受けながら努力していきたい。また、何と言っても2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まったことは大変良かった。

 

オリンピックへの対応について

  • 記者:東京オリンピックへの取り組みをうかがいたい。
  • 井上会長:昨日(11月20日)、来日されたIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長に松本NHK会長と一緒に会い、“ピョンチャンと東京の2大会を実績あるジャパン・コンソーシアム(JC)体制で取り組みたい”とのJC側の考えを伝えた。バッハ会長からは、同席された交渉の窓口役の方の紹介があった。具体的な放送のあり方などはもちろん決まっていない。今後、NHKとともに話し合っていきたい。
  • 記者:来年2月に開催が迫ったソチオリンピックについて、対応状況はどうか。
  • 井上会長:メインの競技場はまだ建設中のようだが、まもなくJCの先遣隊が現地入りするはずで、着々と準備を進めている。。

 

FIFAワールドカップ・ブラジル大会について

  • 記者:FIFAワールドカップ・ブラジル大会はどのような放送体制になるのか。
  • 井上会長:詳細については、まだ決まっていない。JCで全64試合を生放送することを前提に、NHKとの間で話し合いを進めている。

 

NHKとの関係について

  • 記者:NHKの松本会長の任期が来年1月に満了することを控え、会長人事が話題にのぼっているが、お考えはいかがか。
  • 井上会長:NHK会長は公共放送の舵取り役として重要な役割を担われている。会長の選任は経営委員会の権限であり、民放連はコメントする立場にないが、どのような体制になっても、放送の二元体制を堅持・発展させていくことが我々の責務だと思っている。技術面でもNHKのリーダーシップを期待しており、引き続き親密な関係を保っていきたい。
  • 記者:NHKはハイブリッドキャストを開始するなど、放送と通信の融合を進めている。NHKによるインターネットを活用した放送の同時配信について、改めて民放事業者の考えをうかがいたい。
  • 井上会長:NHKはハイブリッドキャストのサービス拡充を特認業務として総務省に申請しているが、仮に無料で時差再生サービスを実施すれば、NHK内で、受信料財源による無料サービスと受益者負担による有料サービスの境界が曖昧になるだけではなく、民放事業者の動画配信サービス市場に与える影響も懸念される。NHKは全国展開する強大な組織だが、民放事業者は地域免許に基づいて経営しており、ローカル局の経営基盤は弱い。これまでNHKと民放事業者は、二元体制のもと、放送事業の発展に向けて支え合ってきた実績があり、ローカル局の厳しい状況を勘案せずに押し進めるのではなく、民放事業への影響を考慮してほしいとお願いし続けたい。

 

「ほこ×たて」について

  • 記者:フジテレビジョンが「ほこ×たて」の放送を打ち切ったことについて、どのように考えているか。
  • 井上会長:放送の打ち切りに関しては、同じ民放事業者として残念に思っている。フジテレビジョンが事実関係を調査している段階であり、「放送倫理・番組向上機構」(BPO)でも討議されているところなので、現時点で私からこれ以上申しあげることはない。

 

特定秘密保護法案について

  • 記者:昨日、与党と一部の野党が修正協議に合意したが、同法案に関する見解をうかがいたい。
  • 井上会長:民放大会の挨拶でも申しあげたが、「知る権利」「取材・報道の自由」は民主主義にとって最も重要な礎であり、情報の流通を阻害する動きはしっかりと監視していかなければいけない。この法律もその一つだ。民放連からも会員各社に、毅然とした姿勢で報道にあたり、広く国民的関心と議論を喚起していただきたいとお願いしている。各社とも問題点や論点を明らかにして報道しており、報道機関の責任を果たしていると思う。これまでの修正協議で私たちの懸念が払拭されたとは思っていない。特定秘密保護法が言論の自由を阻害することのないように対峙していく。

 

字幕付きCMの検討状況について

  • 記者:字幕付きCMについては、各社がトライアルを実施しているところだが、今後の課題をうかがいたい。
  • 井上会長:CMに関する諸権利は基本的に広告主にあると考えており、現時点で字幕付きCMを実施したいと考えている広告主は、さほど多くないと聞いている。また、民放事業者においても技術的に対応が難しい面がまだあるなど、解決すべき課題があるため、もう少しトライアルを続けさせていただきたいと考えている。

 

  (了)

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