会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成27年9月17日(木) 午後2時~2時25分

【場 所】 民放連 地下ホール

 

AMラジオ放送のFM補完中継局について

・記者:AMラジオ放送のFM補完中継局(ワイドFM)について、進捗状況や課題をうかがいたい。特に、在京社はこの秋から開始と聞いているが、現状はどうなっているのか。

井上会長:ワイドFMは現在、全国で7社9局が開局しており、このうち、親局を補完するものは6局が開局している。在京AM3社では、東京スカイツリーの送信設備工事も順調に進み、本年10月から試験放送、12月から本放送を開始する予定である。災害時、ラジオはライフラインとして大事であり、難聴対策としても良い方向に進んでいると思う。これを機会に、皆さんのラジオへの接点が増えることを願っている。

・記者:「クリアな音質で届ける」「都市難聴を解決する」という目的では、民放ラジオは「radiko」でネット配信している。ワイドFMには、どのような役割を期待しているのか。

井上会長:radikoが定着しているのは非常にありがたい。一方で、ラジオのように持ち運びが楽で、お年寄りも簡単に聴くことができるというのは大切な機能だ。携帯型ラジオであれば、例えば農作業中など外で仕事をしながら聴くこともでき、接触率の向上が期待できる。クリアな音質で聴くことができること、そして受信機を持ち歩くことができること、その両面での効果が期待できるということだ。さらに、FM放送の送信所はAM放送よりも高い場所に置けるので、水害などの際にも被害を受けることが少なく、災害対策の面でも有効だ。全国各地でワイドFMを開始する予定があり、これが普及すればワイドFM対応受信機も安価になり、入手しやすくなるだろう。多くの方がラジオに親しんでくれることを期待している。

・記者:民放連として、受信機普及などのキャンペーンを実施する予定はないのか。

井上会長:現時点での予定はないが、全国各地で放送が開始されれば、ラジオ委員会で検討してもらうようにしたい。

 

 

ネットフリックスについて

・記者:アメリカの動画配信大手の「ネットフリックス」がサービスを開始したが、この影響をどう考えているのか。

井上会長:視聴者にとっては選択肢が増えるわけで、映像コンテンツを楽しむ人を増やす効果はあるだろう。これまでは“テレビ画面を取りにくる”事業者はいなかったが、ネットフリックスに限らず動画配信サービスは、民放各社の経営判断いかんで競合相手にもビジネスパートナーにもなり得る存在である。各社がそれぞれどう判断するか、岐路に立っていると思っている。

 

 

TVerについて

・記者:在京キー局5社が10月から実施する「CM付き無料見逃し配信サービス・TVer」の概要、目的、および準備状況について伺いたい。

井上会長:10月中の開始に向けて準備中という状況であり、準備が整えば5社から発表があると思う。キー局がまずインターネット配信に関する実験に取り組むことにより、問題点を洗い出し、インターネット時代に対応していくノウハウ、技術を、ローカル局を含む民放界として広く共有したい。ローカル局がインターネット配信にどのように参加できるのかを含め、放送界全体の財産に育ててほしい。

 

 

NHKのネット同時配信検証実験について

・記者:NHKは10月から11月にかけて、テレビ放送のインターネット同時配信の検証実験を実施すると発表したが、これをどう考えるのか。

井上会長:初めての試みなので、我々も関心を持っている。受信料によって実施される実験であるので、同時配信に対する視聴ニーズや端末の対応、権利処理に関する課題などの検証結果は広く公表していただきたいと思う。我々民放事業者にも参考になるようなデータを公表してほしい。

・記者:NHKの同時配信は、民放に影響があるのか。

井上会長:同時配信にどのような問題があるのか、各社はよく理解している。

 

 

安保法案の報道について

・記者:安全保障関連法案の報道などで、番組のキャスターやアンカーが法案に反対する意見を表明したりしているが、これをどう考えるのか。

井上会長:重要な法案であり、各局とも使命感を持って報道している。「政治的公平・公正」の問題は、各社が判断するものと思う。個々の番組についての論評は控えたい。

 

 

4K・8Kについて

・記者:「4K・8K推進のためのロードマップ」が改訂されたが、これをどう考えるのか。

井上会長:設備投資、制作コストがかかるので、民放事業者としてはどういうビジネスモデルが成立するかが重要。この点は各社同じである。画質が4Kになったからといってすぐに収入が上がるわけではない。番組制作上も4Kは編集が大変と聞いている。

また、地上波での4Kをどうするか。地上波に関しては、いろいろ問題は多い。地上放送のネットワーク、ローカル局の立場を考えながら議論していく必要がある。

・記者:ローカル局から、具体的にはどのような意見や不安が寄せられているのか。

木村専務理事:民放連では、制度面は放送計画委員会、技術面は技術委員会が所管して検討しており、逐一、ロードマップの動きなどを報告している。社によっては、4Kで番組を収録したいとの希望があるが、番組の“出し口”が課題だ。関心は高いが、解決の糸口が見えない、という状況である。

 

 

(了)

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