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(報道発表)「内閣府「個人情報保護に関する主な検討課題」に対する民放連意見について

2006年10月25日

「個人情報保護に関する主な検討課題」に対する意見について

 社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=広瀬道貞・テレビ朝日会長〕は、10月25日、内閣府が実施している「個人情報保護に関する主な検討課題」に対する意見募集に対して、別紙の意見を提出いたしましたので、お知らせいたします。
 個人情報保護法が成立・施行するまでの間にも、民放連では表現の自由や報道の自由を擁護する観点から、機会を捉えて意見を表明してまいりましたが、昨年4月に法律が施行されて以降の社会状況は、報道機関として憂慮すべき状況にあるといえます。
 したがって、今回の内閣府の国民生活審議会の検討に合わせて意見を提出し、法律の内容と運用について総合的に見直すよう求めたものです。


平成18年10月25日
(社)日本民間放送連盟
「個人情報保護に関する主な検討課題」に対する意見

 当連盟は、個人情報の保護に関する法律が成立した時点で、「この法律がその性質上、『表現の自由』と『個人情報の保護』との微妙なバランスのうえに立っている事実に変わりはない」とのコメントを発表しているが、本法が施行された昨年4月以降の動きは、個人情報保護にバランスが大きく偏った状況になっていると認識している。
 こうした社会状況を踏まえて、報道機関である民間放送として、表現の自由・報道の自由と関わる問題点に絞って意見を申し述べる。
 1つは、行政機関の保有する個人情報の取り扱いである。例えば、幹部公務員の学歴・経歴、不祥事を起こした公務員の個人情報が公表されない事例が多く見られるが、公人の個人情報は国民の「知る権利」の対象であり、一般市民とは異なる取り扱いが行われなければならない。個人情報保護法は、公人・私人の個人情報の取り扱いに区別を設けていないが、「知る権利」という憲法上重要な価値との比較衡量が法の適用において考慮されなければならない。本法の改正も視野にいれた検討が不可欠だ。
 2つめは、民間における個人情報の取り扱いについてである。個人情報保護法が成立するまでの長い審議経過のなかで、表現の自由・報道の自由との調整を図るために、報道機関が報道目的で、また、著述を業とする者が著述目的で、個人情報を取り扱う場合には、事業者の義務規定の適用が除外されている。さらに上記の目的で、個人情報取り扱い事業者が当該機関などに情報提供する場合には、法第35条において主務大臣はその権限を行使しないものとするとの規定が設けられた。にもかかわらず、個人情報保護法に対する一般の理解が不十分なため、報道機関が報道目的で取材した場合にも、個人情報保護を理由として情報提供が行われない事例が多くある。「主な検討課題」のなかで、1.-(3)として「広報啓発」が掲げられているが、①個人情報保護法には適用除外分野があること、②その分野については主務大臣の関与が制限されていること――についての積極的な啓発活動が行われるべきだ。
 「主な検討課題」のなかでも「いわゆる『過剰反応』」が問題になっているとの認識が示されている。例えば、10月17日にトルコで起きたバス事故でも、個人情報保護などを理由に死傷者の名前が明らかにされず、有用な情報を社会的に共有することが妨げられた。社会全体が不健全な「匿名化社会」になっていることをより厳しく受け止めて、法律の内容ならびに運用について総合的な見直しを行うことを強く要望する。

以上

この件に関する問い合わせ先:民放連〔番組部〕

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