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(報道発表)徳島県におけるケーブルテレビ区域外再放送の「大臣裁定」答申に関する会長コメント

2013年6月26日
日本民間放送連盟

 

 本日、電気通信紛争処理委員会は、徳島県のケーブルテレビ事業者からの「総務大臣の裁定」申請に対し、答申を行いました。これに関する一般社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=井上 弘・TBSテレビ会長〕の会長コメントは次のとおりです。

 


 

徳島県におけるケーブルテレビ区域外再放送の「大臣裁定」答申に関する会長コメント

 

  • 本日、答申された事案は、平成23年6月の放送法改正により、電気通信紛争処理委員会(委員長=坂庭好一・東京工業大学大学院理工学研究科教授)の業務の対象にケーブルテレビ再放送の大臣裁定に関する事項が追加されて以降、同委員会がケーブルテレビ再放送の大臣裁定について審議・答申を行った初めての事案です。
  • 今回の事案(株式会社ひのきの申請)に関し、電気通信紛争処理委員会は①同社業務区域の徳島県板野郡上板町について、民放テレビ事業者が区域外再放送に同意しなければならないとは認められないとする「不同意裁定」とした一方、②同社業務区域の松茂町および北島町について、民放テレビ事業者は区域外再放送に同意しなければならないとする「同意裁定」を答申しました。①について「不同意裁定」とした結論は妥当と考えますが、②について民間事業者同士の協議が尽くされないまま同委員会が無秩序な区域外再放送を認めたことは極めて遺憾であります。
  • 今回の事案は、当該ケーブルテレビ事業者が強硬に区域外再放送を求め、民放テレビ事業者との協議を一方的に打ち切って大臣裁定を申請したものです。そうした民間同士の協議を軽んじた申請に対して民放テレビ事業者に同意を強制することは、大臣裁定制度自体および制度運用に重大な問題があると言わざるを得ません。
  • 答申までの過程において電気通信紛争処理委員会が行った、区域外再放送される民放テレビ事業者への意見聴取の内容は不十分であり、また区域外再放送先の地域の地元民放テレビ事業者、区域外再放送されるテレビ番組の著作権の大部分を保有する系列キー局など重要な利害関係者への意見聴取は行われませんでした。同委員会の審議の進め方にも大いに疑問が残るところです。
  • 今後、総務大臣の裁定にあたっては、②に関しては今回の電気通信紛争処理委員会の答申によらず、公正な判断が行われることを強く要望します。当連盟としては答申の内容を精査し、関係者と相談しながら、法的措置も含めて今後の対応を検討します。
  • 今回の事案が悪しき前例となり、各地域の民間同士の協議の意欲が失われ、安易かつ一方的な大臣裁定申請が常態化し、地域に根ざした放送メディアの将来に禍根を残すことを深く憂慮します。
  • そもそも大臣裁定制度は、27年前に同制度が導入された当時のケーブルテレビの規模が非常に小さかったことから、区域外再放送によって地上テレビ放送の地域免許制度の形骸化は起こらない、という前提で導入されたものです。ケーブルテレビが全世帯の半数を超えて普及し、ケーブルテレビの大規模化がより進みつつある現在、大臣裁定制度の立法事実はすでに失われています。大臣裁定制度は憲法第21条の「表現の自由」に基づく地上テレビ放送事業者の「番組編集上の意図」(自らの放送対象地域以外で表現しない自由)を制約するものであり、また、著作権法に基づく地上テレビ放送事業者の著作権および著作隣接権とも整合が取れません。
  • 今回の事案は、四半世紀以前に導入された大臣裁定制度の維持がもはや限界にきていることを顕著に示しております。情報化社会の進展を踏まえ、行政として速やかに大臣裁定制度の撤廃を喫緊の課題として議論すべきと考えます。

 

 PDF徳島県におけるケーブルテレビ区域外再放送の「大臣裁定」答申に関する会長コメント(PDF/293KB)

 


この件に関するお問い合わせ先:民放連〔企画部〕

 

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