一般社団法人 日本民間放送連盟

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表彰番組・事績

2021年日本民間放送連盟賞 グランプリ・準グランプリ

グランプリ、準グランプリは、ラジオ・テレビ別に番組部門全種目の最優秀とこれに次ぐ優秀1番組の計8番組を対象に選考が行われました。

  • ラジオ・グランプリ

    文化放送戦後75年スペシャル
    封印された真実~軍属ラジオ

    文化放送

    ■放送日時:2020年8月15日(土)18:00 ~ 18:57

    ■番組内容:戦時中、ラジオは自国民どころか他国民をも欺くプロパガンダの役割を担い、“人の心を狙い撃ちする爆弾”“姿なき武器”となった。さらには敵国のプロパガンダを聴かせないための妨害電波の放送(ジャミング)まで行ったというラジオの「負の事実」に迫る。

    ■出演:アーサー・ビナード、プロデューサー 関根英生、構成 山田睦美、取材 石森則和

    【審査講評】
    プロパガンダというメディアにとって避けては通れない重要な問題を取り上げ、自らの責任を問う形で制作された完成度が高いドキュメンタリー番組。斬新な企画と優れた構成にアーサー・ビナードさんの柔らかい語り口が加わり最後まで興味深く聴きやすい。当時の音源や地下壕の取材などがリアリティを高め説得力がある。ラジオとは何かを深く考えるきっかけとなる番組である。

  • ラジオ・準グランプリ

    サンドウィッチマンのオールナイトニッポン

    ニッポン放送

    ■放送日時:2021年3月12日(金)1:00 ~ 3:00

    ■番組内容:東日本大震災の1 週間後に放送された緊急特番から10年、東北に寄り添い様々なことに取り組んできたサンドウィッチマンが再び生放送に挑戦する特番。10年前の放送と交差しながら、ゲストと語るそれぞれの10年とリスナーの10年のメッセージを紹介していく。

    ■出演 サンドウィッチマン、狩野英孝、エグゼクティブプロデューサー 瀬尾伊知郎、プロデューサー 冨山雄一

    【審査講評】
    サンドウィッチマンによるショートコントや掛け合いなどのお笑いと震災の記憶のシリアスな部分が絶妙で、親しみやすくて共感でき、リスナーをほんわりと温めてくれる。また、東北放送の藤沢智子アナウンサーがラジオの役割について語る部分が心にささる。ライフラインとしてのラジオの重要性がおしつけがましくなく自然に伝わり、ラジオの可能性と未来が見えてくる番組である。

  • テレビ・グランプリ

    チョコレートな人々

    東海テレビ放送

    ■放送日時:2021年3月27日(土)14:00 ~ 15:25

    ■番組内容:学生時代、障害者雇用の厳しい現実を知った夏目浩次さんは「障害者でも稼げる場所を作りたい」との思いを持つ。“失敗しても温め直せばまたやり直せる”ことから手がけたチョコレート事業が成功し、いまでは全国に事業所を拡大。最低賃金を保証し多様な人たちが働く場にもなっている。番組では、夏目さんのこれまでの17年間の活動を紹介する。

    ■ナレーター 宮本信子、音楽 本多俊之、プロデューサー 阿武野勝彦、ディレクター 鈴木祐司

    【審査講評】
    障害者雇用の問題に取り組んできた夏目浩次さんが、パン屋経営での失敗を経て始めたチョコレート事業で、苦労を重ねながらも前に進む様子を丁寧に追った。様々な事情を持つ人たちと働きながら経営を維持するために真摯に、そして徹底的に取り組んできたからこそ醸し出される夏目さんの独特な雰囲気も魅力となっている。17年以上前から追い続けてきた映像を交え、挑戦と失敗、理想と現実を誠実に取り上げながらも重苦しくならず、軽やかに、そして確かに心を揺さぶられる番組である。

  • テレビ・準グランプリ

    おひさま家族~りんくん一家の17年~

    静岡放送

    ■放送日時:2021年5月24日(月)1:28 ~ 2:33

    ■番組内容:生後10か月のときに宣告された色素性乾皮症により、太陽の紫外線を浴びることができない清麟太郎くん。この病気に治療法はなく、年齢を重ねるにつれ、重度の神経障害が伴い、30歳になる頃にはほぼ死に至るといわれている。死と隣り合わせの難病と闘い続ける少年とその家族の日常を10年にわたって追った作品。

    ■取材・編集 中村 潔、構成 小川 満、撮影 三島乾児、ナレーション ayako_HaLo

    【審査講評】
    生後10か月で宣告された色素性乾皮症により、太陽の紫外線を浴びることのできない清麟太郎くん(りんくん)と家族の日々を10年にわたって丁寧に取材している。制約が多い中でも兄弟と同じように育てようとする姿や、年齢を重ね重度の神経障害を伴うなど症状が悪化していく中でも、りんくんの日常生活を豊かにしようとする家族の愛情あふれる姿を鮮やかに描いている。視聴者も家族になったかのように自然と引き込まれ、生きることの温かさ、ありがたさを感じられる番組である。