一般社団法人 日本民間放送連盟

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表彰番組・事績

2022年日本民間放送連盟賞

日本民間放送連盟賞は、質の高い番組がより多く制作・放送されることを促すとともに、CM制作や技術開発の質的向上と、放送による社会貢献活動等のより一層の発展を図ることを目的に、民放連が1953年に創設した賞です。

  • 番組部門

    ラジオ報道

    ネットワーク1・17スペシャル~盛土崩壊

    MBSラジオ

    プロデューサー 亘 佐和子、ディレクター 新川和賀子、キャスター 西村 愛、コメンテーター 釜井俊孝

    熱海市で発生した土石流で注目を集めた「盛土」。高度成長期に緩い法規制の下、無秩序に開発された造成地が1995年の阪神・淡路大震災などでも崩れ、各地に大きな被害をもたらしてきた。番組では斜面災害の研究者らとともに盛土崩壊の現実と対策を考える。
    盛土の危険性に以前から着目し、取材を続けてきた成果が表れている。現状や法規制など多角的な内容を、出演者の巧みな説明と、それをキャスターが平易な言葉で的確に咀嚼し伝えることでリスクと対策がよく分かる。自分も対策しようと思える防災に有用な番組。

  • 優秀

    鉄格子に顔押しつけて 21枚に刻み込んだ“抵抗”

    山形放送

    ナレーション 松下香織、朗読 小坂憲央、取材・編集 伊藤 翼

    戦前、小学校教師として子どもたちにローマ字を教えた斎藤秀一。共産主義を広めているとして何度も逮捕され、投獄の末、肺結核のため31歳の若さで亡くなった。言論弾圧に抗い、信念を貫いた生き方を、彼の残した言葉や、関係者の証言などから解き明かす。
    獄中でつづった詩、朗読劇をうまく取り入れることで言論弾圧の愚かさを描き出している。現在のウクライナ侵攻に伴うロシアの情報統制にまで触れるストーリー構成は秀逸。

  • 優秀

    ニッポン放送報道スペシャル あの日の「誓い」から10年・始まった共生社会への挑戦!

    ニッポン放送

    プロデューサー 遠藤竜也、ディレクター 森田耕次、取材 上村貢聖、構成 桜林美佐

    5歳で全盲となった小椋汐里さんは日々勉学に励み、教員採用試験に合格。2021年4月、念願の中学校の英語教師となった。試行錯誤しながらも、生徒・教職員らとともに障害者・健常者を問わず生きることができる「共生社会」に挑戦する姿を追った。
    小椋さんの人柄、語りが圧倒的な力を持ち、その魅力に引き込まれる。彼女のこれまでの人生物語も興味深い。生徒や学校の先生、小椋さんの家族や友人、障害者団体などへの幅広い取材によって、共生社会の実現に向けたヒントが見えてくる。

  • 優秀

    エフエム群馬 報道特番 ~多頭飼育崩壊の現状 もう一度考える 命との向き合い方~ 

    エフエム群馬

    プロデューサー・ディレクター・アナウンサー 揚妻由璃子

    ペットを増やしすぎて飼いきれなくなる「多頭飼育崩壊」。動物たちと真摯に向き合わない人間側の問題で、無責任に増やした小さな命を救うことができない現実がある。ボランティアや獣医師、当事者の声を交え、現状と問題が起こる理由・背景を伝える。
    複数の飼い主への丁寧な取材によって、多頭飼育崩壊に至った経緯が深く理解できる。動物愛護団体の取り組みや、保健所の担当者や獣医へのインタビューなど多様な視点を織り込むことで、30分という短い枠ながらも問題の全体像を把握できる構成がすばらしい。

  • 優秀

    富山の売薬さんが消える日

    北日本放送

    取材・構成 大上裕之、ナレーション 平島亜由美、編集 荒山知徳、制作統括 堀田茂宏

    「越中とやまの売薬さん」は300年以上続く歴史と信用がある。しかし、2021年に発覚した県内の医薬品メーカーの相次ぐ不正、自主回収により信用が揺らぎ、窮地に立っている。売薬さんの一人、石倉雅俊さんに密着し、苦悩と葛藤、問題のもたらした影響を描く。
    不正事件の足元で何が起きているのか。顧客と向き合う石倉さんの視点でまとめ上げられた力作。きめ細やかな取材ができる地域メディアの重要性を再認識させられる。

  • 優秀

    ドキュメント「加害者家族」

    南海放送

    統括 木原 悟、ディレクター・企画・取材 植田竜一、ナレーション 松岡宏忠、編集 古茂田圭

    「加害者家族」と呼ばれる犯罪者の妻や子どもに対する目はあまりにも厳しい。番組では、特殊詐欺事件で服役中の男性の家族を取材。罪なき加害者家族が背負うもの、向き合わなければならない現実に迫るとともに、加害者報道のあり方を提起する。
    事件を伝える立場の放送局として、加害者家族の問題に正面から向き合う姿勢を評価するとともに、実名報道の課題を提起した意義は大きい。加害者家族へのインタビューは貴重で、社会から分断され、追い詰められていく状況が浮かび上がる。

  • 優秀

    “復帰”を二度経験した奄美人(しまっちゅ)

    ラジオ沖縄

    企画・制作・ナレーション 杉原 愛

    1953年12月25日、奄美群島が日本に復帰した。沖縄ではその日を境に奄美出身者(しまっちゅ)は外国人扱いとなり、本土復帰までの19年間、制度的な差別を受けることとなった。奄美と沖縄、二度の復帰を体験した奄美出身者の声を集め、苦難の歴史に光を当てる。
    証言を中心に構成することで当時の状況がありありと伝わり、心に響く。沖縄県内でもあまり知られていない負の歴史を地元放送局が掘り起こしたことも高く評価できる。貴重なオーラルヒストリーで、証言者の語る生の声を多くの人に聞いてほしい。

  • ラジオ教養

    SBCラジオスペシャル 『黒猫』田口史人のレコード寄席~『昭和の校長先生』編

    信越放送

    プロデューサー 清沢康夫、制作・出演 生田明子、技術 伊藤俊道

    記録媒体としてのレコードに焦点を当て、昭和30年代後半から約50年間にわたり、全国の学校で生徒の卒業記念品として先生たちのメッセージを収録したレコードの音源を、5万枚のレコードを所蔵するパーソナリティの解説を交えながら紹介する。
    映像がないラジオだからこそ、先生たちに直接語りかけられているように感じ、想像力をかき立てられる。ラジオならではの近い距離感を活かし、時間と空間を超え「声と言葉」を届け、その大切さも示した、教養部門にふさわしい番組として高く評価された。

  • 優秀

    カエレナイ街から ~翔子さんと実穂さんと私たち~

    青森放送

    プロデューサー 森内真人、企画・構成 山本鷹賀春、取材・ナレーション 夏目浩光、取材・朗読 筋野裕子

    青森市内でカフェバーを営みながら暮らす同性カップルに焦点を当て、2016年から取材を続けている「青森レインボーパレード」の様子も取り上げながら、二人の日々の暮らしや性的マイノリティの権利獲得をめざした活動に迫る。
    生々しい体験談を語る二人の声は力強さをもって迫ってくる。地方で活動する・暮らすことの厳しさが丁寧な取材によって浮き彫りになり、「LGBTQ」という言葉で一括りにできない当事者の問題をリスナーと共有できるラジオならではの好企画である。

  • 優秀

    ニッポン放送開局67周年“冗談工房”結成65周年記念 キリン一番搾りpresents 三木鶏郎とニッポン放送

    ニッポン放送

    プロデューサー 石田 誠、ディレクター 山口美奈、加川 峻

    放送メディアの黎明期から活躍し、数多くの番組の主題歌や、今も歌い継がれるCMソングを手がけた三木鶏郎。1950~60年代に放送された「冗談工房」制作の番組の音源や、三木の肉声を交えつつ、ポップカルチャーの源泉ともいえる三木の功績を紐解く。
    三木鶏郎を知らない世代も増えるなか、貴重な音源を交えながら、あらためて三木の偉業を提示した意義は非常に大きい。当時のCMソングなどの音源、関係者の証言とスタジオのクロストークの流れが緻密に構成されており、楽しく聴ける番組である。

  • 優秀

    ラジオヒューマンスペシャル イルカにもらった優しい時間 ~私とスーミーの20年~

    北陸放送

    企画・構成・演出 野村未来子、取材・編集 中川留美、編集 清水 護、ナレーション 西尾知亜紀

    石川県・能登島を囲む七尾湾に棲む野生のイルカとの出会いがきっかけで、イルカカフェの経営やドルフィンウオッチングの活動を始めた女性を通し、イルカの生態や野生のイルカが棲み着くことによる漁業への影響なども交え、人とイルカの共存のあり方を探る。
    海の音やイルカの鳴き声は、凪いだ七尾湾の情景を想起させる。専門家の解説やイルカを観光資源として扱うことの問題提起は知的好奇心も充足させ、聴きごたえのある構成。

  • 優秀

    浪曲かたりがたり~節と啖呵に魅せられて~

    大阪放送

    プロデューサー 納谷有可里、プロデューサー・ディレクター 竹内 啓、構成 西村卓也、ナレーション 京山幸乃

    三味線に載せた節と啖呵でうなり、語る、大阪発祥の話芸「浪曲」。浪曲の音源、若手・中堅・ベテランの浪曲師へのインタビュー、そして老若男女や外国人まで、幅広い浪曲ファンのメッセージなどから、浪曲の魅力を発信する。
    浪曲の過去・現在・未来が多角的かつユニークに語られ、思わず聴き入ってしまう内容で、浪曲をよく知らないリスナーにも、その魅力が十二分に伝わる。一方、この話芸の継承の展望なども示され、伝統芸能の存続についても考えさせられる番組。

  • 優秀

    僕の作文私の作文 2021年傑作選スペシャル!

    中国放送

    プロデューサー 藤原佳那子、ディレクター 村山太一、出演者 横山雄二、河村綾奈

    平日のワイド番組内で放送している長寿人気コーナーの特番。広島県内の小学生が日々の暮らしの中で感じた率直な気持ちをつづった作文を読み上げる。2021年に放送された252作品のうち、厳選された10作品を紹介する。素朴で飾らない声で紹介される作文は、子どもたちの感受性のすばらしさを感じさせる。
    作文に対するスタジオのポジティブな応援のコメントや、子どもたちの声がいきいきと伝わる編集も相まって、リスナーが明るい気持ちになれる番組である。

  • 優秀

    「約束」マエストロ佐渡裕と育徳館管弦楽部 奇跡の4年

    九州朝日放送

    プロデューサー 臼井賢一郎、ディレクター 豊増和彦、ナレーター 細谷めぐみ、音効 郡 孝司

    世界的指揮者・佐渡裕は、九州ツアーの合間に訪れた福岡県みやこ町の中高一貫校・育徳館の管弦楽部の演奏によるもてなしに感銘を受けた。これを契機に生徒たちを指導することを決め、また自身の指揮で演奏会を開くことになった。コロナ禍に翻弄されながらも佐渡氏と生徒たちが4年間かけて演奏会の開催に至る過程を描いた。
    実際の演奏と長期にわたる取材の音源を交え、コロナ禍による閉塞感を打ち破るような、爽やかさを感じさせる力作として評価された。

  • ラジオエンターテインメント

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    街の小さな文学賞 特別版 ~ラジオストーリープロジェクト~

    西日本放送

    パーソナリティ 中桐康介、岡田陽介、ディレクター 出石亜弥、プロデューサー 福田好生

    香川県高松市の小さなカフェバーが主催する「半空文学賞」。西日本放送は、2021年1月から月2回、賞の主催者・岡田さんと本好きのアナウンサーをパーソナリティに据え、同賞の取り組みを紹介する番組を放送してきた。今回はその特別版として、「ラジオ」をテーマに募集した2021年の入賞作のうち、6作品をアナウンサーが朗読した。
    朗読が素晴らしく、SFからシリアスな話まで、音だけで作品ごとに違う世界に連れて行ってくれる。街の小さな文学賞とラジオの結びつきによる、今後の広がりに期待したい。

  • 優秀

    足寄のスーパースター 松山千春 ~45年の時代をこえて~

    STVラジオ

    出演 松山千春、喜瀬 浩、プロデューサー 清水洋樹、ディレクター 石森豊喜

    45年以上第一線で活躍し続ける、北海道出身のフォークシンガー・松山千春。コンサートやラジオでの仕事では、常に故郷と家族への思いを発信してきた。今回、デビュー当時の思いを語った『足寄のスーパースター 松山千春』(1977年6月放送)のテープが見つかったことから、その音源を交えながら、松山がいま伝えたいメッセージを語った。
    母親の思い出など家族のさまざまなエピソードを、松山が率直に語っていて聴きごたえがある。デビューのきっかけとなった局ならではの、制作者との信頼感が伝わる番組。

  • 優秀

    村上RADIO特別版 戦争をやめさせるための音楽

    エフエム東京

    プロデューサー 延江 浩、増山麗央、ディレクター 木村尚志、構成 小林浩子

    作家・村上春樹はロシアのウクライナ侵攻に心を痛め、自宅のレコード棚から反戦歌を10曲ほどスタジオに持ち込んだ。1曲1曲、作曲された時代の背景や、その歌が歌われた場所のエピソードを交えて紹介。放送内容を全て英訳し番組のサイトに掲載した。
    冒頭の「音楽によって戦争を終わらせることはできないかもしれないが、気持ちを少しは変えさせるかもしれない」とのコメントにラジオの力を感じる。ウクライナ侵攻から約3週間後の放送で、全訳のウェブ掲載も含めて「今必要な番組」と評価された。

  • 優秀

    SBCラジオスペシャル 信越放送創立70周年記念ラジオドラマ シンフォニー!

    信越放送

    プロデューサー 髙島哲也、企画・演出 松井健悟、技術 伊藤俊道、脚本 三津留ゆう

    長野県松本市のとあるイベントに出演が決まった「信州シンフォニーオーケストラ」。楽団員はラジオに出演してPRすることになったが、放送を前に想定外の事件が巻き起こる。楽団員たちは生放送で無事に演奏できるのか。制作スタッフ、出演者ともに長野県にゆかりのある人たちが集まり、「オール信州」にこだわって制作した。
    長野、信州の魅力がふんだんに盛り込まれているラジオドラマ。登場人物は各々のキャラが立っており、楽しく聴ける作品に仕上がっている。

  • 優秀

    MRO開局70周年記念特番 ミツケテミ!いしか輪の夢の輪

    北陸放送

    企画・制作・編集 宮下 潤、企画 谷美由紀、企画・出演 西尾知亜紀、出演 石橋弘崇

    将来の夢はアナウンサー、音楽クリエイター、声優という3人の中高生が出演。今その世界で活躍している石川県出身者とのトークを展開し、プロとして必要なこと、その世界に入ったきっかけなどを直接聞いた。夢に向かって頑張っている10代を応援するという企画で、3人はインタビュー中継やショートミュージック制作などにも取り組んだ。
    地元石川の中高生の夢を後押しし、若い人がラジオに触れるきっかけにもなる番組。ラジオだからこそ、音にかかわる職業の話が深く伝わってくる。

  • 優秀

    Whole Earth RADIO 松本隆×最果タヒ~作詞家と詩人の対談

    FM802

    DJ 池田なみこ、ゲスト 松本 隆、最果タヒ、プロデューサー 櫻木直子

    FM COCOLOで放送された番組。作詞家・松本隆と詩人・最果タヒのスペシャル・トーク。最果タヒが大きな影響を受けたという、はっぴいえんどの作品を挙げ、歌詞を書いた松本隆本人と、表現について語り合った。
    世代は違うが、ともに言葉を職業にしている2人の組み合わせはぜいたくで、宝物のような番組。松本の解説を聞いた後に、はっぴいえんどの曲が聴ける構成に感銘を受ける。

  • 優秀

    砂漠を泳ぐ野良猫

    エフエム長崎

    ディレクター 浦田壮一郎、出演者 春田晃志、衣川日菜美

    「長崎をどれだけ面白くできるか」をテーマに活動する大学生空間づくりユニット「Pionier(ピオニール)」によるレギュラー番組。選曲も出演の大学生らが行っており、オープニングは砂漠を表現した自作の音源を使用している。この回では、自然の中にある「テントサウナ」を初体験し、その魅力を発見し、サウナの良さを発信する。
    若い2人の番組で、粗削りだが新しい感性による可能性を強く感じさせる。今後に最も期待したい番組と評された。

  • ラジオ生ワイド

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    佐久間宣行のオールナイトニッポン0

    ニッポン放送

    プロデューサー 冨山雄一、ディレクター 斎藤 修、アシスタントディレクター 菊田知史、構成 福田卓也

    水曜/27時~28時30分の放送。この日のフリートークは、高校一年生の娘さんと箱根神社に行った話。それに続く家族との距離感に悩む同じ女子高校生からのメール、ディズニーランドに母親と一緒に行き恥ずかしかったという男子高校生の話から「親孝行」についてと話が進み、最後はリスナーが自分を育ててくれる両親に思いをはせた。
    頭抜けた大声に大笑い、圧倒的なトーク力と熱量に感嘆させられる。こんな番組が深夜に放送されるラジオのぜいたくさをつくづく感じさせられる。

  • 優秀

    GO!GO!らじ丸 ~離れて訪ねて浪岡編~

    青森放送

    プロデューサー 山本鷹賀春、パーソナリティ 夏目浩光、アナウンサー 筋野裕子、ミキサー 大嶋耕介

    月~金/11時55分~16時の放送。コロナ禍で出かけられない人々からリクエストのあった場所をリポーターが訪ね、音風景を伝える。途中、誰にも会わず、インタビューはスタジオからの電話を経由する。最後に訪れた浪岡城址公園では津軽民謡のライブを開催。農作業を抜けてきたリンゴ農家の軽トラックは15台。眼前の熱唱を車中、ラジオで楽しんだ。
    リポーターのマイク一本で聴かせきる力量と音の広がり。リスナーがリアルタイムに寄せる情報を頼りにSNSや地図アプリを使わない手法が、ラジオの健在ぶりを実感させる。

  • 優秀

    工藤淳之介 3時のカルテット

    新潟放送

    ディレクター 坂井 沖、パーソナリティ 工藤淳之介、ちゃい文々、プロデューサー 吉井秀之

    月~木/15時~17時の放送。「カルテット」とはパーソナリティ、パートナー、スタッフ、リスナーのこと。乳がんを告白し、手術と自宅療養を終えた日替わりパートナーが番組に復帰を果たした日の放送。
    ラジオコミュニティーの暖かさと優しさが伝わってくる。番組とパーソナリティとリスナーの信頼関係がしっかりしていてこそ成立し得た企画であろう。

  • 優秀

    とれたてワイド朝生 たかが毛、されど毛、みんなで髪の毛の話、せんまい毛!スペシャル

    北日本放送

    パーソナリティ 上野 透、小林淳子、プロデューサー 守護真一、ディレクター 岡本 恭

    月~金曜/9時~12時の放送。人それぞれに尽きない髪の毛の悩みを「薄毛」と「脱毛」を入り口に展開。専門医や自らも脱毛症の社会学者らの話も交えて、社会の多様性、マイノリティーの生きづらさ、人々の心に潜む偏見などに自然に話が及んでいく。
    「せんまいけ」は「しませんか」の意。パブリックメディアで伝えるには難しいテーマを、生の声を伝えるラジオならではの内容と進行でうまく語っている。

  • 優秀

    ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-

    FM802

    プロデューサー 今江元紀、チーフディレクター 塚越隆史、ディレクター 竹内由芽、DJ 落合健太郎

    月~木曜/21時~23時48分の放送。毎晩届く数百件のリクエストとメッセージを中心に構成しているリクエスト番組。パーソナリティが関西のティーンの良き兄貴分として音楽リスナーの生活に寄り添いながら、リスナーとのエピソードを生み出し続ける。
    テンポが良く、音楽が溢れていて、流れが工夫されていて、それでいて作り込んだことを感じさせないスマートなセンス。最高の曲振り、DJの声の良さ。番組自体のトーンは抑えが効いていて快適。何もかもが良くできた番組である。

  • 優秀

    カモ☆れでぃ★Night!

    エフエム愛媛

    ディレクター 岡林千夏、出演者 中岡良一、古谷那瑠美、花野

    月~木曜/20時~の放送。2021年4月から愛媛県内の中学校・高校の生徒が学校の魅力を紹介する60秒CMを制作し、エフエム愛媛で1か月間放送する企画をスタート。これまで放送された7本のCMを対象に大賞を選ぶコンテストの審査結果を発表した。
    短所を特長へと変えアピールする生徒たちの学校への愛が溢れている。マイナスなニュースの影になりがちな、学校の魅力や楽しさを思い出させてくれる番組である。

  • 優秀

    ナガハマヒロキの週刊リッスン

    琉球放送

    出演・ディレクター ナガハマヒロキ、放送作家 照屋勇樹、プロデューサー 多和田真梨奈

    土曜/10時~14時30分の放送。この日は「勝手に離島フェア」と題し、それぞれの島の雰囲気を楽しんでもらおうと、5つの離島の楽しくユニークな「現地特派員」が順番に電話出演した。「犬の『ジロウ』が突然6匹子どもを産んだ」「海中でオスのウミガメからメスに間違えられた」といった話題を、飾らない言葉で島の魅力とともに伝えた。
    ディレクターも兼ねるパーソナリティは親しみのある声で、話を引き出す力と展開が見事。沖縄の土地だからこそ作ることのできる楽しい番組である。

  • テレビ報道

    日本国男村

    石川テレビ放送

    プロデューサー 米澤利彦、ディレクター 五百旗頭幸男、撮影 和田光弘、編集 西田豊和

    石川県の谷本正憲前知事は在任7期。仕える者は忖度を強め、社会は矛盾に馴らされる。長期県政は終焉を迎え、谷本の多選批判を展開した馳浩が引き継ぐ。両者の闘争を紐解くと現れるキングメーカー森喜朗。28年間カメラが捉えた移りゆく時代と変わらぬ男たち。ムスリムの目が矛盾をえぐりだし、「男村」を動かしてきた正体が浮かび上がる。
    複雑な現実を表現するためのテーマと手法が考え抜かれており、テレビ報道のあり方を問う異色の問題作。報道する意義を十分に感じさせるとして高い評価を得た。

  • 優秀

    1Fリアル あの日、原発の傍らにいた人たち

    福島中央テレビ

    ディレクター 岳野高弘、プロデューサー 木村良司、ナレーター 小野紗由利、撮影・編集 菅野 健

    2011年3月に史上最悪の事故を起こした福島第一原発・通称1F(イチエフ)。10年間、取材を続けた貴重な証言や映像がある。被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で原発の暴走を食い止めた人たち。克明な現場の証言と忘れてはいけない彼らの思いをつづる。
    証言は後世に伝えるべきという地元局の責任感を感じさせる。使命感を持って事故に立ち向かった一人ひとりに焦点をあて、どのような葛藤や困難があったのかを示した良作。

  • 優秀

    ドキュメンタリー「解放区」“ブラッド・ゴールド”~アマゾン先住民の闘い~

    TBSテレビ

    ディレクター 萩原 豊、プロデューサー 藤井和史、撮影 市川正峻、編集 大旗勝俊

    世界最大の熱帯雨林アマゾンが新たな危機に瀕している。開発が禁じられている先住民の居住地域で違法伐採が急拡大。近年は金の違法採掘業者が森や川を大規模に破壊。採掘に使用される水銀が先住民の身体を蝕み、ブラジルの水俣とも呼ばれる。問題は世界に繋がっていると取材を受け入れた先住民。彼らの闘いを通して危機の実態を描いている。
    気候変動の抑制に全地球的な取り組みが求められる中、コロナ禍ながら海外取材を行った意欲と、社会的な課題を視聴者に意識させる意気込みを感じさせる秀れた番組。

  • 優秀

    SBSスペシャル 熱海土石流 ―なぜ盛り土崩落は防げなかったのか―

    静岡放送

    取材・構成 和田 啓、撮影 神谷修二、プロデューサー 増田哲也

    2021年7月3日、静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生。民家を飲み込んだ土砂は人工的に作られた盛り土の一部で、規制をはるかに超える危険な状態で10年が経過していた。盛り土の現旧所有者や工事関係者、当時の市や県の担当職員への独自取材で得た証言を積み重ね、27人の命を奪った違法な盛り土の造成、崩落までの真相に迫っている。
    熱海土石流は人災ではなかったのか。地元局としての行き届いた取材から地方行政、地域社会の空洞化が浮かび上がり、人災を暗示している点が評価を得た。

  • 優秀

    ザ・ドキュメント 罪の行方 ~神戸連続児童殺傷事件 被害者家族の25年~

    関西テレビ放送

    プロデューサー 江口 茂、ディレクター 柴谷真理子、撮影 工藤雄矢、編集 野上隆司

    神戸連続児童殺傷事件から25年。被害者の父親・土師守さんにとって事件後の人生は被害者の権利を獲得する活動に多くの時間が割かれてきた。自分が辛い思いをしたからこそ活動を続けているという。「少年法は被害者遺族の更なる犠牲の上に成り立っている」という土師さんの25年前と変わらない言葉を社会はどう受け止めるのか。
    20年にわたる交流で、土師さんと確かな信頼関係を築き上げたことが伝わる。行き場のない苦悩が静かなインタビューに凝縮しており、制作者の良心を感じさせる番組。

  • 優秀

    侵略リピート

    山口放送

    プロデューサー/ディレクター 佐々木聰、撮影 山本健二、山本 透、撮影/EED 山本宏幸

    反戦活動を続けてきた元日本兵・近藤一さん(享年101)さんは生前、先の大戦で中国大陸での加害行為を証言。逆に、敗戦前後の満州では日本人女性がソ連兵の性暴力被害を受けた。ロシア軍のウクライナ侵攻で市民が犠牲となる今、過去の行為を悔いる元日本兵たちと大陸から引き揚げてきた人々の証言を紡ぎ、戦争がもたらすものを考える。
    日本の加害実態を語らせた冷静さが特筆される。支配する側とされる側が一瞬で入れ替わる経験をした人々の心の痛みと葛藤を抉り出した番組として評価された。

  • 優秀

    OTV報道スペシャル 水どぅ宝

    沖縄テレビ放送

    ディレクター 平良いずみ、松本早織、撮影・編集 大城茂昭、プロデューサー 山里孫存

    2016年、沖縄県内各地で水道水のPFOS汚染が発覚。汚染源は米軍基地の蓋然性が高いと県が立ち入り調査を求めるも、日米地位協定に阻まれる。県民の声は高まり、未来の命を守るため立ち上がった人々の姿を追った。案内人の俳優・津嘉山正種は沖縄出身で本土復帰50年の生き証人。その目に映る沖縄の現在地を描き出す。
    何十年と影響が生じる問題の重大さを全国に伝える地元局の使命感を感じる。問題設定が鋭く、日本政府・官僚の怠慢、及び腰を見事に浮かび上がらせた秀逸な番組である。

  • テレビ教養

    三つめの庄内~余計者たちの夢の国~

    山形放送

    ディレクター 三浦重行、ナレーション 松本光生、構成 日笠昭彦、撮影 斎藤雄己

    青森県六ヶ所村に、山形県庄内ゆかりの50戸余りの集落「庄内」がある。北海道のサロベツ原野にも「天北の庄内」と呼ばれる開拓地が存在する。どちらも山形の庄内から満州に渡り第2の「庄内」をつくろうとした開拓者たちが、戦後、苦難の末に築いた土地である。かつて“余計者”と言われ、生きるための場所を求め続けた開拓者たちの軌跡。
    タイトルが秀逸。ふるさとを追われた人たちが自らの力で生きる場所を探していく姿を、資料を丹念に紡ぎながら描いたスケールの大きな物語と高く評価された。

  • 優秀

    没後40年特別企画 向田邦子に“恋”して

    BS-TBS

    出演 黒柳徹子、太田 光(爆笑問題)、制作プロデューサー 笠原 啓、プロデューサー 山下桃子

    飛行機事故で急逝してから40年が経過した作家・向田邦子。仲の良かった黒柳徹子と、向田の大ファンである爆笑問題・太田光の対談を軸に、作家の有川ひろ、ドラマで向田役を演じた俳優の美村里江ら、向田邦子に惹かれた人々へのインタビューで構成。没後40年経っても愛される理由を探っていく。
    本のような章立てにした構成が洒落ている。ファンでなくても、向田邦子の本が読みたくなるくらい、紹介に具体性があり興味を惹かれる番組である。

  • 優秀

    やまなしSDGsプロジェクト特別番組「善意の休診日~毒舌院長の奮闘記~」

    山梨放送

    制作統括 武井 功、プロデューサー 酒井康宜、ディレクター 古田茂仁、ナレーター 海野紀恵

    山梨県甲府市にある斉木歯科医院の院長・斉木薫さん72歳。患者に容赦なく繰り出される毒舌の数々。それでも彼は患者たちに愛されている。斉木院長は30年以上、休診日に、障害がある子どもたちの診療を続けている。真っすぐ子どもたちと向き合う院長と、彼のもとに集う人々の心の交流の記録。
    斉木院長のキャラクターが抜群に面白い。一般に知られていない障害者の歯科診療を取り上げ、それを一人の個人の善意に頼っていてよいのかという訴えも伝わってくる。

  • 優秀

    NNNドキュメント’22 雨やどり

    北日本放送

    ディレクター 坂田 衛、撮影 羽柴 泉、編集 岡山友行、プロデューサー 堀田茂宏

    富山県高岡市にあるコミュニティハウス「ひとのま」には、さまざまな人がやってくる。皆それぞれに生きづらさを抱え、社会に居場所を見つけられない人たちばかり。小さなコミュニティハウスの日常に半年間にわたり密着した番組。
    主人公の男性が「ひとのま」の運営に取り組む姿を十分に見せた後で、実は彼自身も親からDVを受けていた過去があると明かす巧みな構成。施設運営の苦労など、今後も継続的に報じてほしいと思わせる秀作である。

  • 優秀

    映像21“存在しない”人たち~無戸籍で生きるということ~

    毎日放送

    プロデューサー 奥田雅治、ディレクター 伊佐治整、ナレーター 湯浅真由美、撮影 原 淳二

    奈良市在住の市川真由美さんは、小さなイベント会社を経営する傍ら全国の無戸籍者支援にあたっている。市川さんの活動を追い、人間としての存在を認められず、日本社会のセーフティネットの網からこぼれ落ちる無戸籍者の実態を明らかにする。
    旧態依然とした日本の戸籍制度やその不備に対して問題提起した番組。無戸籍の当事者が顔を出して苦しみを語っていることに胸を打たれる。

  • 優秀

    被爆地にたつ孤児収容所 ~2千人の父、上栗頼登~

    テレビ新広島

    ナレーション 小林克也、朗読 吉永小百合、構成 松石 泉、ディレクター 深井小百合

    終戦からわずか2カ月後、26歳の元陸軍軍人・上栗頼登かみくりよりとは、広島に孤児収容所「広島新生学園」を自費で開設した。学園の知られざる歴史をたどり、卒園生の証言などから、多くの子どもたちが、いかに戦争に翻弄されたかを描いた。
    戦後77年、歴史に埋もれた戦争孤児について粘り強く取材を重ね、彼らの苦難と戦争のむごさを現代に伝えている。孤児への教育の重要性を訴える上栗の姿勢に感銘を受ける。

  • 優秀

    現場発 大きくなった赤ちゃん~ゆりかご15年~

    熊本県民テレビ

    ディレクター 吉村紗耶、プロデューサー 村松正哉、編集 藤谷圭太朗、撮影 井 太一

    親が育てられない子どもを匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(いわゆる「赤ちゃんポスト」)が熊本市の慈恵病院に開設されて15年。病院はゆりかごだけでは命を救えないと、特定の相談員以外に身元を明かさずに出産できる「内密出産」を導入した。匿名で出産したいという女性と、かつてゆりかごに託されて18歳に成長した青年を通して、「内密出産」という選択を考える。
    母親の事情と子どもの視点という2つの観点で話が進行し分かりやすい。内密出産の法制化を国会で訴える院長の姿やドイツの制度の紹介など、構成がよく練られている。

  • テレビエンターテインメント

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    やったぜ!じいちゃん

    CBCテレビ

    プロデューサー 藤井 稔、ディレクター 仲尾義晴、構成 宮崎祐人、撮影 川瀬荘司

    愛知県一宮市で印刷業を営む舟橋一男さんは生まれつきの脳性マヒで身体が不自由。子どもの頃「20歳までは生きられない」と診断されたが、74歳の今も元気で前向き、二人の娘、そして孫と家族に囲まれ幸せに生きている。同社が50年前に撮影していた舟橋さんの映像を交えながら、舟橋さんが感じること、思うこと、日常の暮らしを静かに描いている。
    素晴らしい素材をリアルに描いて、人間の素晴らしさを実感させてくれる。一家の明るさに希望が感じられ、心を動かされる番組として高く評価された。

  • 優秀

    無理しない ケガしない 明日も仕事 ~新根室プロレス物語~

    北海道文化放送

    プロデューサー 吉岡史幸、演出 湊 寛、編集・取材 堀 威、撮影 芦崎秀樹

    根室市でおもちゃ屋を営んでいたサムソン宮本は2006年、「新根室プロレス」を旗揚げ。全国区の人気となるものの、2017年に難病に侵される。最後に念願の東京公演を成功させたが、2020年9月に力尽き世を去った。残されたメンバーは1年後に根室の追悼公演でリング上から感謝の言葉を贈り、故郷を活気づけたヒーローに別れを告げた。
    家族や仲間との絆を大切にして最後まで懸命に生きた主人公と登場人物一人ひとりの思いに溢れており、人が描けている番組として好評を博した。

  • 優秀

    タモリステーション~二刀流 大谷翔平の軌跡~

    テレビ朝日

    プロデューサー・総合演出 若林邦彦、統括 奥川晃弘、ゼネラルプロデューサー 樋口圭介、プロデューサー 陣代 適

    野球の神様ベーブ・ルース以来となるリアル二刀流で、メジャー100年の歴史を塗り替えた若き天才・大谷翔平選手の活躍の秘密に迫る。2021年の躍動を振り返るとともに、原点を形作った3つの導きを深掘り。あらゆる角度から大谷選手の心・技・体を解き明かす。
    野球に興味がない人でも楽しめる作りで構成もまとまっており、タモリの起用も正解。大谷選手のすごさや魅力が伝わってくる番組として評価を得た。

  • 優秀

    静岡発 そこ知り しずおかラーメン最前線 決め手は至極の醬油作り

    静岡放送

    取材・構成 田中淑恭、プロデューサー 田中秀典

    静岡県内で大人気のラーメン3店舗の店主がオーダーメイドの醤油づくりを計画。老舗醤油蔵の8代目は新たな木桶造りと、原料に初めて丹波の黒豆を選定した。前例を見ない醤油づくりは試行錯誤の連続だったが、およそ1年後に完成。ラーメン店主たちは「良い醤油を使えばスープも生きる」と満足気。約2年間にわたる至極の醤油造りの物語。
    身近なラーメンが特別なものとして浮かびあがる。2年間にわたる映像取材、丁寧な原稿と歯切れ良いナレーションなど番組の企画・構成・編集の全体を通して完成度が高い。

  • 優秀

    女性の明日が楽になる!あしたのラク子さん

    朝日放送テレビ

    チーフプロデューサー 田中和也、プロデューサー 新名幹大、平田翔子

    加藤浩次を司会に女性のゲストとアナウンサーが月経や産後の身体の変化など女性特有の悩みをざっくばらんに話し合い、情報やアイテムを紹介。話題のフェムテック情報も満載し、アイテム使用の感想も正直にコメント。女性同士でも会話することがなかった話題を共有し、男性にも女性にもさまざまな理解を深めた。
    この素材をバラエティという枠の中で扱ったスタッフの意識と勇気がすばらしい。女性の悩みをオープンに語り合う番組は画期的で志が高く評価に値する。

  • 優秀

    ハイスクールは水族館‼ ~第3土曜日のしあわせ~

    南海放送

    ディレクター 荻山雄一、プロデューサー 寺尾 隆、語り 武田雛歩、撮影 山本貴洋

    2000匹の魚たちが泳ぐ「長高水族館」は校舎の中にある。愛媛県立長浜高校には全国で唯一の水族館部があり、毎月の一般公開で人気のイベント「トミーのハマチショー」は高校生が調教を担当。ショーの生みの親となった生徒の入学以降、6年間に密着した。小さな町の高校が入学者減少に直面する中、部員たちは魚たちと日々を懸命に生きている。
    150種類の魚を飼育する水族館が地域にとって欠かせない様子が伝わる。長期にわたる取材の中でさまざまな課題に取り組む生徒たちの姿に感銘を受ける心温まる番組。

  • 優秀

    地元検証バラエティ 福岡くん。第2回福岡箸上げ選手権 完全版

    福岡放送

    ディレクター 白澤篤人、プロデューサー/演出 羽田野雅裕、チーフプロデューサー 松尾嘉典

    美味しそうに料理を持ち上げる「箸上げ」はグルメ系企画があふれる福岡のタレントに必要不可欠なテクニック。各局の箸上げ自慢が一堂に会してナンバー1を決める大会の第2回を開催。県内の食べものに限定し、多様な顔ぶれが真剣勝負を行う。難易度の高い名物料理が次々と登場する中、決勝では予想できなかったまさかの展開が訪れる。
    「箸上げ」という業界用語を競技にする企画を局の壁を超えて大真面目にやっていることが素晴らしい。あまりの難易度、本気の戦いに驚愕、感動を呼び、高い評価を得た。

  • テレビドラマ

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    最愛

    TBSテレビ

    プロデューサー 新井順子、監督 塚原あゆ子、脚本 奥寺佐渡子、清水友佳子

    殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。始まりはのどかな地方都市の大学陸上部。不穏な出来事をきっかけに、梨央の運命が動きだすさまを巧みに描き、視聴者を物語に引き込んでいく。
    登場人物の生々しい感情を過不足なく丁寧に描く脚本、演出手腕が評価された。俳優らの演技も多面的で、緊迫感を持ちつつ情緒的な面も表現されていて上手い。

  • 優秀

    ハコヅメ ~たたかう!交番女子~

    日本テレビ放送網

    プロデューサー 藤森真実、演出 南雲聖一、脚本 根本ノンジ、出演者 戸田恵梨香、永野芽郁

    元刑事課のエースだった藤聖子と、ひよっこ警察官の川合麻依がペアを組み、“ハコヅメ”と呼ばれる交番勤務で地域のために奔走するストーリー。仕事に限界を感じ、辞表を出そうとしていた川合が、先輩警察官らに助けられながら成長していく姿を描いている。
    警察ドラマというとマッチョになりがちなイメージだが、女性警察官を主役にしたことで、従来とは異なる視点が生まれた。コメディとシリアスの配分が絶妙。社会に出たときに誰もが感じる喜怒哀楽をていねいに描き、視聴者に“若さゆえの未熟”をいとおしく感じさせることに成功している。

  • 優秀

    ミステリと言う勿れ

    フジテレビジョン

    プロデュース 草ヶ谷大輔、熊谷理恵、脚本 相沢友子、演出 松山博昭、出演 菅田将暉

    カレー作りが趣味で友達も恋人もいない大学生・久能整は、ある日突然、大学の同級生を殺害した容疑で警察の取り調べを受けることになる。執拗な取り調べの中でも、整は、会話や表情・仕草から刑事らが抱えているそれぞれの悩みに気づき、いつの間にか問題の本質を明らかにして解決してしまう。はじめはシニカルな印象の主人公だが、独特の長ぜりふで持論を展開し、既成概念にとらわれない考え方を説いて周囲の共感を得ていく。
    緻密に構成されたストーリー展開、原作漫画のエッセンスをうまく映像化した演出が高評価を得た。出演者の好演も光る。

  • 優秀

    おいハンサム!!

    東海テレビ放送

    原作 伊藤理佐、脚本・演出 山口雅俊、エグゼクティブプロデューサー 宮川朋之、プロデューサー 遠山圭介、主演 吉田鋼太郎

    昭和気質の頑固親父・伊藤源太郎とその妻、それぞれ独立して暮らす男運のない3人の娘たちの日常をユーモラスに切り取った新感覚のホームドラマ。恋や人生に悩む娘たちと、それを心配する父親、サバサバした母親。所々に差し込まれる小ネタ、源太郎の振る舞いやこだわりが笑いを誘う。
    キャラクター一人ひとりの個性、よく練られたディテールの面白さ、会話のテンポなどオリジナリティが際立っていて、不思議な魅力を持つドラマに仕上がった。キャスティングの妙も十分に生かされている。

  • 優秀

    僕もアイツも新郎です。

    関西テレビ放送

    プロデューサー 萩原 崇、監督 田中耕司、脚本 中村允俊、主演 葉山奨之、飯島寛騎

    瀬戸内海の見える結婚式場で、同性と式を挙げようとしていた新郎・瀬戸亮介と新郎・相川瑞樹。直前になって、亮介が両親に結婚相手が男性であると伝えていなかったことが発覚。衝撃の事実にたじろぐ亮介の父親。披露宴会場でけんかを始める両家。騒然とする会場。結婚式当日一日の悲喜こもごもを描いたドラマ。
    多くのBL作品のように、ロマンティックな部分を強調するのではなく、“同性愛に象徴されるような存在”を、われわれの社会がどう受け入れるのかという問いかけがある。恋愛や愛情を描くだけではない今日性も高く評価された。

  • 優秀

    ホメられたい僕の妄想ごはん

    テレビ大阪

    編成/プロデュース 岡本宏毅、プロデューサー 与十田孝輔、宮川宗生、脚本 あべ美佳、監督 針生悠伺

    仕事でもバンド活動でもうまくいかない主人公・和田理生は、おいしいご飯を作るのが日課。行きつけのスーパーで念入りに食材を選びキッチンに立つ。調理しながら、妄想の中で、作った料理をほめてくれる女性との会話を楽しむ。“妄想×ごはん”という設定が、登場人物の状況やエピソードと結びついていて、エッセイのような味わいが生まれた。
    ミュージックビデオを意識した調理のシーンは、映像のクオリティーが高く、番組独自のスタイルやリズムがある。グルメ番組、グルメドラマの新しい形を開発し、提示することに成功している。

  • CM部門

    ※各作品のタイトルは、「広告主名(非商業スポットは省略) 商品名/作品名(秒数)」の形で掲載

    ラジオCM第1種(20秒以内)

    栃木県庁 大阪センター 関西での栃木県の認知度向上/栃木県 実際どうなん 篇(20秒)

    MBSラジオ

    プロデューサー 藤岡佑輔、ディレクター 細川雅由、出演 上田悦子(毎日放送)、大村浩士(毎日放送)

    女性が栃木県のイメージを尋ねると、男性は「ええとこやで~」と日光、イチゴに鬼怒川温泉とすらすら答える。しかし、栃木県がどこにあるのか聞くと、男性は「いや、知らへん」と一言、女性はおもわず「知らんのか~い」とツッコむ。認知度向上を目的に関西で放送されたCM。「栃木県の場所がわからない」という関西圏でありがちなことをオチとして効果的に使い、栃木の魅力を記憶に残す秀作である。

  • 優秀

    青二プロダクション 青二プロダクション附属俳優養成所 青二塾/心電図 篇(20秒)

    文化放送

    プロデューサー 南 理子、ディレクター 見目幸伸、ミキサー 上原裕司、アカウントプランナー 矢代えり

    電気ショックを与えてもなお、心電図から緊急音が鳴り響く。医師は地声で「しかたない」とつぶやき、決意する。咳払いをし、全く異なるイケメンボイスで「おい、起きろよ」と話しかけると、心電図から正常な状態の音が聞こえるようになり、無事息を吹き返すというストーリー。「キャラクター」に声で命を吹き込む声優という職業を、医師が患者を蘇生させる様子になぞらえて表現し、その職業の魅力を存分に伝える作品に仕上がっている。

  • 優秀

    自社媒体PRスポット/忘れられない言葉~女友達 篇(20秒)

    エフエム東京

    プロデューサー 山口景子、クリエイティブディレター 中川英明(電通)、コピー 佐藤日登美(電通)、原 央海(電通)

    「たった一度言われただけなのに、忘れられない言葉ってありますよね」と語りかける女性。彼女は、友達に言われた「あっこちゃんち、麦茶薄いね」の一言が忘れられないという。どうでもいい言葉のはずなのに、忘れられないシュールな一言を提示することで、耳からの記憶が強いことを端的に表現し、ラジオCMの魅力を訴求することに成功している。

  • 優秀

    日機装 エアロピュア/汚い言葉 篇(20秒)

    エフエム東京

    プロデュース・ディレクション 山口景子、コピー 佐藤延夫(トビラ)、ミキサー 越川博雅(サウンズネクスト)、ナレーター 小山裕香(青二プロダクション)

    「超だりいんだよー」と吸い込みながら言うと、「倦怠感がございます」ときれいな表現にして吐き出される。空間除菌消臭装置を使い、汚い言葉が次々ときれいな言葉で吐き出される小気味好い展開で、空気をきれいにする製品の機能を楽しく表現した。汚い言葉をきれいに変換できるという前向きなアイデアが、ユニークに製品を訴求することにつながった点が評価された。

  • 優秀

    三和住宅 企業CM/天才への道しるべ(20秒)

    エフエム栃木

    プロデューサー 岡本明子、コピーライター 北川秀彦(電通プロモーションプラス)、ディレクター 杉山 茂(ファーストライン)、ナレーター 山根大嗣(だいまじん)

    「江戸川乱歩46回、ベートーヴェン79回、葛飾北斎93回」。偉人たちと回数の組み合わせにどんな偉業の数かと想像すると、実は生涯で引越しをした回数だと明かされる。多すぎる偉人たちの引越し回数の豆知識は、思わず人に話したくなってしまうような魅力がある。聞いた人が「なぜそんなに引っ越したのか」と素朴な疑問を持ち、賃貸物件への引越しを考えさせるきっかけを提供している点が秀逸なCM。

  • 優秀

    中部電力 中部電力MIRAI TOWER /「呼び方」 篇(20秒)

    エフエム愛知

    プロデューサー 高岸 良、コピーライター 原田誠太郎(三晃社)、西山智香(三晃社)、ミキサー 藤田 繁(スタジオ企画)

    「ねぇねぇ、たかしさん」と甘えるように呼んでいた妻が、今では「ちょっとアンタ!」と呼ぶようになったと、しんみり話す夫。名古屋テレビ塔の名称変更を伝え、呼び方が変わることは「愛情だと、思ってます」と肯定的に受け止めようとする。タワーの名称変更という前向きな出来事を、夫婦の小さな不満に結びつけている。そのストーリーの違和感が、かえって記憶に残るCMへと昇華させている力作。

  • 優秀

    西京銀行 やまぐち応援マイカーローン/「名前」 篇(20秒)

    山口放送

    プロデューサー 高橋謙司、ディレクター 千田正秀、企画 佐々木忠義、出演 竹重雅則

    香川県の山口さんは「ごめんなさい」、山口県の香川さんは「大丈夫」。山口県の石川さんは大丈夫だが、石川県の山口さんは断られる。聞いていると混乱してしまいそうだが、山口県民だけが申し込めるマイカーローンのCM。県民だけが申し込める商品特性を県名と同じ苗字を使いユニークに、面白く表現した。山口県民の味方であるという企業の姿勢が存分にアピールされている。

  • ラジオCM第2種(21秒以上)

    明治薬科大学 企業CM/三毛猫 篇(40秒)

    エフエム東京

    プロデュース・ディレクション 山口景子、中村由美、コピー 岩﨑良太(明治薬科大学)、ミキサー 越川博雅(サウンズネクスト)

    三毛猫のオスが生まれる確率と新薬開発の成功率はいずれも約3万分の1。この事実を上手く結びつけたストーリー展開が秀逸で、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、新薬開発というテーマが時代にも合っている。事実を紹介したうえでの「でも0じゃないじゃん」「そう思う方にこそ、(明治薬科大学薬学部生命創薬科学科に)来ていただきたい」というメッセージが力強く、訴求力の高い傑作である。

  • 優秀

    日本航空 企業CM/「よっ、山浦機長!なまらいいんでないかい!」 篇(120秒)

    STVラジオ

    プロデューサー・ディレクター・企画・録音・編集・音響効果 岡崎みどり、出演 山浦禎一(日本航空)、実際に搭乗されたお客様、ナレーション 西尾優希(札幌テレビ放送)

    日本航空の山浦機長は北海道小樽市出身。乗客に少しでも北海道弁に興味をもってもらいたいと、北海道内発着便の機内アナウンスに北海道弁を交えたところ、乗客や航空ファンの間で密かな人気になっているという。実際のアナウンスをCMにそのまま活用するユニークな構成に加えて、山浦機長の魅力的な人柄も伝わってきて、思わず聴き入ってしまう。

  • 優秀

    自社媒体PRスポット/カラフルラジオ イメージ 篇(60秒)

    ラジオ福島

    ディレクター 鈴木啓輔、コピーライター制作 瀧本 学

    2023年に開局70周年を迎えるラジオ福島は、キャッチコピーを「Colorful Radio」に一新。そのキャッチコピーの告知CMとなる本作品では、「相馬野馬追の法螺貝」や「豊間海岸の鳴き砂」の音など福島を象徴する、次の世代に残したい音を「色とりどり」ならぬ「音とりどり」に紹介する。自局の音声アーカイブスを効果的に活用する好事例といえる作品である。

  • 優秀

    自社媒体PRスポット/耳の日「検査」 篇(30秒)

    エフエム東京

    プロデューサー 山口景子、ディレクター 中村由美、コピーライター 若杉幸祐(電通)、出演 中村まこと(ゴーチ・ブラザーズ)

    3月3日の「耳の日」限定でオンエアしたCM。聴力検査の設定で、ヘッドフォンをした男性が、波や、船の汽笛の音を聴かされる。検査技師が終始「見えますか?」と問いかけるため、思わず男性が「何の検査ですか?」と聞くと、「想像力で見えてくる」とのナレーションが入る。そうした構成自体が想像力を掻き立てつつ、限られた秒数でドラマチックにまとめ上げている点が見事である。

  • 優秀

    自社媒体PRスポット/こどもみらいプロジェクト 「うちの子の話」 篇(90秒)

    J-WAVE

    プロデューサー 大谷恭代、コピー・ディレクター・出演 佐藤延夫(トビラ)、出演 佐藤小夏(トビラ)、エンジニア 越川博雅(サウンズネクスト)

    10年後、20年後も多様な風景が描けるように、未来を担う子供たちと、子供を持つ親たちを放送やイベントを通して応援する「こどもみらいプロジェクト」をPRするCM。本作品は親が生活の中で録音した、子供が九九を覚える声や、オリジナルソングを歌う声、寝ている親を起こす声や音などを使って構成され、「生の声」がラジオメディアの特性とあっている。思わずプロジェクトのことを検索したくなる訴求効果の高さが評価された。

  • 優秀

    カッパ・クリエイト かっぱ寿司/「かっぱ・は・まわーるど」 篇(120秒)

    朝日放送ラジオ

    プロデューサー 野本友恵、アシスタントプロデューサー 村上正道(フリーランス)、企画・コピー・ディレクター 森田一成(ビッグフェイス)、音楽・ディレクター 東 竜太(ビッグフェイス)

    男女がかっぱ寿司でデートしていると、最後の一皿を選ばせてくれる彼の優しさが大好きだと彼女が歌い始めてミュージカル調の展開になる。寿司ネタを交えながら、地球も時代も寿司も回っていると二人で歌い上げ、回転寿司といえばかっぱ寿司だと強く印象づける。出演者の演技力と、実際のお客さんが歌い出したような臨場感に圧倒され、思わず聴き入ってしまう作品である。

  • 優秀

    自社媒体PRスポット/「radiko生活はじめました」 篇(60秒)

    熊本放送

    プロデューサー 大村和央、ディレクター 妹尾勇気、佐藤健一(エスケープロダクツ)

    ラジオに触れたことがない世代が増えている中、熊本県内の「radiko」の認知度を上げるためにPRするCM。熊本放送のリスナーなら分かる、あるあるネタを盛り込んだ歌を、「冷やし中華はじめました」の歌ネタでおなじみのAMEMIYAさんが熱く歌い上げる。AMEMIYAさんの決め台詞で「radiko生活はじめました」と分かりやすく訴求され、一度聴くだけで記憶に残る点が評価された。

  • テレビCM

    公共キャンペーン・スポット/生理を、ひめごとにしない。(330秒)

    東海テレビ放送

    プロデューサー 桑山知之、ディレクター 髙山美月、カメラマン・VE 飯澤康平(東海テレビプロダクション)、エディター 杉原悠人(エキスプレス)

    「生理を、ひめごとにしない。」のコピーそのままに、生理中に立って働く百貨店の従業員や死産を経験し生理の大切さを実感した母親だけでなく、機械的に生理の痛みを体験し苦悶の表情を浮かべる男性記者や妻に頼まれ生理用品の購入を試みる夫などを描き、インクルーシブに生理を考え、語り合う。解決に向けた提案がある前向きな作品で、生理に対する社会の理解を促進させたことが高く評価された。

  • 優秀

    公共キャンペーン・スポット/「これが私の声です」~場面緘黙症と闘う女性たち(300秒)

    CBCテレビ

    構成・語り・プロデューサー 大園康志、ディレクター 若尾貴史、撮影 今井貴之(NTP)、編集 平野雄一郎(CBCクリエイション)

    家では話せるのに、学校など特定の場面や状況では声が出せなくなってしまう「場面緘黙症ばめんかんもくしょう」。記者の質問にいつもスマホで答える女性も、一人だけの部屋でならばと肉声で胸の内を明かしてくれた。自身の娘も症状と闘う記者が、女性たちを4年間にわたり取材しまとめあげたCMは、場面緘黙症の認知度向上に大きく寄与し、患者への理解を促す。テレビCM以外での今後の展開にも期待したい。

  • 優秀

    日之出 プレーンモップ/長さなら負けません(60秒)

    CBCテレビ

    プロデューサー 宇佐美浩伯、ディレクター 長谷川琢也、ドローン撮影 増田勝彦(EUREKA)、音効・MA 崎谷卓矢(東海サウンド)

    学校の廊下を元気よくモップがけする小学生たち。進んでも進んでも、なかなか廊下は終わらない。それもそのはず、小学生が掃除しているのは、全長128mにもなる廊下だ。日本でモップを販売してから100年以上にわたる広告主の歴史を、長い廊下で表現した。モップで掃除している様子をマイクロドローンを活用し、ワンカットで撮影したことで、インパクトのある映像表現となった。                     

  • 優秀

    公共キャンペーン・スポット/だから_並んで歩こう(240秒)

    読売テレビ放送

    プロデューサー・ディレクター 小林耕太郎、チーフディレクター 前川優也、ディレクター 平村香月、安部祐真

    若年性認知症の男性は、桜の下で笑う妻を撮影する。色素性乾皮症で太陽の下では遊べない男の子は、日の沈んだ公園で家族と遊ぶ。ヤングケアラーとして肉親の介護を続けた男性は、20年ぶりの友人と嬉しそうに会話する。場面緘黙症の少女は、母や先生に支えられ生きていく。異なる「生きにくさ」を問題提起しながらも、寄り添う人の笑顔を伝えることで、並んで歩く社会へ向けて前向きなメッセージを発信する力強い作品となった。

  • 技術部門

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    AI業務支援システム「エイディ」の社内開発と運用

    日本テレビ放送網

    研究・開発担当者 篠田貴之

    AIによる文字や物体などの認識技術を活用して、入力映像をリアルタイム処理する業務支援システムを低コストで自社開発し、インターネット接続を要さないPC単体で動作するよう構築した。
    これにより、AI学習の準備作業を著しく効率化するとともに、さまざまな番組のニーズに応じて、スコアやスーパーの表示、コンテンツの監視、映像処理などを自動化し、高度なCG合成も実現するなど、映像技術の高度化に大きく貢献した。

  • 優秀

    北京オリンピック中継における 360°映像を用いたXRステージの構築

    TBSテレビ

    研究・開発担当者 藤本 剛、生田史織、小作伸一、八木真一郎

    360°カメラによる北京オリンピック会場の実写映像を使用して、高精細LEDスクリーンが設置された本社スタジオに会場を再現し、CGと連動した高度な演出が可能なXRステージを構築した。
    これにより、現地の臨場感を余すところなく伝えるとともに、XRによる豊かな映像表現を視聴者に提示するなど、テレビ制作技術の発展に貢献した。

  • 優秀

    WEBブラウザ上で動作する素材アップロードツール「クラポ」の開発

    日本テレビ放送網

    研究・開発担当者 小池 中、杉田佳則、平野 実、岡田直紀

    記者が発行したQRコードを視聴者がスマートフォンで読み取るなどの方法で、専用アプリをインストールすることなく、WEBブラウザから動画素材を直接、本社の編集システムにアップロードするツールを開発・実用化した。
    これにより、サイバーセキュリティ対策に配慮しつつ、映像を編集するまでの作業フローを自動化し、ニュース制作における速報性の向上と業務の効率化に貢献した。

  • 優秀

    1万円台でできるモバイル伝送機器監視装置『パケキャッチュ』の開発

    東海テレビ放送

    研究・開発担当者 加藤伸一

    ネットワークサービスのQoS機能を応用し、複数のモバイル伝送装置の通信状態を1画面に集約して監視する装置を、オープンソースソフトウェアにより低コストで開発・実用化した。
    これにより、オンエアや収録のトラブルを未然に防ぎつつ、機動性に優れたモバイル伝送装置のさらなる有効活用を可能とし、テレビ番組中継の安定化・効率化に貢献した。

  • 優秀

    AI文字認識によるリアルタイム配信広告制御 ~アドオンでADをONできます!~

    東海テレビ放送

    研究・開発担当者 橋本新士、渡辺 潔、瀧 祐作

    既存のマスター設備を改修することなく、AI文字認識により、APS(自動番組制御装置)の監視用画面から広告制御情報を正答率100%で読み取り、リアルタイム配信の広告制御に活用するシステムを開発・実用化した。
    これにより、階段編成や緊急変更にも自動追従する配信広告の制御を、運用負荷のないアドオン方式で安価に実現し、テレビ番組配信の効率化に貢献した。

  • 優秀

    照明ルーバーフィルターの開発

    朝日放送テレビ

    研究・開発担当者 瀧本貴士

    スマートフォンの「のぞき見防止」に着想を得て、照度や演色性への影響を抑えつつ、視野角調整フィルムによって光の照射角をコントロールする「照明ルーバーフィルター」を開発・実用化した。
    これにより、従来型のルーバーと比較して大幅な業務の効率化を図り、発光面の遮蔽や映り込み軽減にも応用するなど、照明技術の高度化に貢献した。

  • 優秀

    IP方式ラジオAPSの開発

    南海放送

    研究・開発担当者 吉川大貴、鴨頭宏臣、城下雄大、乗松義弘

    オーディオネットワーク「Dante」の実用性や汎用性に着目し、番組/CMの音声をIP信号のまま切替えるAPS(自動番組制御装置)を開発するとともに、国内初のIPラジオマスターを構築した。
    これにより、ソフトウェア制御と市販機器を組み合わせたラジオマスターの将来像を示し、ラジオ送出技術の高度化に貢献した。

  • 技術奨励賞

    ローカル局のDX オンラインイベント「どうでしょうエアキャラバン」における“使い切り”ライブコマースシステムの開発

    北海道テレビ放送

    研究・開発担当者 三浦一樹、西崎 隼、木原光太郎、岩渕 秀

    社内のDXプロジェクト「ViEWS-on」として、内製でライブコマースシステムを短期間かつ低コストで開発しオンラインイベントの成功に貢献した。

  • 特別表彰部門

    青少年向け番組

    最優秀

    審査講評(近日公開) / 最優秀受賞のことば(近日公開)

    ytvドキュメント みのだん ~夢 コロナ 青春 強豪ダンス部の1年~

    読売テレビ放送

    ディレクター 加藤 涼、撮影 大中 一、西川 亮、編集 秋山進吾

    大阪府立箕面みのお高校のダンス部・通称「みのだん」は、全国屈指の強豪。コロナ禍により、練習時間の短縮など、数々の障壁にぶつかりながらも、顧問の先生の厳しく温かいサポートを得て、ひたすらダンスに取り組む。2021年もオンライン予選で優勝し、国内の頂点を目指すが、4月に高校でコロナ陽性者が確認され、無念の出場辞退を余儀なくされてしまう。涙の中で、ダンス部の活動にひとつの区切りをつける部員たち。気持ちを切り替え、次の目標、受験勉強に向かい始めた。
    夢を追い続けた高校生が、理不尽なコロナ禍の中でもがきながら、たくましく成長する姿を伝える。高校生のありのままの心情を伝え、同じくコロナ禍で犠牲を強いられる青少年たちに強く共感と憧れをもたらす番組と高く評価された。

  • 優秀

    東京パラリンピック完全版 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM TOKYOで輝く日本のエース:木村敬一

    WOWOW

    ナビゲーター&ナレーター 西島秀俊、演出 花枝祐樹、プロデューサー 泉 理絵、チーフプロデューサー 太田慎也

    2歳の時に視力を失った木村敬一さんは、小学4年生で水泳を始め、2008年北京パラリンピックに初出場。キャリアを重ね、日本のエースとなった。2016年リオパラリンピックでは銀メダルと銅メダルを2個ずつ獲得するが、金メダルには届かず、2018年、新たな環境を求めて単身渡米する。目も見えない、英語も話せない、友人もいない異国の地で懸命にもがき苦しむ日々。さらに、コロナの世界的蔓延による突然の帰国と東京パラリンピックの1年延期、その後も東京大会やアスリートに対する逆風の中、木村さんは何を考え、どう過ごしたのか。
    障害のある人が周囲に良い影響を与える点も描かれ、ドキュメンタリー作品としての完成度の高さとあわせて評価された。

  • 優秀

    太一の光~全盲の少年 7年間の記録~

    長野放送

    構成・プロデューサー 春原晴久、プロデューサー 伊藤晴彦、ディレクター 東澤鈴美、撮影 吉川勝義

    長野県のブラインドサッカーチーム「松本山雅B.F.C」のエースストライカー平林太一さん。幼少期に病気を患い両目の視力を失った太一さんは、小学1年生の時に「ブラインドサッカー」に出合い、練習に励んで力をつけてきた。夢は日本代表選手、そして、パラリンピックへの出場。明るい性格の太一さんが、幼い頃から大切にしてきたのは、人とのつながりと、人とのコミュニケーション。
    太一さんを7年間にわたって取材し、家族や仲間とかかわりながら成長していく姿を描く。太一さんのポジティブな生きざまは視聴者に大きな勇気を与え、障害者と健常者の「共生社会」への思いは、問題解決のための道筋を改めて考えさせられる。

  • 優秀

    KRYさわやかモーニングスペシャル 50センチの温もり ~道下美里13年の記録~

    山口放送

    プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 青木伸憲、ナレーション 高松綾香、カメラマン 本村 治

    道下美里さんは病気により小学4年生で右眼の視力を失い、25歳の時には左眼も発症し、次第に視力を失った。希望となったのは「走ること」。美里さんは伴走者と「絆」と呼ばれる50センチの赤いロープを頼りに走り、走ることで多くの人と「絆」で繋がる。伴走者や、家族、仲間。美里さんが走ることで、周囲の人々の人生にも良い影響を与えていく。世界王者として挑んだ東京パラリンピックで、見事、金メダルを獲得する。
    美里さんの笑顔、前向きな姿が多くの人々に勇気と感動を与える番組。番組の構成も素晴らしく、評価された。

  • 優秀

    目撃者f 消えないアラーム~医療的ケア児 命つないだ先に~

    福岡放送

    編集 田中宏治、ディレクター 奥村三枝、鬼丸ゆりか、プロデューサー 富永大介

    「医療的ケア児」とは、「医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童」のこと。医療的ケア児を持つ家族は深夜、異常を知らせるアラームの音に起こされる。一方、これまでの障害児支援制度の枠組みに当てはまらない「動ける医療的ケア児」も存在する。医療的ケア児を小学校の通常学級に通わせたい家族は行政側にかけ合うが、安全をめぐり大きな壁が立ちはだかる。介護の負担だけではなく、教育を受けさせることも、家族の努力に左右されている現状。「生きるとは何なのか」「誰もが平等に教育を受ける権利とは」と問いかける。
    医療的ケア児をめぐるさまざまな困難と、それに向き合う人々の苦悩や葛藤という重いテーマを真正面から取り上げていることに対し、高い評価を得た。

  • 放送と公共性

    ※最優秀は該当なし

    優秀

    カムイと共に ~アイヌを未来につなぐ~

    札幌テレビ放送

    実施責任者 石本桂一

    札幌テレビ放送は、夕方のローカル番組内の特集シリーズやドキュメンタリー番組の制作等を通じて、アイヌ文化の伝承に取り組む人々を取材し続けている。文字を持たないアイヌ語の伝承活動を行う地元の若者の姿を放送し、アイヌに向けられる差別と、これに抗う人々の展望を視聴者に示してきた。
    アイヌへの不適切発言が全国放送されたことを契機に、地元放送局としてこれまでに取り組んだ活動を整理した。アイヌの無形文化を映像として記録することで、アイヌとの共存を図り、その文化を後世に伝えようとする姿勢が評価された。

  • 優秀

    ブンケン歩いてゴミ拾いの旅

    福島中央テレビ

    実施責任者 皆川実成

    福島中央テレビは、2020年1月から番組内で“ブンケン”こと鈴木文健さんと福島県内のごみ拾いのロケを行っている。約2年半で歩いた距離は1,552km、9.82tものごみを拾った。番組内では落ちているごみを、福島県をきれいにする「希望のカケラ」と呼び、地元の子どもたちも参加するなど、活動は広がり続けている。
    明るく魅力的なブンケンさんが企画の原動力となっている。取材クルーだけでなく、社員や社内スタッフがごみの分別に取り組むなど、活動を地道に継続し、福島県民も巻き込んだSDGs活動へと発展させてきたことが評価された。

  • 優秀

    abn信州がんプロジェクト

    長野朝日放送

    実施責任者 五十嵐洋人

    長野朝日放送は、「知ろう、考えよう、がんのこと」をコンセプトに、2012年1月からがんの啓発活動に取り組んでいる。がん治療に取り組む医療関係者に密着した特別番組やニュース企画などを放送するだけでなく、放送終了後には可能な限りYouTubeなどで動画配信を行っており、2019年以降の動画の総再生回数は5月末までに630万回を超えた。
    10年にわたり、病院や医師と地道なコミュニケーションを取り続けた。コロナ禍においてもカメラを病院に預けて撮影を依頼できるほど強い信頼関係を構築してきたことが評価された。

  • 優秀

    定期配信型ドキュメンタリー「ピエロと呼ばれた息子」と地上波放送との連携による報道活動

    CBCテレビ

    実施責任者 大園康志、原 誠

    CBCテレビは、30万人に一人の難病と闘う5歳の男の子とその家族の思いを、継続して報道している。家族の意向を踏まえ、取材対象者の日常を淡々と記録した映像を自社の公式YouTubeチャンネルで配信し、家族が抱える悩みや社会との壁を詳らかにしている。制作者も視聴者とともに時を重ねていくドキュメンタリー番組の新たな視聴方法を提示し、配信内容を地上波のニュース番組にフィードバックする連携を効果的に行っている。
    配信視聴者の興味本位や誹謗中傷などを刺激してしまうことを含めて、家族に寄り添い今後も継続して社会に訴える必要があるとする、CBCテレビの意欲が評価された。

  • 優秀

    “ハイク”はみんなのもの~俳人・夏井いつきと歩いた25年~

    南海放送

    実施責任者 山内孝雄

    南海放送は、俳都・松山に所在する放送局として、一般から遠い存在になっていた俳句の普及を目指す活動を1997年に開始した。当時、世間的には無名であった夏井いつきさんをテレビ・ラジオに起用し、「俳句甲子園」といった取り組みを放送を通じて地道に展開した。
    それらの活動が、俳句の力を取り戻す原動力になり、地元に根差しながら現代の俳句文化を展開させた。投句という放送との関わりがリスナーの生活に与える影響力の大きさ、継続することで化学反応が起きるという信念を結実させた、丹念に番組を作り育てていく姿勢が評価された。