一般社団法人 日本民間放送連盟

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表彰番組・事績

2023年日本民間放送連盟賞 グランプリ・準グランプリ

グランプリ、準グランプリは、ラジオ・テレビ別に番組部門全種目の最優秀とこれに次ぐ優秀1番組の計8番組を対象に選考が行われました。

  • ラジオ・グランプリ

    審査講評 / グランプリ受賞のことば(近日公開)

    中四国ライブネット 全国で1000台突破!移動スーパーとくし丸~見えてきた、さらなるくらしの困りごと~

    四国放送

    ■番組内容:軽トラックに生鮮食料品などを積んで“買い物弱者”を支援する移動スーパー「とくし丸」。創業10年で1000台を超えるまでに拡大し、高齢者の見守りや災害時ライフラインとしての役割も担う。移動スーパーの取り組みを通じて地域が抱える課題を考える。

    ■ディレクター・構成編集 芝田和寿、アナウンサー 森本真司、ナレーター 中山千桂子、送出 中木光彦

    【選考理由】
    限界集落、買い物難民、超少子高齢化など、日本が抱えるさまざまな問題が移動スーパーとくし丸の取り組みを通じて伝わってくる。買い物ニーズに応えるだけでなく、見守りやオレオレ詐欺の防止など、とくし丸が地域コミュニティの中継点になっていることがよくわかる。取りあげる問題は深刻だが、移動スーパーの販売員による落語や利用客のおばあさんの明るい肉声を織り交ぜることで、番組全体が明るくなり、聞いていて飽きない構成になっている。デジタル社会においても、アナログなコミュニケーションが有用であることをあらためて感じる番組である。

  • ラジオ・準グランプリ

    準グランプリ受賞のことば(近日公開)

    KNB報道スペシャル 統一教会と富山政界

    北日本放送

    ■番組内容:全国有数の「保守王国」とされる富山県。安倍元首相の銃撃事件を契機に行った綿密な調査報道を、集大成としてまとめた。明らかになったのは、理想とする社会を実現するため、旧統一教会の関連団体が素性を隠して、富山政界に深く入り込んでいる実情だ。

    ■ナレーション 陸田陽子、編集 荒山知徳、構成 数家直樹、制作統括 河原哲志

    【選考理由】
    旧統一教会の元幹部へのインタビューを軸に、丹念な調査報道により、旧統一教会と富山政界の深い関係を明らかにした。口をつぐむ政治家たちに対し、行政への情報開示請求、過去のSNS発信内容などの資料やアンケートをもとに、教会とのかかわりを切り込んだ。地域固有の事情に通じている地元局だからこそできる取材であり、「保守王国」とされる富山県でこの問題に真摯に取り組んだ制作チームの勇気と使命感に敬意を表する。

  • テレビ・グランプリ

    審査講評 / グランプリ受賞のことば(近日公開)

    テレビ静岡55周年記念「イーちゃんの白い杖」特別編

    テレビ静岡

    ■番組内容:生まれつき目が見えない小長谷唯織(イーちゃん)。同じく全盲で重い障害を持って生まれた弟・息吹。姉弟とその家族を25年にわたって取材した。諦めない強さで、いくつもの壁を乗り越えようと奮闘するイーちゃんの姿を描いている。

    ■語り 春風亭昇太、監督 橋本真理子、撮影 杉本真弓、プロデューサー 永井 学

    【選考理由】
    25年もの長きにわたり、生まれつき目の見えない少女の成長とその家族を取材した。私的な生活を撮影していても被写体である家族が違和感なく応じており、取材者との強い信頼関係が自然と感じられる。障害者福祉のあり方を深く考えさせられるとともに、視覚障害のあるイーちゃんが悩みや葛藤を抱えながらも幸せを見つける成長物語として見ごたえがあった。社会的意義とエンターテインメントが高度に融合しており、悩みながら自分と向き合い、未来に向かって生きるすべての人に見てほしい番組である。

  • テレビ・準グランプリ

    準グランプリ受賞のことば(近日公開)

    こどもホスピス ~いのち輝く“第2のおうち”~

    朝日放送テレビ

    ■番組内容:大阪市鶴見区の「TSURUMIこどもホスピス」は国内初の民間施設。訪れるのは人生の大半を治療が占める子どもたち。看護師や保育士の資格を持つスタッフが病院と連携しながら病気の子どもときょうだい、親のケアにあたっている。ここは決して悲しみに満ちた場所ではない。人の温もりに包まれながら懸命に生きる子どもと家族の姿を追った。

    ■プロデューサー 西 一樹、ディレクター 長谷川健、ナレーション 桂 紗綾、カメラ 神近伸彰

    【選考理由】
    重い病気と闘う子どもたちが、こどもホスピスで家族とともにいきいきと過ごす姿が心に響く。こどもホスピスを中心に、利用者の背景と施設側の立場、支援者の動機、海外の先行例、今後の課題や展望がよく整理されており、治療に偏重する日本の現状に一石を投じている。闘病する子どもたちが今を楽しく過ごすことができるよう、こどもホスピスの取り組みが広がってほしいと願う番組の思いが説得力をもって表現されている。