民放連賞

2025年日本民間放送連盟賞 グランプリ・準グランプリ

グランプリ、準グランプリは、ラジオ・テレビ別に番組部門全種目の最優秀とこれに次ぐ優秀1番組の計8番組を対象に選考が行われました。

  • ラジオ・グランプリ

    文化放送開局記念 昭和100年スペシャル「ドンとモーグリとライオンと ~やなせたかし 名作前夜」

    文化放送

    ■放送日時:2025年3月31日11:00~12:00

    ■番組内容:アンパンマンの作者として知られる、やなせたかしが手がけた1960年代のラジオドラマ台本をもとに、名作誕生の“前夜”をひも解く。台本の朗読、当時を知る関係者の証言を通じ、作品に込められた正義や命の尊さなどのメッセージを次世代に伝える。

    ■企画・ディレクター 豊澤佑衣、プロデューサー 奈良重宗、アドバイザー 鈴木敏夫、構成 山田睦美

    【選考理由】
    若手が過去をひも解いて新たに描き直す取り組みは、放送コンテンツの今日化に向けたチャレンジである。アーカイブ資料の再発掘と活用が光る企画であり、丁寧なストーリー展開や構成は秀逸。音楽やトーンの演出も心地よく、やなせ氏の一貫した平和への願い、人に対する想いが強く伝わり、このような時代だからこそ多くの人に聞いてほしい素晴らしい作品である。

  • ラジオ・準グランプリ

    消えゆく声・ヒロシマを継ぐこと

    中国放送

    ■放送日時:2024年8月6日13:00~13:54

    ■番組内容:平均年齢85.58歳。ヒロシマから被爆者がいなくなる時がそこまで来ている。継承は容易ではない。家族伝承者1期生・細川洋さんと2023年11月に亡くなった父・浩史さんのインタビューを軸に、覚悟が必要な制作者の心境の変化も交えて継承の在り方を考える。

    ■プロデューサー・演出 森下朋之、ナレーター・制作 宮﨑夏音、取材 角 賢直、ナレーター 田口麻衣

    【選考理由】
    声の抑揚や沈黙、環境音といったラジオならではの表現がリスナーの創造力を引き出し、記録や映像以上に声が持つ力を感じた。世代継承という新たな視点から、歴史をリアルに伝える強い思いと使命感が伝わってくる。さまざまな脅威が高まる現代において、「消えゆく声」をどう語り継いでいくかとの問題に向き合った学びのある作品である。

  • テレビ・グランプリ

    SBSスペシャル 無限の檻〜袴田巖さんと再審〜

    静岡放送

    ■放送日時:2024年10月21日09:55~10:50

    ■番組内容:2024年9月26日、袴田巖さんに対して静岡地裁は再審無罪判決を出した。逮捕から58年が経過していた。冤罪が疑われながら、それを正す機会はなかったのか。裁判の過程で、袴田巖さんは無罪だと思っていた3人の裁判官への取材を軸に、過去映像や当時の取り調べ音声、資料などから、日本の司法の問題点を浮かび上がらせる。

    ■取材 山口駿平、編集 大石勝博、撮影 渡邉佳昭、プロデューサー 増田哲也

    【選考理由】
    さまざまな立場の方の58年間を重層的に追った厚みのある番組。複雑な経緯をたどったこの事件を分かりやすく、かつ克明に描くとともに、今後の司法の在り方や再審制度に対する提言ともなる構成に感銘を受けた。長期にわたる丁寧な取材をもとに冤罪の恐ろしさや再審の難しさを雄弁な映像表現で深掘りした、地元メディアの情熱がつまった秀逸な作品である。

  • テレビ・準グランプリ

    ちょいバラ 濱田祐太郎のブラリモウドク

    朝日放送テレビ

    ■放送日時:2024年6月30日01:15~01:30

    ■番組内容:濱田祐太郎(盲目のピン芸人)が、関西の街を歩き、人々と交流しながら、独自の視点で街の魅力を再発見する。「モウドク(盲毒)」と呼ばれる濱田の鋭いツッコミや毒舌を活かした構成から、視聴者自身の「心の中のモウドク」に気づくきっかけとなる番組。

    ■プロデューサー 森田純平、演出 児玉裕佳、出演者 濱田祐太郎、トキ(藤崎マーケット)

    【選考理由】
    チャレンジングでオリジナリティのある画期的な番組。繊細になりつつある世の中で、親しいからこその「雑な関係性」を示すことで、新しい風を送り込んでいると感じた。視覚障害のある方に街はどう映っているのか、健常者はどう介助していくのか。笑いを通じてさまざまな気づきを与えてくれるバラエティである。