一般社団法人 日本民間放送連盟

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表彰番組・事績

2020年日本民間放送連盟賞各部門の審査結果

番組部門

ラジオ報道番組

ラジオ教養番組

ラジオエンターテインメント番組

ラジオ生ワイド番組

テレビ報道番組

テレビ教養番組

テレビエンターテインメント番組

テレビドラマ番組

CM部門

ラジオCM 第1種(20秒以内)

ラジオCM 第2種(21秒以上)

テレビCM

技術部門

特別表彰部門

       青少年向け番組

      放送と公共性 

 

 グランプリ候補番組

 


 

番組部門

〔ラジオ報道番組〕

 

最優秀 南海放送ラジオ報道特別番組「感染」―正義とは何か―

南海放送

 企画・統括 山内孝雄、ディレクター・取材 植田竜一、取材 中武正和、ナレーション 永野彰子

JPG 新型コロナウイルス感染者やエッセンシャルワーカーへの直接的、間接的な差別や誹謗中傷が相次いでいる。愛媛県内で起こった複数の問題を起点に、過去の歴史を紐解きながら、その背景にある一人一人の「正義」に迫っていく。
 感染症に怯える人間の闇の部分を描いた力作。現状を注意深い取材で克明に描き出している。約100年前の“お遍路さんに対する感染症差別”という負の歴史に光を当てたことも高く評価。ラジオ報道らしく地元に根ざして歴史と今を伝える番組内容は秀逸である。

 

 

 

優 秀 ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~

北海道放送

 プロデューサー 山﨑裕侍、ディレクター 長沢 祐、ナレーター 赤城正敏、編集・効果 西岡敏明

 2019年7月の参議院選挙期間中、JR札幌駅前で起きた警察によるヤジの排除。小さな自由が奪われた先に待つものが、この国の民主主義に何をもたらすのか。戦前や戦時中に起きた言論や表現の自由の弾圧に関する歴史を紐解きながら、検証していく。
 表現の自由の大切さ、民主主義のあり方を問う意欲的な番組。過去の歴史的事件に触れ、対比することで今回の問題の深刻さがより明確に伝わる構成になっている。地方で起こった事件を契機に、日本全体の問題を浮き彫りにするローカル局ならではの報道番組。

 

優 秀 文化放送報道スペシャル「戦争はあった」

文化放送

 出演 アーサー・ビナード、取材 吉田涙子、石森則和、ディレクター 相笠淳一

 作家・小松左京氏が1968年に発表した「戦争はなかった」という短編のSFホラー小説をモチーフに、アメリカ生まれの詩人、アーサー・ビナード氏が「あの戦争は本当にあったのか」を探求するため、関東に残る5つの戦争の残滓を探す旅に出る。
 「戦争モノ」として、戦争の記憶の風化に警鐘を鳴らすのではなく、街歩きをして自らその痕跡を探すという手法や、ミステリー小説のような演出は斬新で魅力的である。戦争を知らない人にとっても親しみやすく、「戦争はあった」ことをより深く理解できる番組。

 

優 秀 IBSプレシャスフライデー「台風19号水害~そのとき県内は」

茨城放送

 プロデューサー・ディレクター 畑中一也、ナレーター・取材 樋口直実、ナレーター 水越恭子、出演・取材 立川 晶

 2019年10月12日に茨城県を直撃した台風19号による水害は、県内の広範囲に及び、甚大な被害をもたらした。茨城放送防災キャスターの樋口直実氏が、実際に水害の被害を受けた住民へのインタビュー取材を通じて、水害の課題を明らかにしていく。
 数多くの住民インタビューで構成され、丹念に被災地の取材を重ねている姿勢が見て取れる。住民一人一人の話をじっくり聴くことができるのはラジオならではの演出であり、その結果、被災者の切実な声が伝わってくる。未来に残すべき貴重な記録、証言集である。

 

優 秀 KNBラジオドキュメンタリー 拝啓 植松被告様

北日本放送

 取材・ナレーション 武道優美子、制作統括 河原哲志、ディレクター 大野慶介、編集 荒山知徳

 脳性まひがあり重度の障害者である八木勝自さんは、「津久井やまゆり園」で障害者19人を殺害し逮捕・起訴された植松聖被告(当時)と手紙のやりとりをし、横浜拘置支所で接見した。八木さんが自身の経験から植松被告に聞きたかったこと、伝えたかったこと、その思いを描く。
 圧倒的な表現力とテーマ性で、障害者施設殺傷事件をありありと音で描き出している。丁寧な取材、番組作りによって八木さんの思い、植松被告と相容れない怒りと絶望、そして社会の闇が伝わってくる。

 

優 秀 決断~新型コロナ、問われる知事の危機管理能力~

和歌山放送

 取材・構成・制作 堤 圭一、ナレーション 寺門秀介、出演 仁坂吉伸、野尻孝子

 2020年2月、国内初となる新型コロナウイルスの院内感染が発生した和歌山県。県知事の決断で政府方針とは異なる方法を採り、感染拡大を食い止めた。番組では、この対応を通じて、危機に直面した際に地方自治のトップに求められるものは何かを考えていく。
 米ワシントン・ポストも「和歌山モデル」として成功事例と報じた和歌山県における対策。その内容や、県知事の判断、経緯などを丁寧にわかりやすく伝えている。

 

優 秀 RKB報道スペシャル“魔法の素材”が舞う~プラスチック大気汚染~

RKB毎日放送

 ディレクター 後藤弘之、プロデューサー 高藤秋子、児玉克浩、ラジオ版構成 宮岡朋治

 安価で用途にあわせ硬くも軟らかくもできる“魔法の素材”プラスチックの誕生で暮らしは便利になった。その一方、海洋汚染とともに大気中を漂う「マイクロプラスチック」による大気汚染が明らかになってきた。その実態を解明しようとする研究者を追った。
 マイクロプラスチックの浮遊という新たな問題を、その背景も交え、さまざまな角度から浮き彫りにしようとする意欲作。制作者の目線の良さが感じられる。

 

 

〔ラジオ教養番組〕

 

最優秀 J‐WAVE SELECTION GENERATION TO GENERATION~STORIES OF OKINAWA~

J-WAVE

 出演者 ジョン・カビラ、川平朝清、プロデューサー 高知尾綾子、構成・演出 坂本彰範

JPG 激しい地上戦の末、焼け野原と化し、アメリカ軍の統治下におかれた沖縄。その沖縄でラジオ放送がどのように始まり、どのような思いを込めて何を伝えたのか。ラジオ放送の立ち上げに深く携わった川平朝清さんに、息子のジョン・カビラさんがインタビューする。
 ラジオ放送の生き証人である父から、同じ道を歩む息子に語る声の一つ一つが貴重な記録。FM局ならではの巧みな挿入歌が物語を印象深く引き立たせる。親から子へと引き継がれるバトン。番組を聴いたリスナーもまた、先を生きた世代に話を聞いてみたくなる。

 

 

優 秀 なりわいの津軽三味線 ~竹山をかたりつぐ西川洋子~

青森放送

 プロデューサー 森内真人、企画・構成 山本鷹賀春、取材・ナレーション 夏目浩光、出演 西川洋子

 津軽三味線奏者・西川洋子さんは両手の指が不自由になり、師匠で津軽三味線の名人の高橋竹山から受け継いだ「指奏法」ができなくなったため、2019年暮れ、68年続いた正調民謡の店「甚太古」を閉めた。竹山の唯一の語り部と言われる西川さんの姿を描く。
 丹念な取材によって西川さんの半生、津軽三味線の歴史、師である竹山の指奏法誕生までを非常に丁寧に描いている。津軽弁を活かしたリズミカルな編集で、全体が音楽番組のように聞こえてくる。ただの“終わりの物語”ではない構成も巧み。

 

優 秀 SBCラジオスペシャル 「ギフト~森の祈り人 C.W.ニコルさんが遺したもの」

信越放送

 プロデューサー 小林徳明、ディレクター 清沢康夫、インタビュアー・レポーター 武田 徹、ナレーション 生田明子

 2020年4月、この世を去ったイギリス出身の作家で自然活動家のC.W.ニコルさん。番組では、パーソナリティの武田徹さんがニコルさんと繋がりがあった人にインタビュー。その功績を振り返るとともに、意志を継ぎ活動する人々の想いを伝える。
 ニコルさんへの取材を重ねてきたからこそ生まれた地元局ならではの追悼番組。ゲストそれぞれが語るニコルさんの遺した“ギフト”によって、その想い、未来へのメッセージが立体的に伝わってくる。背景に流れる野鳥の声や水音。彼の愛した森が目に浮かぶ。

 

優 秀 伊勢湾台風特別番組 あの日から60年 その命を、守りたい

CBCラジオ

 プロデューサー 榊原なつ美、ディレクター・パーソナリティ 澤 朋宏、ディレクター・構成 森合康行、音効・ミキサー 岩室吉紀

 1959年9月の伊勢湾台風をきっかけに名古屋で日本初の気象キャスターとなった島川甲子三さん。島川さんの人生をかけた減災への思いとともに、様々な気象関係者を取材し、その後60年で気象と災害の関係、情報の伝え方がどのように進化したのかを検証する。
 住民にきちんと警報が伝わらなかった60年前の伊勢湾台風。そのことへの後悔から、気象キャスターの歩みをたどり、教訓や今の気象キャスターの方々の決意につなげる巧みな構成。先人の肉声をきちんとアーカイブとして記録する必要性をあらためて感じる。

 

優 秀 山下純一とアルミカンの今夜もバリアフリーFUNK

大阪放送

 プロデューサー 赤松加枝子、ディレクター 佐田義和、出演者 山下純一、アルミカン

 パーソナリティは全盲で肢体不自由のミュージシャン・山下純一さんと、健常者の漫才コンビ・アルミカン。障がい者やその介助者が何に苦労し、どのように対処しているか、新型コロナウイルスで加わった影響も含めて、日常の様々な“バリア”を発見していく。
 重いテーマを井戸端会議のような普段の喋りによって、明るく楽しく聴くことができる。視覚障がい者にとっての「ソーシャル・ディスタンス」の問題や、重症化リスクの高い障がい者にとって、感染症対策がこれまでも日常だったことなど、多くの“気づき”が得られる番組。

 

優 秀 ボクと彼女の音がたり ~効果音から作るラジオドラマ

広島エフエム放送

 プロデューサー 屋形英貴、ディレクター 森島隆宏、ワークショップディレクター 竹下香織、ラジオドラマ脚本 清水浩司

 広島県内の高校生と効果音作りのワークショップを実施し、かつて音響効果技師が使用したアナログな道具を使用して生まれた音をもとにラジオドラマを制作。効果音を通じて、ラジオの原点である「音」によるイマジネーションを膨らませる楽しさを追求する。
 効果音の専門家・高校生・作家・声優と大勢の出演者を配置し、ひとつのドラマにまとめる構成手法が面白い。効果音に焦点を当てたコンセプト、着眼点がすばらしい。

 

優 秀 中村哲追悼番組「~HELPING HAND~真の国際貢献とは」

ラブエフエム国際放送

 編成企画 楠崎智隆、制作ディレクター 温水慎一郎、出演者 TOM G

 2019年12月4日、アフガニスタン東部で凶弾に倒れた医師の中村哲さん。戦乱が続くアフガニスタンで35年にわたり人々の平穏な営みを取り戻すべく、干ばつと戦ってきた中村さんへの感謝の思いを綴るとともに、中村さんが伝えたかった“真の国際貢献”に迫る。
 過去の講演とインタビューを巧みに構成し、地元ならではの話も織り交ぜることで、中村さんの人柄、その功績、国際貢献・地域貢献に対する想いが伝わってくる。

 

 

〔ラジオエンターテインメント番組〕

 

最優秀 村上RADIOステイホームスペシャル~明るいあしたを迎えるための音楽~

エフエム東京

 プロデューサー 延江 浩、 増山麗央、ディレクター 木村尚志、構成 小林浩子

JPG 作家・村上春樹氏がDJを務める番組の特別版。収録された自宅書斎のレコードコレクションから厳選された18曲とともに、一人マイクに向かって、時にユーモアを交えながらリスナーからの投稿に真摯に答え、この時代を生きる作家としての思いを静かに語る。
 ステイホームの中で、リスナーに権威や前例にこだわらず、人々の愛や思いやりの大切さを実感させ、明日への前向きな気持ちを持たせてくれるとして高く評価された。

 

 

優 秀 北海道はっけん伝~ルークシュポールをさがせ!~

エフエム北海道

 プロデューサー 吉田 香、 ディレクター 坂田太郎、出演パーソナリティ そら、音楽制作 寅松敏史

 北海道のルーツをもっと知りたいリスナーに向け、札幌市在住の絵本作家・そらが「ルークシュポール」をキーワードに、歴史と文化を探る旅のラジオドラマ。ストーリーの間に専門家のインタビューを交え、探求心を刺激しながら北海道を再発見する。
 アイヌ語や北海道の言葉の起源に関するトリビアに興味が掻き立てられるとともに、専門家の分かりやすい解説を折りこんだ冒険絵本のようで楽しい。

 

優 秀 SBSラジオギャラリー ダンシングジャパン ~リズムに乗ったら手を叩こう~

静岡放送

 出演 桑原秀和、坪井佳織、構成・演出 菊池 勝、藤浪由希子

 コンサートやカラオケで他人と手拍子がずれていないか? 昔から日本人になじみのある1拍3拍の「ダウンビート」と、西洋音楽に多い2拍4拍の「アップビート」の違いを1960年代から現在までの名曲に合わせた手拍子で知る企画。子どもから年配までリスナーが楽しく参加できるように歌のお姉さんと生徒というシンプルな構図で展開する。
 日本人のリズム感が世界から影響を受ける中で変化していることが体験的に示され、企画や視点の面白さにあふれている。

 

優 秀 浅川マキ 没後10年メモリアル・プログラム “LONG GOOD-BYE”

エフエム石川

 構成・出演 立川直樹、出演 寺本幸司、企画 森井 桂、制作 辰巳健太郎

 石川県白山市(旧美川町)出身で1969年にメジャーデビューし、小劇場を中心とした活動で「アングラの女王」と呼ばれたアーティスト・浅川マキの没後10年メモリアル番組。代表曲『夜が明けたら』などを織り交ぜながら、デビューから全ての楽曲を手掛けたプロデューサーらがデビュー当時の秘話やエピソードを披露し、その魅力を解き明かす。
 ムードが良く、「アングラの女王」らしい世界を感じることができる作りで、バックグラウンドの解説を含めて深く掘り下げたのはラジオならではの手法として評価された。

 

優 秀 802BINTANG GARDEN-太陽の破片-

FM 8 0 2

 出演・DJ 浅井博章、美晴、スタッフ 服藤有紀

 尾崎豊の命日に合わせた特集番組。往復書簡の形でつづられる朗読劇とともに、彼の音楽にスポットを当てた60分間のラジオドラマ。ミュージシャンを目指した若者が夢を叶え、成功を手にした末に転落。常に彼を支えながら一部始終を見届けた女性と、十数年の時を経て再会するまでの物語となっている。
 出てくる風景、話題も含めて、大人のリスナーが主人公のように、あの頃を思い出すことができるラジオドラマらしい仕上りが静かで安定感がある。

 

優 秀 終戦75年特別企画紫電改プロジェクト 2020年版ラジオドラマ「紫電改 君がくれた紫のマフラー」

南海放送

 プロデューサー 松本直幸、 原作・制作 江刺伯洋、脚本 岩城一平、編集 岡田耕一

 昭和19年、技術の粋を集めて開発された局地戦闘機・紫電改。松山基地に集められた搭乗員たちは、訓練の合間に食堂「喜楽」を訪れ、若女将・今井琴子さんは同世代の彼らを歓待。別れ際に彼女は、済美高等女学校の生徒とともに38枚の紫のマフラーを作り、餞別として贈った。史実と虚構を織り交ぜて彼らの交流を描いたラジオドラマ。
 地域に残る戦争の歴史を風化させぬよう若年層を視野に入れた意義は大きい。アニメを見ているように風景が頭の中に浮かび、忘れてはいけない日本人の体験を伝える秀作。

 

優 秀 MEGと大輔の言いたい放題!ゴールデンウイークリクエスト祭り!

熊本放送

 出演者 MEG、渡辺大輔、きくちくん、ディレクター 梅井秀誠

 新型コロナウイルスの広がりで緊急事態宣言が発令され、「ステイホーム」が合言葉になった大型連休に、ラジオを聴くだけでなく、パーソナリティと会話し、メール投稿で少しでも気分をスカッとしてもらおうというリスナー参加型のリクエスト特番。
 パーソナリティが地元の人々とコミュニケーションする双方向性は地域のラジオ番組の価値を体現し、生活に寄り添うメディアだからできる世界観を作っている。

 

 

〔ラジオ生ワイド番組〕

 

最優秀 大窪シゲキの9ジラジ~9ジラジ卒業式生放送スペシャル

広島エフエム放送

 プロデューサー 屋形英貴、ディレクター 竹下香織、市川拓弥、DJ 大窪シゲキ

JPG 月~木/20時~22時の放送。今年で放送開始20年、広島の10代に寄り添い続けてきた。新型コロナウイルスの影響で、中学・高校3年生の卒業生の門出を祝う恒例イベント「9ジラジ卒業式」が中止となり、代わりに番組内で「9ジラジ卒業式生放送スペシャル」を実施。「来賓あいさつ」、卒業生代表の「答辞」など、卒業式さながらの展開でリスナーの旅立ちを祝福した。
  長年のリスナーとの信頼関係があってこそ成り立つ企画。キャスト・スタッフのチームワークのすばらしさが伝わってくる優れた番組である。

 

 

優 秀 のりこの週刊おばさん白書「昔の自分にラジオレター」

IBC岩手放送

 ディレクター 野村 恵、パーソナリティ 後藤のりこ

 日曜/13時~16時30分の放送。2001年に放送開始。毎週、テーマを設定し寄せられたお便りをパーソナリティの後藤のりこが紹介する。今回の募集テーマは「昔の自分にラジオレター」。悩んでいた昔の自分に、今だから言いたいメッセージが数多く寄せられた。
  長寿番組としての安定感がある。時にもらい泣きしながら投稿を紹介するパーソナリティのトークがすばらしく、リスナーに寄り添う姿勢に惹きつけられる。

 

優 秀 ジェーン・スー 生活は踊る

TBSラジオ

 パーソナリティ ジェーン・スー、アナウンサー 堀井美香、ディレクター 中野堅介、放送作家 古川 耕

 月~金/11時~13時の放送。コラムニストのジェーン・スーと曜日パートナーのTBSアナウンサーが送る生活情報番組。番組内では、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う休校により、自宅待機を余儀なくされている子どもたちに向けた企画「リモート朗読会」を実施。6名の子どもたちと電話を繋ぎ、リレー形式でひとつの児童文学を朗読した。
 リモート朗読会の企画は面白く、印象に残る。多くのコーナーをそれぞれ有機的につなげようとする工夫も評価を得た。

 

優 秀 RBZfriday

エフエム栃木

 プロデューサー・パーソナリティ 佐藤 望、ディレクター 小松正浩、パーソナリティ 棚橋麻衣

 金曜/14時~18時55分の放送。生活情報、英会話、生中継リポート、音楽チャート発表などバラエティ溢れるコーナーをパーソナリティ2人の軽快なトークで展開。年末にさしかかった今回の放送では、「私の今年を表す漢字一文字」というテーマでリスナーからメッセージを募集した。
 パーソナリティのコンビネーションが絶妙。2人のトークはラジオの楽しさを感じさせるとともに、リスナーが参加しやすい雰囲気を醸成している。

 

優 秀 若狭敬一のスポ音 ~エンジョイホーム テレトーク

CBCラジオ

 プロデューサー 長谷川達也、チーフディレクター 森合康行、ディレクター 伊藤健二、パーソナリティ 若狭敬一

 土曜/12時20分~16時30分の放送。ドラゴンズ情報やスポーツニュースを音楽とともにお届けする番組。今回の放送は新型コロナウイルスによる自粛疲れが懸念されていた時期。多くのリスナーと電話をつなぎ、自粛期間の過ごし方や苦労を聞いた。特集コーナーでは脳科学者の柿木隆介教授をゲストに、ストレスとの向き合い方を考えた。
 ゲストやリスナーへのインタビューが面白く、パーソナリティがリスナーの知りたいことを上手く聞き出している点が評価を得た。

 

優 秀 Kiss Music Presenter

兵庫エフエム放送

 プロデューサー 松村聡美、ディレクター 荒川涼子、アシスタントディレクター 今井乙華、出演者 藤原 岬

 月~木/15時~19時の放送。放送17年目を迎える4時間のリクエスト番組。今回は、新型コロナウイルスの影響で学校の卒業式が延期・中止になったというリスナーからのメッセージをきっかけに、放送当日急遽、特別企画「ラジオで卒業おめでと~!」を実施。
 一貫してリスナーにエールを送っており、明るい時間を共有できる。選曲がすばらしく、曲紹介やタイトルコールのタイミングも見事である。

 

優 秀 PAO~N

九州朝日放送

 チーフディレクター 河内埜義高、ディレクター 新堂昌則、アシスタント 西口明里、パーソナリティ 沢田幸二

 月~金/13時~16時の放送。メインパーソナリティの沢田幸二アナウンサーが日替わりパーソナリティとともに多彩なコーナーを展開。コロナ禍の中、リスナーに少しでも前向きになってもらおうと、リスナーの「今」を語ってもらうキャンペーンを実施した。今回は、歌手の氷川きよしさんと対馬市長が電話出演し、それぞれの「今」を語った。
 地域情報あり、笑えるコーナーありと生ワイドらしい番組。リスナーを飽きさせないメリハリのある構成が優れている。

 

 

〔テレビ報道番組〕

 

最優秀 がらくた ~性虐待、信じてくれますか~

中京テレビ放送

 ディレクター 森 葉月、撮影 佐藤彩子、監修 安川克巳、プロデューサー 横尾亮太

JPG 長年にわたり父親から性虐待を受けていた30歳の女性、なみさん。記憶と感覚のフラッシュバックに苦しみ続ける姿、記憶を上書きする行為をも加工せずに映し出している。絶縁状態となっていた母親を訪ねるが、否定も肯定もしない。「性虐待があったと信じてくれますか?」。彼女の言葉は、被害者たちから社会への問いかけのように響く。
 性虐待を受けた女性がカメラの前に全身を晒す姿を丁寧に追い、その映像は生身の人物の内面を描くぎりぎりの局面まで届く迫力がある衝撃作として、高い評価を得た。

 

優 秀 HTBノンフィクション「おっぱい2つとってみた ~46歳両側乳がん~」

北海道テレビ放送

 ディレクター・ナレーション 阿久津友紀、プロデューサー 山田佳晴、編集 山田裕加

 乳がん検診の啓発や患者の取材に力を入れていたディレクター自身が患者となり、撮影を決めたが、全摘しか選択肢がなくなった。この治療でいいのか。自問自答を繰り返す。女性たちは、病気になることが許されない社会を嘆く。誰もが先の分からない不安に揺られる。それでも前へ進むことを選んだ自らと心を寄せてくれた患者仲間の旅路の記録。
 当事者にしか分からない心の動きと家族や社会と向き合う困難に表現の広がりがあり、ジャーナリストとしての責任の果たし方として評価を得た。

 

優 秀 NNNドキュメント'19「なかったことに、したかった。未成年の性被害①」「なかったことに、できない。性被害② 回復への道は」

日本テレビ放送網

 ディレクター 植田恵子、プロデューサー 古市礼子、今村 忠、ナレーター 國井千聖

 前編は、未成年の性被害の実態と影響を伝える。被害者の4割は未成年だが、証言能力が低いとされる。大人になってから訴えても証拠はなく、すでに時効。被害者の声を多数取り上げ、告発する。後編は、回復への道を考える。知識を得ること。経験の共有。専門のカウンセリング。被害に遭った場合、72時間以内にさまざまな対処を施すことを訴える。
 一人ひとりの証言がリアルで、訴えられなかった苦しさと、自らの言葉を持ってからもまた苦しむ様子が伝わり、胸を打たれる。

 

優 秀 SBCスペシャル シリーズ千曲川決壊#4 桜か、鋼か、~堤防再建の課題を追う~

信越放送

 統括 城取英紀、プロデューサー 手塚孝典、ディレクター 宮下 滋、ナレーター 三島さやか

 2019年の台風19号で千曲川の堤防が決壊した長野市の長沼地区。国は原因を越水と結論づけたが、住民は詳しい原因が明らかにならないまま進められる復旧工事に不信感を抱く。番組は水害の歴史や住民の目撃証言などから、地域の特性を踏まえた治水のあり方を問う。
 それぞれの立場からの視点で取材されており、問題点と対立点が分かりやすい良質な番組である。

 

優 秀 笑顔の村

朝日放送テレビ

 プロデューサー 藤田貴久、 撮影・ディレクター 西 一樹、田村信大、ナレーター 塚本麻里衣

 和歌山県の山間にある那智勝浦町色川地区は、9割が森林で巨大な棚田が広がる。特筆すべきは住民の半数を超える移住者。40年以上に及ぶ歴史と培われた知恵で、移住者との間に生まれる軋轢を乗り越えた村の姿をとらえている。
 積極的に移住者を受け入れ、現実を変えようとする村の様子が魅力的に描かれ、気持ちが明るくなる良作である。

 

優 秀 NNNドキュメント'20 クリスマスソング 放射線を浴びたX年後

南海放送

 ディレクター・撮影 伊東英朗、プロデューサー 荻山雄一、音声 山内登美子、ナレーター 浜野謙太

 1957年に遠洋マグロ漁船の航海を記録した映画『荒海に生きる』は、イギリス軍がクリスマス島で行った核実験中に撮影された。当時10代から20代だった漁船の乗組員とアトミックソルジャーと呼ばれる元兵士の証言で何があったのかを解き明かしていく。
 南太平洋で繰り返された核実験と漁師たちの被ばくを追った定評のあるシリーズで、資料の発掘とイギリス取材で視野を広げており、過去映像の活かし方も見事である。

 

優 秀 イントレランスの時代

RKB毎日放送

 ディレクター 神戸金史、プロデューサー 児玉克浩、編集 山本 徹 、構成 松石 泉

 内心の差別を現実の刃に変えて障害者施設で45人を殺傷した植松聖被告。街中ではマイノリティに向けたヘイトスピーチが公然と放たれている。さまざまな憎悪の形を映し出し、底流に同じ「不寛容=イントレランス」があることを問いかける。
 さまざまなヘイトの取材を通して、不寛容の問題が水面下でつながっていることを伝え、観る者が深く考えさせられる作品である。

 

 

〔テレビ教養番組〕

 

最優秀 ザ・ノンフィクション おじさん、ありがとう ~ショウとタクマと熱血和尚~

フジテレビジョン

 ディレクター・構成 八木里美、チーフプロデューサー 張江泰之、編集 中谷江志、音効 澤田 崇

JPG 愛知県岡崎市の小さな寺「西居院」は、かつて「平成の駆け込み寺」と呼ばれ、非行や虐待、いじめ、薬物依存などの理由から親元で暮らせなくなった子どもたちの「居場所」だった。20年間、問題を抱える子どもたちを無償で預かり更生に導いてきた「おじさん」こと熱血和尚が、最期まで悩める子どもたちに手を差し伸べ続ける姿を追った映像記録。
 これぞ教養番組といえる人間ドキュメンタリーに仕上がっており、親や子ども、教育の現場の人にも見てもらいたい。11年間、住職とともに子どもたちを見守った制作スタッフの力も大きく、最優秀にふさわしい作品である。

 

優 秀 手術着の魚屋さん 生より旨い三陸の魚で世界へ

IBC岩手放送

 プロデューサー 角掛勝志、ディレクター 大野 浩、ナレーション 甲斐谷望

 岩手県三陸の魚を世界に売り出すため、八木健一郎さんは医学と生物学の知識を活かす。手術着に着替え、実験器具を駆使してさばいた魚は冷凍なのに生より旨いと海外の高級店で大人気に。番組は八木さんの熱意と独創的なアイデアによって奮闘する姿を追った。
 実験器具を駆使してさばいた魚を、新しい流通ルートを開拓して販売するなど、主人公の革新性や三陸で働く人たちへ貢献しようとする姿は、復興に前向きで勇気をもらえる。

 

優 秀 チャンネル4「カネのない宇宙人~閉鎖危機に揺れる野辺山観測所~」

テレビ信州

 プロデューサー 三石剛史、ディレクター 高柳 峻、撮影 中村憲一、音効・MA 田畑孝幸

 近年の輝かしい功績が脚光を浴びるニッポンの宇宙研究だが、国は経済効果を重視し、基礎研究費の削減を迫る。国立天文台野辺山宇宙電波観測所も閉鎖の危機に晒されていた。一方で国は安全保障技術研究推進制度に基づく助成金を示す。科学の平和利用を掲げ、軍事利用を明確に否定してきた天文学者たちは何を選択するのか、その想いを追った。
 学術研究に対する予算削減や軍事利用問題など難しい問題について、所長の個性的で明るいキャラクターを活かしながら描いている。日本の基礎研究軽視に警鐘を鳴らした秀作。

 

優 秀 バヤルタイ ~モンゴル抑留 72年越しのさようなら~

中京テレビ放送

 ディレクター O.ホンゴルズル、撮影 三上誠志、監修 安川克巳、プロデューサー 横尾亮太

 満州で終戦を迎えた友弘正雄さんはソ連軍によってモンゴルへ移送され、凍傷で両足を切断するも、過酷な抑留を生き抜いた。モンゴルとの国交が樹立された1972年以降、毎年のように渡航し、戦友たちの慰霊を続けた。番組は2019年、94歳となった友弘さんの最後の慰霊の旅に同行。モンゴル最大の民放局「モンゴルテレビ」で情報提供を呼びかけ、日本人抑留者の看守だった元モンゴル兵の証言にたどり着く。
 一般的に知られていなかったモンゴル抑留について深く掘り下げて取材し、当時の貴重な資料や元モンゴル兵の証言などの成果を得た、戦後75年にふさわしい番組である。

 

優 秀 ザ・ドキュメント 人生被害 ~あるハンセン病家族の歳月~

関西テレビ放送

 プロデューサー 萩原 守、ディレクター 柴谷真理子、撮影 本中貴久、編集 樋口真喜

 母親がハンセン病で隔離され、養護施設で育った黄光男さんは、患者の家族たちと2016年、「国の政策で家族も深刻な被害を受けた」と国を訴える裁判を起こし、2019年、熊本地裁は国の責任を認める判決を出した。番組は2009年に始めた元患者、家族たちへの取材の集大成として、あらためて社会にハンセン病患者・その家族の被害問題を問い直す。
 偏見・差別を考えさせられる内容で、丁寧に描かれている。国の救済の遅れで、元患者とその家族の関係性が構築できない苦悩がよく表現されている。

 

優 秀 20ヘクタールの希望 私は「農」に生きる

山口放送

 ディレクター 佐々木聰、撮影 山本健二、山本宏幸、糸賀孝雄

 山口県山口市に広がる田畑で大規模に農業を営む木原美樹さんは、以前は農業を継ぐ気持ちはなかったが、3年間の東京暮らしで「食べ物が作られる過程がみえない」と考えが一変。2006年、祖父から受け継ぎ、苦労しながらも「農」に生きる美樹さんの13年の記録。
 日本の農業問題や食の安全など、生きるために大事なことを考えさせられる。美樹さんの明るさが番組全体を支えており、有機農業を諦めずに挑戦する姿に好感が持てる。

 

優 秀 一命を取りとめた後に ~“見えない障害”と向き合う~

九州朝日放送

 制作統括 川﨑浩司、プロデューサー 吉住啓一、ディレクター 花牟礼哲史、ナレーション 佐藤利奈

 脳卒中や事故などが原因で高次脳機能障害となった人はおよそ50万人にのぼるといわれる。記憶障害や注意障害などによって、日常生活や社会生活の大きな壁になっている。番組では、身近な人にも理解されにくい障害の特性を伝え、社会的な支援のあり方を考える。
 見えない障害を見える化する困難さに挑戦し、問題提起する良質な番組である。当事者の苦しみから次第に不自由な今の自分と折り合いをつけていく過程がよく描かれている。

 

 

〔テレビエンターテインメント番組〕

 

最優秀 テレビで会えない芸人

鹿児島テレビ放送

 制作 野元俊英、プロデューサー 四元良隆、ディレクター 牧 祐樹、撮影 鈴木哉雄

JPG

 政治や社会問題をネタに、庶民の立場から権力を嗤い、密かに人気を集める芸人・松元ヒロは、かつてテレビを目指し、テレビの世界に生きた。しかし20年前、思ったことを言いたいとテレビを棄て、舞台を中心に活動し、政治や社会を“笑い”で斬り続ける。テレビで会えない芸人は、モノが言いづらい今の社会を映し出していた。
 「世界報道自由度ランキング」67位という日本の現実の中で、テレビから意図的に消え、自らの表現の自由を貫く芸人を取り上げた勇気を評価したい。番組作りにもセンスを感じる。

 

優 秀 ローカル魂「朝日連峰大縦走 原始の山を行く」

テレビユー山形

 プロデューサー 佐藤義亀、ディレクター 齋藤 正、出演者 小山 瑶、ナレーション 田中成孝
 山形と新潟にまたがる朝日連峰は、日本百名山の大朝日岳を主峰に抱える巨大な山塊である。朝日連峰の手つかずの自然に惹かれ、麓にある朝日鉱泉を営む山小屋の主人が最後の縦走に挑む。夏山の大絶景と共に原始の山といわれる朝日連峰の奥深さと魅力を伝える。
 朝日連峰の自然の美しさを堪能できる作品である。山小屋の主人の最後の縦走に、小山アナウンサーが同行し奮闘する姿が印象的。

 

優 秀 THE名門校 日本全国すごい学校名鑑

BSテレビ東京

 プロデューサー 森田 昇、張江泰之、演出 谷口欽也、MC 登坂淳一
 偏差値や東大合格者数ランキングなどのデータには表れない、いわゆる「名門校」の知られざる姿を紹介し、その魅力に迫るとともに、名門校の日本社会における存在意義や重要性なども紐解いていく。
 名門校を進学実績だけでなく、さまざまな角度で切り取り、今までと違う目でとらえることができる意欲的な番組。母校を誇りに思う高校生たちの姿がまぶしい。名門校の学生生活の一端が見られるのはとても興味深い。

 

優 秀 静岡発そこ知り 干物が世界の食を変える 焼津の魚屋 前田尚毅

静岡放送

 ディレクター 中村剛史、プロデューサー 青山 彰

 サスエ前田魚店5代目・前田尚毅さんのもとには、彼にしかできない技を見学しに、世界中から一流シェフが訪れる。番組では、前田さんが初めて人に教える干物づくりの講義に密着し、その技術が異国の地でどう活かされるのか、魚を通じての国際交流を追った。
 タイまで取材を続け、干物が国境を超えるという面白さと、翻訳機能を使って現地の人々と交流する前田さんの愛と自信に満ちた教えに魅力を感じられる。

 

優 秀 権藤 ゴンドウ 雨、ゴンドウ~壊れた肩が築いた“教えない教え”~

東海テレビ放送

 プロデューサー 森脇 淳、ディレクター 砂川桂一、編集 奥田 繁、撮影 村田敦崇
 令和元年、80歳で野球殿堂入りした権藤博さんは、プロ入団2年間で130試合登板65勝を挙げたが、登板過多により肩を故障、投手としては5シーズンで引退した。その後、投手コーチや監督を歴任し、精神論・スパルタ論の時代からいち早く選手に寄り添う指導を実践した。そんな権藤さんの野球人生を描き、令和時代を生きる人々へメッセージを送る。
 他とは一線を画する目線で野球界を支えてきた権藤さんの生き様を魅力的に描いている。選手の地位向上に貢献されたことに拍手を送りたくなる番組である。

 

優 秀 M-1アナザーストーリー ~漫才人生、果てなき道~

朝日放送テレビ

 プロデューサー 田中和也、桒山哲治、白石和也、演出 下山航平
 史上最多となる5040組がエントリーしたM-1グランプリ2019は、テレビでの漫才披露が2019年初だった無名の「ミルクボーイ」が優勝した。衝撃のドラマを生んだ舞台裏を長期間にわたり完全密着し、史上最高の青春群像劇となった漫才師たちのアナザーストーリーを紡ぐ。
 楽屋や収録前後の素顔や緊張感をとらえ、意外な結果のリアリティを感じられた。ミルクボーイを支えた大阪の人情や、共に戦った仲間を称える芸人の姿に、胸が熱くなる。

 

優 秀 幸せチンドン

山口放送

 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 芳野孝平、ナレーター 高松綾香、撮影 本村 治
 里山に囲まれた小さな田舎町に「高森チンドン隊」のにぎやかな笑い声が響く。ド派手な衣装を自信満々に着こなし、捨て身とも思えるパフォーマンスを披露する平均年齢71歳の女性グループは、「人生いまが一番」と口を揃えて、第二の人生を謳歌している。
 チンドン隊の女性たちの突き抜けた弾ける笑顔に心を打たれる。その明るさの向こうには人生の悲しみがあり、それを支え合うメンバーのつながりを丁寧に描いている。

 

 

〔テレビドラマ番組〕

 

最優秀 スナイパー時村正義の働き方改革

CBCテレビ

 プロデューサー 尾関美有、栁川由起子、演出 吉村慶介、脚本 政池洋佑

JPG 時村正義は、政府が秘密裏につくった情報機関・JIA所属の一流スナイパーである。ただ、仕事にプライドを持ちすぎるあまり、残業時間もトップである。ある日、時村のもとにやってきたのが、JIA人事部の早川カオリ。彼女の任務は時村の「働き方改革」だった。二人は主張をぶつけあいながら、相手が言っているやり方のメリットも感じていく。人質テロ事件を解決した二人は笑顔を交わし、それぞれの働き方を変える一歩を踏み出す。

 スナイパーという“職業”に「働き方改革」を当てはめたアイデアが秀逸で、キャスティングも鮮度が高い。これぞ地方発のドラマと言える。

 

優 秀 tbcテレビ60周年記念ドラマ 小さな神たちの祭り

東北放送

 制作統括 石森勝巳、プロデューサー 畠山 督、監督 松田礼人、脚本 内館牧子、主演 千葉雄大
 舞台は宮城県南部沿岸の町、亘理。谷川晃はイチゴ農家の長男であるが家を継ぐ気はなく、あの日-2011年3月11日-は大学に通うため東京でアパート探しをしていた。家族全員が津波で行方不明となり、いまも見つかっていない。恋人との結婚も「自分だけが幸せにはなれない」と踏み出せないなか、亡くなったはずの祖父の運転するタクシーが現れる。
 愛しい存在を亡くした人々の胸を引き裂かれるような思いや、それでも東北の地で前を向いて生きている若者たちの現在をフィクションならではの手法で見事に描き切っている。

 

優 秀 俺の話は長い

日本テレビ放送網

 プロデューサー 櫨山裕子、秋元孝之、演出 中島 悟、脚本 金子茂樹、主演 生田斗真
 岸辺満は起業に失敗し、6年前から全く働いていない。彼に働く気持ちはあるのだが「口喧嘩だけは誰にも負けない」という能力を活かし、さまざまなヘリクツを駆使して周囲をごまかし続けて生きてきた。ある日、姉の秋葉綾子夫婦が娘を伴い「マイホーム改築のための一時避難」と称して実家に転がり込んできてから、岸辺家は急ににぎやかになる。
 会話劇の魅力を、ホームドラマというかたちを通して、あらためて視聴者に見せつけてくれた。ドラマとしての完成度は群を抜いている。

 

優 秀 BS笑点ドラマスペシャル 初代 林家木久蔵

BS日本

 プロデューサー 佐藤明香、黒川浩行、監督 井坂 聡、脚本 寺田敏雄、出演 柄本時生
 大手企業の職を捨てて漫画家になり、その道で成功したのに、さらに落語家に。初代林家木久蔵が「この人なくして笑点・大喜利なし」と言われるまでの半生を、すばらしい師たちとの出会いを交えて描く。「人生初の高座で歌謡曲を熱唱」「自分の結婚式を抜け出し、替え玉騒動に発展」などなど、ウソみたいなホントの話が繰り広げられる。
 笑点のドラマ化への継続的な取り組みや、安定感のある楽しい演出が高く評価された。

 

優 秀 本気のしるし

名古屋テレビ放送

 チーフプロデューサー 高橋孝太、プロデューサー 加藤 優、監督 深田晃司、脚本 三谷伸太朗、出演 森崎ウィン
 辻一路は、恋人のような女性もいるが、他人に好かれるのも他人を好きになるのも苦手で本気の恋をしたことがない。ある日、彼は不思議な雰囲気の女性・浮世と出会う。魅力的だが隙と弱さがあり、周りをトラブルに巻き込んでいく浮世と、なぜか彼女を放っておけない辻。すべてを失いながらも彼女を手に入れようとさらなる破滅の道へと歩み出す。
 生身の人間が、人生のぽっかり空いた穴に落ちていくさまを独特のタッチで描き出し、目を離しがたいドラマに創り上げている。

 

優 秀 記憶の葉っぱ

南海放送

 プロデューサー 大西康司、ドキュメンタリー原作 寺尾 隆、脚本 岩城一平、出演 桝形浩人、松本久美
 金森一臣さんと薫さん夫婦の物語を紡いだドキュメンタリーをドラマ化。14年前、薫さんは若年性認知症であることが判明し、一臣さんは薫さんの介護を始めた。一臣さんは5年前から薫さんとの日々を書き綴り始め、それは妻への1975通のラブレターとなった。

 ドラマであるからこそ表現できる心の機微を巧みに織り交ぜ、二人の愛の強さを視聴者に強く訴えかける。

 

優 秀 QAB琉球朝日放送四夜連続ドラマスペシャル パナウル王国物語

琉球朝日放送

 企画・プロデューサー・脚本 町龍太郎、プロデューサー 大城賢吾、演出 平 一紘、木村 守
 ユキオの唯一売れたファンタジー小説の舞台である「パナウル王国」に行きたいとせがむ息子のレン。一方、与論島では映画監督になりたいアキラが周りを巻き込みながら観光PRドラマの制作に動き始める。息子の思いをかなえたいユキオと、ドラマを撮影したいアキラの思惑が一致し、与論観光PRドラマ・パナウルキングダムの撮影が始まる。
 先の展開が読めないワクワク感と出演者のインパクトで視聴者の心を鷲掴みにする。手作り感に溢れ、制作者のドラマ作りへの喜びが画面から伝わってくる。

 

 

 CM部門

※各作品のタイトルは、「広告主名(非商業スポットは省略) 商品名/作品名(秒数)」の形で掲載。

〔ラジオCM 第1種(20秒以内)〕

 

最優秀 リペイル 企業CM/鶴の恩返し篇(20秒)

北日本放送

 プロデューサー 土肥正秀、ディレクター 柴田明夫、コピーライター 若杉幸祐(電通)、 録音 本田将人(サウンドブック)

JPG 「私が機織りをする間、決して部屋を覗かないでください」とおじいさんに頼む女性。さらに女性は「念のため」と、監視カメラ、指紋認証システムまでつけることに。最後におじいさんが「君、誰だ?」と聞くと、「それは個人情報です」と返されてしまう。誰もが知っている昔話をモチーフに、昔話と最先端技術の対比を生かしたストーリー展開が巧みで、商品特性をしっかり訴求している点も評価された。

 

 

優 秀 ヨシケイ山形 カットミール/最初から(20秒)

山形放送

 コピーライター 佐藤一貴(電通)、ディレクター はらただし(U-fan)、ナレーション 小川香織、山下将史

 「あのさ、怒らないで聞いて欲しいんだけどさ」と夫が妻に声をかけると、妻は怒ってキレた声で返事をする。最後は子どもの声で、「最初からキレている」と、商品であるカットミールの紹介が入る。商品の魅力である「最初から切れている」食材という訴求すべき点をストレートに伝え、家事も忙しい世の中の妻たちに寄り添い、クスっと笑えるCMとなっている。

 

優 秀 ライオン ルックプラス バスタブクレンジング/義理の父(20秒)

文化放送

 ディレクター 見目幸伸、プロデューサー 南 理子、ミキサー 上原裕司、アカウントプランナー 原 敏生
 義父がお風呂にはいっていると、婿から「背中流しましょうか」と声をかけられ、お願いすることに。しかし、婿はこすらずシャワーをかけるだけ。義父が思わず「本当に流すだけなんだねぇ」と戸惑うと、婿は「風呂掃除とまちがえました」と謝る。「流すだけで」バスタブを洗えるという商品特性をうまく日常の風景と結びつけ、商品の魅力を効果的に伝えた点が評価された。

 

優 秀 はとバス 運転士募集/うんの使い方篇(20秒)

J-W A V E

 プロデューサー 大谷恭代、ディレクター・コピーライター 森田一成(ビッグフェイス)、ナレーター 伊藤えりこ(フリーランス)、亀岡孝洋(フリーランス)

 大人の男女がバーで会話している。女性が「子供の頃の夢」を聞くと、男性は無邪気に「うん、天使」と答える。女性は嘘でしょと言わんばかりに、理由を尋ねると「誰かの役に立ちたかったから」「今でもそう思っている。おれ、うん、てんしになりたい」と男性。ナレーションの「その夢叶えて運転士になろう」で理由が分かる。人の役に立つ仕事の魅力を「うん、天使」と「運転士」のダジャレを繰り返し使い、印象に残る作品に仕上げた。

 

優 秀 連合静岡 企業CM/「ラジオのお便りコーナー」篇(20秒)

静岡放送

 ナレーション 杉原 徹(フリーランス)、ディレクター 小川けいこ(フリーランス)、プロデューサー 菊池 勝、コピーライター 嶋崎仁美(電通)

 ラジオのお悩み相談コーナーに会社員から「上司が仕事を全部押し付けてきて、最近寝る暇もありません」と過労を訴える相談が寄せられる。ラジオDJが相談に乗ってくれると思いきや「ラジオじゃなくて連合静岡に相談することだろう」と一喝。人生相談できるラジオならではの役割を逆手にとり、広告主の役割を聴取者へ印象づけた。働き方改革が重要性を増す現在の社会情勢を捉えた作品である。

 

優 秀 エバラ食品工業 黄金の味/呼び方 篇(20秒)

朝日放送ラジオ

 プロデューサー 野本友恵、アシスタントプロデューサー 村上正道(フリーランス)、コピーライター・ディレクター・キャスティング 森田一成(ビッグフェイス)、プロダクションマネージャー 東 竜太(ビッグフェイス)

 友人を夕食に誘うと、「今日はフェスやねん」と断られる。不思議に思いさらに問いかけると「うちでフェスやから」と嬉しそうに帰ってしまった。別の友人から、彼女の家は「焼肉のことフェスって言うんやって」と種明かしされ、思わず納得してしまう。「フェス」という一言で、焼肉の楽しさを伝えて商品を訴求し、さらにタレの甘口、中辛、辛口をポップ、ロック、パンクに絡めてまとめ上げた構成が評価された。

 

優 秀 スポーツクラブNAS 企業CM/ご相談ください 篇(20秒)

朝日放送ラジオ

 プロデューサー 野本友恵、コピーライター・ディレクター・キャスティング 森田一成(ビッグフェイス)、プロダクションマネージャー 東 竜太(ビッグフェイス)、中川 蓉(ビッグフェイス)

女性の声で「腹斜筋の相談なら、スポーツクラブNAS。鍛え方次第で、あなたの腹斜筋がかえってきます」と聞き覚えのあるテンポのフレーズで始まり、その後も鍛え方次第では「腹斜筋」を取り戻すのも夢じゃないとアピール、「なんでもご相談ください」と力強く一気に伝える。一時期よく耳にしたCMをパロディにした面白さだけでなく、「腹斜筋」という聞きなれない言葉を使うことで、より耳に残る演出となった。

 

 

〔ラジオCM  第2種(21秒以上)〕

 

最優秀 伊藤ハム ポールウインナー/ロングセラー 篇(90秒)

朝日放送ラジオ

 プロデューサー 野本友恵、アシスタントプロデューサー 村上正道(フリーランス)、コピーライター・ディレクター・キャスティング 森田一成(ビッグフェイス)、プロダクションマネージャー 東 竜太(ビッグフェイス)

JPG 商品発売から86年にちなみ、冒頭から86秒間にわたり「ロングセラーーー」と一息で叫ぶ声が続く。「私は関東出身者なのでこのウインナーに馴染みがない」というナレーターがその美味しさを説明するうちに叫び声は耳に馴染み、気にならなくなる。商品が関西で日常生活に馴染んできたことを、叫び声で見事に表現した。「86」を無理なく商品とつなげ、長尺のCMを飽きさせずに聴かせる完成度の高さが評価された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優 秀 公共キャンペーン・スポット/守ろう地球環境 SE篇(60秒)

ニッポン放送

 ディレクター 高橋晶子、コピーライター・プランナー 竹内希光(電通東日本)、ナレーター 石川みゆき(シグマセブン)、プロデューサー 飯島 誠

 カエルの声は貝殻、波の音は小豆とざる、駆ける馬はココナッツの殻、羽ばたく鳥はゴム手袋。ラジオ制作者が工夫を凝らして作り出した効果音でリスナーを惹きつけたあと、「自然の音は人の手で再現できる。自然そのものはどうだろう」と問いかける。再現可能な自然の音と、自然そのものを取り戻すことの難しさの対比によって、環境問題の本質を浮き彫りにした。ラジオならではの手作り感が伝わってくる点も作品の魅力になっている。

 

優 秀 自社媒体PRスポット/耳の日  ささやき(30秒)

エフエム東京

 プロデューサー・ディレクター 中村由美、コピーライター 若杉 茜(電通)、出演 相沢 舞(青二プロダクション)、音響効果 佐々木聖子(音ランド坂井)

 耳の日(3月3日)にイヤホンで聴いているリスナーに、音で耳かきを疑似体験してもらうCM。右耳、左耳の順で実際に耳かきされているように感じられる音を流し、「どうです?気持ちいいですか?」と囁く。左右の音の使い分けや音の作り込みで耳かきを表現した意外性に加え、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)のトレンドを上手く取り込み、インパクトの強い作品に仕上がっている。

 

優 秀 公共キャンペーン・スポット/Social Distance Stay Home 会話の男女篇(90秒)

J-WAVE

 プロデューサー 大谷恭代、ディレクター・コピーライター 佐藤延夫(トビラ)、ミキサー 荒木 隆(ミックスゾーン)、音楽効果 佐々木聖子(音ランド坂井)

 喫茶店でデートする男女。この時期に会っていてよいのか、距離の近さを気にしつつも会話は弾み、もう少し落ち着いたら海へ行こうと、一緒に『われは海の子』を歌い始める。しかし、実際は会ったこともない2人が別々の場所で収録し、音声を合わせてCMは作られていると種明かし。コロナ禍におけるソーシャルディスタンスの大切さを伝えながら、ラジオメディアはここまでできるという未来を感じさせる作品となっている。

 

優 秀 エバラ食品工業  黄金の味/憧れ  篇(100秒)

朝日放送ラジオ

 プロデューサー 野本友恵、アシスタントプロデューサー 村上正道(フリーランス)、コピーライター・ディレクター・キャスティング 森田一成(ビッグフェイス)、プロダクションマネージャー 東 竜太(ビッグフェイス)
 標準語の後輩に対して、関西弁はコンパクトで標準語の3分の1で表現できると先輩が自慢する。「おはようございます」は「まいど」から始まり、後輩が矢継ぎ早に仕事に関するやりとりの表現を尋ねると、先輩は機知に富んだ3分の1の語数の関西弁で答える。関西の地域性を存分に発揮したテンポのよい会話で、商品の材料の3分の1はりんごであることを、オチに結び付けて印象的にアピールした表現が優れている。

 

優 秀 中央軒  長崎皿うどん/告白メールのあん出し  篇(80秒)

朝日放送ラジオ

 プロデューサー 野本友恵、コピーライター・ディレクター・キャスティング 森田一成(ビッグフェイス)、プロダクションマネージャー 東 竜太(ビッグフェイス)、中川 蓉(ビッグフェイス)
 若い女の子が友達に、「私はあなたのあんかけになりたい」から始まる告白メールの文章を相談。友人は、彼の好きな皿うどんを生かしすぎた表現では内容が入ってこないと指摘する。彼女は、彼があんかけの方がいいのか、でも彼は男だから麺(men)の方がいいと思ってと悩むが、最後は「あんかけでからめないほうがいい」と言われ、皿うどんとは別の結論に。終わり方の意外性と心地よい議論のリズムで、記憶に残るCMとなった。

 

優 秀 公共キャンペーン・スポット/夫婦(60秒)

エフエム愛媛

 ディレクター・ミキサー 津島真吾、コピー制作 五明拓弥(吉本興業)、ナレーター 岩渕敏司(フリーランス)、脇山尚美(フリーランス)
 携帯電話でながら運転して家に向かう夫が、妻へ話しかける。寝てしまった息子の写真を送ってほしいと頼むが、送られてきたのは妻の写真。何度も「かわいい?」と聞く妻に息子の写真が見たいと話す仲睦まじい会話が、突然の衝突音で途絶える。ドライバーに訴求できるラジオ放送の特性を存分に生かし、ながら運転防止のメッセージを効果的に伝える発想が評価された。

 

 

〔テレビCM〕

 

最優秀 公共キャンペーン・スポット/この距離を忘れない。(300秒)

東海テレビ放送

 プロデューサー 桑山知之、コピーライター 山中康司(電通)、ディレクター 友久陽志(フリーランス)、編集 高見 順(東海テレビプロダクション)

JPG コロナ禍で取材に「距離」を求められた記者は、人それぞれの距離を取材する。アフリカの貧しい独裁国家に嫁いだ日本人女性は、政治と国民の距離が問題だと訴える。介護施設で祖母の誕生日を家族は近くで祝えないが、距離があっても心は通じる。最後に「そのとき距離は、……になった」との文字が次々と現れ、「大切なことを考えさせた」と結ぶ。それぞれのストーリーを際立たる映像の編集が巧みで視聴者の心に刺さる。一人ひとりにコロナ禍がもたらした「距離」の意味を考えるきっかけをつくった点が高く評価された。

 

優 秀 青森県農林水産部水産局水産振興課  青森県産魚消費推進/漁師はヒーロー!食べよう青森の魚(60秒)

青森放送

 ディレクター 平井和真、カメラ 棟方直樹(アール・エー・ビー映像)、音声 泉谷憲行(アール・エー・ビーベストメンテナンス)、ナレーション 境 祐貴
 港で遊ぶ少年たち。「レアカードじゃん!」と大喜びしながら少年たちが見せ合うカードは、地元の漁師をヒーローに仕立てた「あおもりの肴漁師カード」。すると、漁を終えた漁師の姿が見え、少年たちは憧れのヒーローの登場に思わず駆け寄る。漁師にクローズアップし、地元の県産魚を食べてもらうきっかけをつくった。地場産業の漁業に携さわる漁師を通して、地元の面白さ・魅力を伝えようとする心意気が評価された。

 

優 秀 公共キャンペーン・スポット/今できること(150秒)

CBCテレビ

 出演・撮影 吹奏楽部の皆さん(安城学園高校)、アイデア 藤井 稔、アシスタントディレクター 近藤駿一、プロデューサー・ディレクター 槌田一平
 高校日本一を目指し、部活一筋で頑張ってきた吹奏楽部の生徒たち。新型コロナウイルス感染症の影響で、晴れ舞台である全国大会は中止になり、集まって練習することも難しくなった。生徒たちは目標を失った悔しさに打ちひしがれるが、「こういう時こそ楽器に触ろう」と諭す先生に背中を押され、工夫を凝らしながら家でできる練習を見つけて再起を図る。丁寧な取材活動を通じてコロナ禍における日常のストーリーを見つけ、「今できること」があると視聴者に訴えかけ、勇気づける作品となった。

 

優 秀 波瀬割箸生産組合  企業CM/割り切れない日々に(60秒)

東海テレビ放送

 プロデューサー 岩田真理子、監督 松尾浩康(ホーボーズ)、構成 宮﨑祐人(ホーボーズ)、VE 飯澤康平(東海テレビプロダクション)
 2つに綺麗に割れない「割り切れない」割り箸から始まり、10÷3、3人で分ける2つのケーキ、紐を引っ張っても割れないくす玉。「割り切れない」ものが次から次へと出てきて、人々は困り顔。しかし、商品の割り箸は気持ちよく割り切れ、みんなが笑顔に。最後は生産者のおばあさん自ら綺麗に割ってみせ、満面の笑みを浮かべる。「割り切れない」に振り切って演出をすることで、徐々に癖になってくる面白さがある。

 

優 秀 公共キャンペーン・スポット/乳がんセルフチェック歌(60秒)

中京テレビ放送

 プロジェクトリーダー 安部まみこ、プロジェクトサブリーダー 宮木千佳、CMプランナー・コピーライター 正樂地咲(電通関西支社)、アートディレクター・タイポグラフィ 藤平奈央子(電通中部支社)
 乳がんのセルフチェックの方法を歌に乗せて、分かりやすく説明する。3本の指でしこりの有無を「♪上から下、外から内、全体」で確認すると、ちょうどチェック柄が描け、覚えやすいと伝えている。抽象的なアニメーションと穏やかな歌声で、全体が優しい雰囲気に包まれ、女性だけでなくみんなが楽しく学ぶことができるCM。セルフチェックの大切さを伝えた意義は大きい。

 

 

 

技術部門

 

最優秀 偏光板と位相差板を用いた新クロマキー技術「ニジクロ」の開発

関西テレビ放送

 研究・開発担当者 金子宗央、大西祐輔

JPG カメラレンズの前に偏光板と位相差板を貼り合わせたフィルタを設置し、背景幕にも偏光板を用いることで、グリーンバックが不要な新しいクロマキー技術を開発・実用化した。

 これにより、①被写体に背景幕の反射による不要な色が被らない、②背景幕の裏から逆光を当てることができる、③被写体に応じて背景幕の色を変えることができる、といった従来にない特性を、簡単な仕組みと安価な材料で実現し、テレビ制作技術の高度化と効率化に大きく貢献した。

 

優 秀 番宣・番販素材高速配信システム「TBS MEDIABOXシステム」の開発

TBSテレビ

 研究・開発担当者 國分 秋、岡田寛正、河村浩司
 番宣・番販素材ファイルを発局から受局に高速転送し、受局ではPC1台で自動ダウンロードや自動ファイリングが可能な配信システムを開発・実用化した。サーバはキー局にオンプレミスで設置し、複数のインターネット回線を用いて負荷分散と冗長化を行っている。
 これにより、従来のSNG回線等に代わる素材配信を、安価かつセキュリティを保って実現し、テレビ番組交換の高度化に貢献した。

 

優 秀 AI Video OCR システム

テレビ朝日

 研究・開発担当者 小野真介、中村 敦、小宮立千
 ラベリングとOCRを実装したAIが、スポーツの国際中継映像にスーパーされた英語選手名CGを瞬時に検知し、自動的に日本語選手名CGへ変換して表示するシステムを開発・実用化した。
 これにより、ゴルフ等の国際中継における正確・迅速なCG変換と、業務負担の軽減を両立させ、テレビ制作技術の高度化と効率化に貢献した。

 

優 秀 AIリアルタイム文字マスクシステムの開発

テレビ朝日

 研究・開発担当者 安田 元、胡子裕之
 ライブ映像に含まれる文字をAIが高速で検知し、必要な部分にリアルタイムで自動マスク処理を行うシステムを開発・実用化した。
 これにより、報道・情報番組などの生放送において、提供テロップのスポンサー名等が背景映像の文字と重なる不体裁をリアルタイムに防止することが可能となり、テレビ送出技術の高度化に貢献した。

 

優 秀 総合コンテンツ管理システムとオンラインキューシートで実現した送出ワークフロー改革

フジテレビジョン

 研究・開発担当者 井村紀彦、北澤弘行、伊東北斗、永田祐之
 クラウドサービスを利用した総合コンテンツ管理システムを構築するとともに、営放システムとリアルタイムに連携するオンラインキューシートを導入し、先進的なテレビ送出ワークフローを開発・実用化した。
 これにより、地上波/BS/CS/配信/番販への多様かつ迅速なコンテンツ展開を実現し、業務の効率化や安定性向上にも寄与するなど、テレビ送出技術の発展に貢献した。

 

優 秀 読売テレビ 新社屋におけるラック室 空調効率化の実現

読売テレビ放送

 研究・開発担当者 小西康元
 冷気をソフトに送り出す「不燃性ソックダクト」を採用し、排熱を囲い込む「キャッピング」をラック室の用途別に設計して組み合わせるというユニークな発想により、空調システムを抜本的に見直し、圧倒的な効率化と快適性の飛躍的な向上を実現した。
 これにより、新社屋の空調費とCO2排出量を大幅に低減させるとともに、人や機器にやさしい業務環境を実現し、放送事業のサステナビリティに貢献した。

 

優 秀 超テレビ連動アプリ テレビちゃん。システムの開発

愛媛朝日テレビ

 研究・開発担当者 黒河 純、玉井謙二、檜垣佳宏
 クラウド型プラットフォームを活用してアプリ/データベース連携/CG送出を自社開発し、リアルタイム処理に特化した視聴者参加型番組システムを安価に構築・実用化した。
 これにより、アプリを利用した視聴者参加型の生放送番組の円滑な進行が可能となり、ローカル局における放送・通信連携と今後のマネタイズの可能性を示すなど、テレビ放送の高度化に貢献した。

 

技術奨励賞 バーチャルアナウンサー百道桃の開発・運用とモーションキャプチャーシステム開発

RKB毎日放送

 研究・開発担当者 安増高志、金城らんな

 バーチャルアナウンサーを自社で開発・運用し、番組制作手法の発展に寄与した。

(技術奨励賞は技術部門の入選(最優秀・優秀)とは別に贈賞するもので、技術面の創意工夫や的確な応用による顕著な業務改善・効率化などを評価しています)

 

特別表彰部門

〔青少年向け番組〕

 

最優秀 熱血テレビスペシャル みすゞの心を探して

山口放送

 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 杉山さき、撮影 山本宏幸、取材 田村康夫

JPG 山口県長門市にある大津緑洋高校では、ふるさとの文化や偉人について学ぶ授業を毎年行ってきた。2019年、生徒たちが取り組んだのは、母校の先輩でもある童謡詩人金子みすゞの詩を映像で表現すること。生徒たちは、まず詩の一文一文の解釈について班に分かれて議論。みすゞの世界を映像でどう表現するか試行錯誤しながら臨み、高校生にしかできない映像作品を完成させる。
 みすゞの詩の解釈・映像化を通じて、高校生がさまざまな切り口で学びを深めていく過程が丁寧に描かれている。高校生が詩を解釈する力とその感性の鋭さに感嘆させられ、完成させた映像も見事である。

 

優 秀 RAB(ラブ)ドキュ 命の花の咲く頃は

青森放送

 プロデューサー 森内眞人、ディレクター 小山田文泰、カメラマン 藤林国仁、音声 脇坂幸司
 三本木農業高校の生徒たちは、殺処分された犬や猫の骨を砕き土に混ぜ、花を育てて頒布することで、命の尊さと殺処分の現状を伝える活動「命の花プロジェクト」に取り組んでいる。この活動は、動物愛護センターで殺処分されてしまう犬や猫たちを目の当たりにした同校の生徒たちが2012年に始めたもの。番組は、高校で飼育された動物との触れ合いや「命の花プロジェクト」を通じて、命と真剣に向き合う高校生たちを記録した。
 命と向き合う高校生たちの記録で、テーマが明確である。自分たちで考え、アイデアを活かしながら活動する高校生たちの姿は、命について考える前向きなヒントを同世代の若者に与えてくれる。

 

優 秀 やまがたZIP!スペシャル あざと生きる ~雅治君と「血管難病」の16年~

山形放送

  プロデューサー 富樫和光、ディレクター・取材・撮影 渡部映治、取材・撮影 佐藤嘉一、渡辺 寛
  山形県上山市に住む岩川雅治くんは、スタージ・ウェーバー症候群という血管の難病で、生まれつき顔に大きな赤いあざがある。人と見た目が違うことにさまざまな思いや葛藤を抱えながらも、両親の支え、SNSで自分のあざを公開している男性との出会い、打ち込んだアルペンスキーを通じ、自信をつけていく。番組は雅治くんが4歳の頃から12年間にわたり取材し、その成長を記録したドキュメンタリー。

 難病と向き合いながら強く成長していく雅治くんや、彼を支える両親に感銘を受ける作品。12年間にわたる長期取材は対象者との信頼関係があったからこそ成り立つものだろう。カメラワークや距離感、ナレーションも好感が持てる。

 

優 秀 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM アフガン帰り 不屈のカヌー王者:カーティス・マグラス

WOWOW

 チーフプロデューサー 太田慎也、プロデューサー 泉 理絵、坂口和之進、演出 花枝祐樹
 WOWOWと国際パラリンピック委員会の共同プロジェクトによるドキュメンタリーシリーズ。オーストラリア陸軍に入隊したカーティス・マグラスは2012年、派兵先のアフガニスタンで、爆弾の爆発により両足を失ってしまう。リハビリ後、本格的にパラカヌーを始めると、世界記録を塗り替える快挙を達成。2016年にはリオパラリンピックで金メダルに輝いた。東京大会を見据える彼の激動の人生に迫る。
 「足を失う前よりいい」と言うカーティスの生き様や考え方が視聴者に勇気を与えてくれる作品。彼を支える家族の言葉にも重みがあり、生きることについて考えさせられる。映像の美しさも高い評価を得た。

 

優 秀 SBCスペシャル  長谷の給食~小さな山の学校!畑の1年~

信越放送

 プロデューサー 手塚孝典、ディレクター 宮川伊都子、ナレーター 生田明子、撮影 土屋貴弘
 全校生徒41人の伊那市立長谷中学校は、学校併設の調理場で作るできたての給食が自慢。1年生は総合学習の時間で給食用の野菜を育て、2年生は高齢化が進む長谷地区を元気づけようとトウガラシを植えてラー油を作り、ブランド化したいと意気込む。栄養教諭の原さんは、生徒が作った食材で給食のメニューを考案し、全国学校給食甲子園に応募。「長谷の給食」は1447件の応募の中から見事決勝に進出した。番組は食を通じて地域を見つめる教師と生徒たちの日々を追った。
 中学生と地域の人々との交流をはじめ、給食が生み出す地域おこしが丁寧に描かれており、過疎化が進む地域での教育のあり方を考えさせられる。家族で観やすい時間帯での放送も素晴らしい。

 

 

〔放送と公共性〕

 

最優秀 検証・揺さぶられっ子症候群

関西テレビ放送

 実施責任者 上田大輔

JPG 関西テレビ放送は、乳幼児が激しく揺さぶられて脳が損傷を受ける「揺さぶられっ子症候群」(通称SBS)をめぐる問題をニュース番組内の特集やドキュメンタリー番組で徹底検証してきた。日本では虐待を専門とする医師にSBSと診断された結果、虐待が疑われて親が逮捕・起訴される事件が相次ぐが、海外では現行のSBSの診断基準は医学的根拠が乏しいとされている。
 社内弁護士だった担当記者が、法律の専門知識に裏づけられた嗅覚と、刑事司法を検証するというジャーナリストとしての使命感で、関係者への丹念な取材を行うことを通じて、法の正義と医学の正義の間にある矛盾を解きほぐす優れた調査報道となっていることが高く評価された。

 

優 秀 ドキュメンタリー「マザーズ」を起点とした特別養子縁組の継続報道9年

中京テレビ放送

 実施責任者 横尾亮太、安川克己
 中京テレビ放送は、2011年に「特別養子縁組」制度の意義と課題を伝えるための報道活動を始めた。同制度は、様々な事情で産みの親が育てられない子どもたちが健やかに育つことを目的に、産みの親との法的な関係を解消し、育ての親と新たに法的な関係を結ぶ制度。この活動は「マザーズ」のタイトルでドキュメンタリーやドラマの制作にも発展した。またインターネット上での展開も反響を呼んでいる。
 究極のプライバシーを孕む問題に果敢に取り組んでおり、養子に対する偏見もある中、社会の偏見をただすことが報道機関の役割の一つであることを再認識させてくれるとともに、容易に答えを見出だせないテーマに今後も継続して取り組む覚悟が評価された。

 

優 秀 震災アーカイブプロジェクト

朝日放送テレビ

 実施責任者 木戸崇之
 朝日放送テレビは、阪神淡路大震災の取材映像を、将来の「防災・減災」に活用してもらうため、2020年1月より自社ホームページでアーカイブとして公開。アーカイブには発災から約7カ月間の取材映像から、約38時間分、約2000クリップの、被災者の生の表情や声を多数含む映像が掲載されている。
 被災者等の肖像権の問題について議論を重ねて向き合い、多くの映像にモザイクをかけずに公開する判断をし、また、地元の方々の放送局への信頼を大切にしながらアーカイブの可能性、災害報道の可能性に挑戦していることが評価された。

 

優 秀 35年にわたる「きょうの俳句」放送での俳句文化発展への貢献

テレビ愛媛

 実施責任者 岡本匡史
 テレビ愛媛は、1985年から毎日の夕方ニュースの締め括りに、著名な俳人や一般の句会で発表されたものなどから一句を季節の映像とともに紹介する「きょうの俳句」を放送している。愛媛県松山市は正岡子規など多くの俳人を輩出した「俳句のまち」。小学校から俳句の授業があり、街に句碑や投句ポストが置かれるなど生活に俳句が根づいている。
 地域ならではの独自色のある取り組みとして、自然や日常生活を鮮やかに切り取る言葉の文化である俳句を、時に深刻な内容を扱う夕方のニュースの終わりに放送することで、視聴者の気持ちを豊かにし、視聴者との交流を深めていることが評価された。

 

優 秀 地域共創プロジェクト「ふるさとWish」

九州朝日放送

 実施責任者 大迫順平
 九州朝日放送は、創立65周年記念事業として、2019年1月から地域共創プロジェクト「ふるさとWish」を開始。自治体関係者、JA、商工会議所等の団体、民間企業、学校、ボランティア団体などとの連携・協力を深め、「地域の魅力発信」と「地域の防災意識向上」を2本柱に推進するもので、福岡県の全自治体60市町村を60週間かけて、自社制作のテレビ・ラジオで連日、特集として取り上げたほか、市町村ごとの魅力あるCM制作など、様々な活動を展開している。
 ローカル局としてやるべきことの一つは町おこしだと言われている中、地域情報をコンスタントに伝えていく仕組みを作ったのは画期的で、ローカルメディアの未来型を感じさせることや、この取り組みで築いたネットワークが防災の面でも活かせる可能性が評価された。

 

 

日本民間放送連盟賞について