よりよい放送のために
字幕付きCM
字幕付きCMとは
字幕付きCMとは、音声を文字化し画面に表示したCMです。音声を文字によって認識できるため、聴覚に障害のある方々へ情報をお伝えするために有効な手段の一つであり、民放連をはじめ、広告業界が普及に向けた取り組みを進めているところです。
字幕付きCMは「字幕」ボタンで
字幕付きCMは、放送本編に付いているテロップ(放送を見たとき必ず表示される字幕)とは違い、テレビ受信機を字幕表示する設定に変えないと表示されないものを指しています。設定はリモコンの「字幕」ボタンを押して変更することができます(機種によって操作方法が異なる場合があります)。
字幕付きCMの普及促進に向けて
2010年3月にTBSテレビ系列28局で放送されたドラマ「ハンチョウ」で、パナソニック株式会社が字幕付きCMを放送したのが、初めての取り組みです。
民放連・日本アドバタイザーズ協会・日本広告業協会は2014年10月、聴覚障害者の情報アクセシビリティ向上のため、関係3団体の連携により字幕付きCMの普及を図ることを目的として、字幕付きCM普及推進協議会(字幕CM協議会)を設立しました。
字幕CM協議会は2020年9月18日に「字幕付きCM普及推進に向けたロードマップ」を策定し、①字幕付きCMの放送枠を増やす、②字幕付きCMを制作する広告主を増やす取り組みを推進しました。その結果、2022年10月から系列ローカル局114社とBS局5社、一部独立局はすべての放送枠(ネットタイム枠・ローカルタイム枠・スポット枠)において、字幕付きCM素材の受け入れを開始しました。
また日本広告業協会のWebサイトに「字幕付きCM PORTAL WEB SITE」を設置し、字幕付きCM素材の作成に必要な情報をワンストップで提供しています。さらに2023年4月から年2回(4月・10月)、東京エリアにおける字幕付きCMの放送割合と、字幕付きCMの出稿企業数等を観測しています。(2024年4月分:字幕付きCM普及状況の観測レポート(2024年4月).pdf)
聴覚障害者や加齢で聴力に不安がある方への情報アクセシビリティを確保する字幕付きCMの社会的意義は、高齢化社会の進展に伴いますます高まっています。また、CMに字幕を付けることで商品やサービスの理解が深まり、消費者のブランド認知を高め、購買意欲を喚起するというCM本来の機能がより一層高まることが期待されます。
字幕CM協議会は字幕付きCMの普及を通じて視聴者の暮らしをより豊かにし、テレビCMの価値向上を実現するための取り組みを着実に進めて参ります。
字幕付きCMに関するご意見は、構成3団体のWebサイトからお寄せください。
字幕付きCMの評価・課題
総務省の委託事業として、2015年3月に電通がまとめた「字幕付きCMに対する評価、効果等に関する調査研究」では、聴覚障害者に字幕付きCMを視聴してもらった感想を掲載しています。その中で、字幕が付くことによって「商品の内容も分かるようになった。しっかりCSRに対応している企業だと思う」との声が多く、「商品の購買や企業イメージのアップにもつながる」効果があると評価されています。
一方で、難聴自覚者(聴覚に何らかの問題を感じている人)の約9割が「字幕付きCMを知らない」との調査結果もあり、字幕付きCMの認知率向上が課題であることもうかがえます。
民放連では、今後も関係する皆さまと連携して、字幕付きCMの普及に向けて検討を進めていきます。
参考資料
・ 「字幕付きCMに関する民放連の取り組みについて」(2015年5月)(PDF/182KB)
・ 「字幕付きCMの取り扱いに関する対応方針」(2014年7月)(PDF/162KB)
※ 字幕付きCM素材搬入基準はこちら