よりよい放送のために
メディアリテラシー/平成31年度助成対象事業
防災・減災意識向上のための放送局×大学×自治体×関係機関によるメディアリテラシ-活動
北海道放送
自然災害の多発を受け、日ごろからの防災や減災のための情報のニーズが高まっている。そこで、▽大学に集積されている地域情報、▽自治体が持つ災害への対処法や防災のノウハウ、▽メディアの災害報道の手法――を組み合わせ、防災・減災意識の向上のための公開講座を道内各地で開催し、動画でも配信する。SNSを活用し、情報を伝える側と学ぶ側が議論を交わし、相互の意識やスキルの向上を図る。
〈選定理由〉
災害時の情報の重要性を判断するための、リテラシー向上が期待できる。関係者の力を複合的に組み合わせ、公開講座、動画配信、SNSの活用など多面的に取り組む点が評価できる。
◆実施概要:北海道放送
防災ステーション宣言!講演会「命を守る!」(防災士出前授業)
茨城放送
災害が発生した際に自らの命を守るために大切な行動は「避難」することである。災害時に「避難」にかかわる情報を発信し続けるラジオを、子どもたちに、より身近な“防災ツール”として感じてもらい、自らの命を守る行動につなげてもらうための講演会を企画・開催する。防災士による、災害時のラジオの活用方法などを紹介し、普段からラジオメディアに親しみを持ってもらうことにもつなげる。
〈選定理由〉
ラジオにあまり馴染みがない子どもたちに、被災した際のラジオの有用性や活用法を理解してもらう点は、被害の拡大防止につながる有益な取り組みである。
◆実施概要:茨城放送
防災@カンテレ ~片平さんとみんなで学ぼう!防災の知恵~
関西テレビ放送
昨年、西日本は、大阪北部地震、西日本豪雨、大型台風など大規模災害に見舞われ、メディアはその都度、災害情報を発信してきたが、視聴者の受け止め方にはばらつきがみられた。そこで、放送局の災害情報を読み解き、「家族の命を守る行動」を実践する“防災リテラシー力”を高めるためのイベントを企画・開催する。講演に加えて、お天気キャスター体験や体験型防災脱出ゲームなど、家族で楽しみながら防災リテラシーを高める。
〈選定理由〉
身近な環境問題を題材にした“ユニバーサルCM”を制作してみるという先駆的な取り組みが評価できる。
◆実施概要:関西テレビ放送
ふるさとの詩人・金子みすゞ 詩の世界を映像で表現する
山口放送
優しく繊細な視点で人々の心をつかんだ童謡詩人、金子みすゞ。県内の子どもたちに、金子みすゞの詩の世界を、それぞれの解釈で映像化してもらう企画を実施する。ふるさとが誇る詩人について学びながら、映像表現の奥深さやメディアの特性を体験してもらう。活動内容は情報番組で紹介し、視聴者にもメディアに対する意識や関心を高めてもらう。
〈選定理由〉
詩の世界を映像で表現するという試みが興味深い。子どもたちの想像力の醸成とふるさとを深く知ってもらうという両面の効果が期待できる。
◆実施概要:山口放送
防災情報への気づきと行動~西日本豪雨災害被災地の新たな取り組み~
南海放送
平成30年7月の西日本豪雨災害で被害を受けた宇和島市にある吉田中学校の生徒が情報の活用という観点から災害を振り返り、フィールドワークを交えながら地域の防災力向上のための情報の活用策をまとめてもらう。その活動を番組で紹介するとともに、生徒たちにニュースの編集や送出も体験してもらい、情報の受け手と送り手双方の視点から“情報の取り扱い”を学ぶ。
〈選定理由〉
実際に発生した災害を題材として情報の有効活用を考える取り組みは、防災・減災の観点から有意義である。情報を伝える側を体験させることにより、メディアの役割や限界を深く理解してもらうことが期待できる。
◆実施概要:南海放送