会長会見
広瀬会長会見
【日 時】 平成19年7月19日(木) 午後3時10分~4時
【場 所】 民放連会議室
1.放送倫理の向上に向けて
- 記者:関西テレビ放送が総務省に提出した「3ヶ月報告」について。
- 広瀬会長:関西テレビ放送は民放連の会員ではないので、コメントする立場には無いが、信頼回復に向け全社を挙げて取り組んでおられるようだ。
- 記者:民放連への再入会について。
- 広瀬会長:前回5月の会見の際に、「(復帰は、除名後)1年が一つの目処になる」と申しあげたが、関西テレビ放送自身が、再出発に向けて、対外的に公約されている事柄がいろいろある。来年3月頃に、一度、それらの進み具合を見たり、地元大阪の民放局の考えなどを聞いてみたい。
- 記者:関西テレビ放送の問題以降も、BPOが「取材方法が放送倫理に欠ける」とするBRC決定や、放送局の不祥事が報じられていることについて。
- 広瀬会長:個別の案件について申しあげることは控えるが、われわれとしては、BPOの活動に期待しており、外の立場から大いに関心を持って、慎重かつ冷静な議論と判断を待ちたい。併せて、民放連としては、審理中の事案については一切の審理が終わるまでノータッチのスタンスを取るのが良い、というのが今の考えである。放送局の取材マナーに関わる問題に関しては、反省すべき点も多いと思うが、引き続き、放送倫理の向上に地道に取り組んでゆきたい。
2.緊急地震速報への対応について
- 記者:気象庁の緊急地震速報への対応について。
- 広瀬会長:気象庁は6月下旬に、今年の10月1日から緊急地震速報の一般への提供を開始することを発表した。この問題に関する民放連の役割は、民放各社が速報を、「いつから」「どのような方法で」放送するかを判断する材料を提供したり、準備をサポートすることにある。民放連は、2月上旬に、全国を対象にした緊急地震速報の認知度調査を独自に行ったが、「緊急地震速報の内容まで知っている」とした人は、その時点では24%に過ぎなかった。情報の放送責任を負う放送事業者としては、そうした低い認知度の中で判断を求められても、放送実施の主体としては躊躇を感じざるを得ないし、現時点では、その考えに変わりはない。今月中に今年2月に続いて2回目となる緊急地震速報の認知度調査(一般視聴者対象)を実施し、8月には、その調査結果と、その時点での民放連の考え方を再度発表したいと考えている。
3.地上デジタルテレビの区域外再送信問題について
- 記者:地上デジタルテレビの区域外再送信問題について。
- 広瀬会長:強調しておきたいのは、有線テレビジョン放送法が時代に合わなくなっており、「大臣の裁定が出ればそれで決まり」と言う訳にはいかない、と言う点である。確かに、有線テレビジョン放送法ができた当時には、ケーブルテレビ事業者には難視聴解消の役割が大いに期待されたが、その後、各地に民放テレビ社が開局し、放送事業者自身が多大の費用を投じて難視聴対策を進めている今日でも同様かといえば、それは見直されるべきであると思う。法律を丁寧に読めば、そうした立法主旨は明らかであるし、大臣裁定が慎重になってきているのも、その点を理解したうえのことであろうと思う。情報通信審議会でも、こうした点が充分に審議されると思っている。
4.参院選報道にあたっての「コメント」について
- 記者:参院選にあたっての民放連報道委員長コメントについて。
- 広瀬会長:放送局自らが、国民に信頼される報道をしなければいけないのは当然のことであり、選挙報道においても細心の注意を払っている。それは、今回の参院選においても同様である。今回の総務省の各民放事業者に対する要請の仕方は、地域ごとに様々であったようだ。どのように対応するのかは、各社が個別に判断することであるが、民放連としても、自らの基本的な姿勢を内部、外部の双方に向けて示しておこう、と判断したものだ。
5.その他
- 記者:NHKが受信料の引き下げやネット配信を検討していることについて。
- 広瀬会長:受信料の問題に関しては、これまでにも私見として、支払いが法律上義務化されるのであれば、NHK自身が率先して値下げを発表すべきであると申しあげてきた。値下げが事実であるとすれば、当然というか、もっと早く決定していれば、NHKを取り巻く空気も違ったのではないかと思う。ネット配信に関しては、無料で配信するということであると、サービスに関わるコストを今の受信料の中でまかなうことの良し悪しの問題が生じる。
以 上