一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

広瀬会長会見

【日 時】 平成24年1月19日(木) 午後2時15分~3時
【場 所】 民放連 3階会議室

年頭にあたって

  • 記者:年頭にあたっての所感と東北3県の地デジ化の進捗状況をうかがいたい。。
  • 広瀬会長:被災3県(岩手、宮城、福島)の地デジ化は順調に進展している。6万世帯のデジタル受信環境が整っていないという話をしたことがあるが、昨年末までにデジタル放送の受信に必要なインフラ整備はほぼ完了した。昨年の44都道府県の移行状況に比べると、残っている未対応世帯は少ないと思う。アナログ放送終了後に初めて未対応が判明する世帯への緊急対応についても準備を進めており、目下、順調な準備状況といってよい。
    一方、年末の民放番組で、視聴率が40%に達したものがあった。これだけ多くの家庭で同じ時間に同じ番組を共有していたというのは、大きなメディアの力であり、テレビはかつての隆盛期を過ぎたと言われたこともあったが、今回のことで放送事業者は自信を持ったと思う。放送番組をしっかり作っていくのが第一である。その重みを改めて感じた。
  • 記者:リアルタイム視聴を前提とする広告収入のモデルは、ネット配信や録画視聴の増加もある中で、地デジ化によってどのように変化していくと思うか。
  • 広瀬会長:デジタル化はしたものの、まだデジタルの機能を十分に生かせていない。機能のいくつかをあげると、ようやく慣れてきたのがデータ放送だ。この充実が手近な目標となる。次は複数の番組を同時に流すマルチ編成で、次第に活用が進むと思う。特に期待しているのは地域情報の発信の場になることで、決して楽ではないが、地域CMの取り込みなど、経営に資する面もあると思う。さらに双方向機能については、必ずしもデジタルテレビがネットにつながっているわけではないが、上り回線として携帯電話回線なども使えるとなれば、広告の効果を知りたい広告主には魅力だろうし、テレビの営業活動も充実したものになるのではないか。
    広告のスタイルではインフォマーシャルやネット活用など種々あったが、個人的には、やはり多くの人に訴える番組、見てもらえる番組を中心に考えるのがよいと思う。
    番組の中身について言えば、報道にさらに注力したり、これまでデジタル化にかかっていた費用を番組制作費に振り向けて、豪華な作品を制作するなどして、「さすが」という番組を提供することが重要なのではないか。
    デジタル化を生かすには未開拓の分野が多いので、若い放送人の取り組みに期待している。

 

マルチメディア放送について

  • 記者:V-High、V-Lowの見通しについてどうみているか。
  • 広瀬会長:V-Highは、「mmbi」1社が4月1日放送開始を目指して準備中と聞いている。新しい日本独自の方式のため内外から注目されているようなので、成功してほしいと思う。V-Lowは、ようやく実証実験などの動きが始まり、民放も参加している。これも早い時期に成功してほしい。
  • 記者:オリンピックやワールドカップサッカーなどをモバイル端末で見られることもあるか。
  • 広瀬会長:そうした方向は権利者からも求められているところで、そろそろ考えてもよいのではないかと思う。

 

暴力団排除条例への対応について

  • 記者:昨年末に、民放連は「出演契約における反社会的勢力排除についての指針」を発表したが、どういう趣旨か。
  • 広瀬会長:文書契約を交わしていない出演者についても、暴力団関係者と判明したら催告なしに出演契約は破棄することを明示した。各社で入り口や楽屋に掲出していただくことなどを想定している。この件に関して、民放連に対する格別の問い合わせやトラブルの報告はないようだ。