会長会見
井上会長会見
【日 時】 平成24年5月31日(木) 午後3時45分~4時20分
【場 所】 明治記念館 1階「末広」
NHK経営委員長の辞任について
- 記者:NHKの数土経営委員長が、経営委員長を辞任し、東京電力社外取締役に専念することを決めたが、これについてどう考えるか。
- 井上会長:ご本人が判断されたことであり、ご本人の判断で区切りがついた以上、改めてコメントすることはない。
NHKのインターネット業務について
- 記者:NHKが今夏のロンドン五輪で、生中継されない競技をライブストリーミングで配信することを計画しているが、民放連の考えはいかがか。
- 井上会長:NHKは、その実施理由として、「オリンピック放送の補完」「将来の放送サービスの実験・検証」を挙げているが、放送法に規定されている「放送及びその受信の進歩発達に特に必要な業務」(特認業務)の要件に合致するものである。NHKも民放も、オリンピックをなるべく広く伝えることを第一に考えている。民放連は、NHK番組のインターネット同時配信には強い懸念を表明しているが、このライブストリーミングは放送番組のインターネット同時配信とは異なるものであり、ロンドン五輪に限定して行われる例外的なものである。したがって、基本的に反対はしていない。
民放の決算状況について
- 記者:民放各社の決算状況について、うかがいたい。
- 井上会長:23年度の民放各社の決算は現在調査中であるが、公表されている在京テレビ5社の23年度決算をみると、売上高は前年度比0.1%減、経常利益は同0.3%減となり、ほぼ前年度並みとなった。内訳をみると、収入の柱であるタイム収入は0.1%、スポット収入は1.3%とそれぞれ増収となっているが、一方、その他の事業収入が減少した。なお、年度後半に入りスポットは回復基調にある。スポンサーの一部には、インターネット広告からテレビ広告へ回帰する動きがあるようだ。
広告収入の動向と見通しについて
- 記者:広告収入の動向と見通しについて、うかがいたい。
- 井上会長:テレビについては、昨年夏場以降、順調に推移しており、3月以降はかなりの水準で良くなっている。タイムも底を打ったようで、全体としては好調だ。ラジオについては、FMは震災後の7-9月期からプラスに転じ、全体としてはプラス傾向が続いている。中波もマイナス幅はかなり縮小した。民放連研究所の予測はテレビのスポットほど強気ではないが、震災後、ラジオの媒体価値が見直され、受信機の出荷台数も増加しているので、ラジオの復活につながってほしい。
V-Lowマルチメディア放送の検討状況について
- 記者:V-Lowマルチメディア放送の検討の進捗状況について、うかがいたい。
- 井上会長:V-Lowマルチメディア放送の実現に必要な費用などの試算がある程度明らかにならないと進まないため、ラジオ委員会で精力的に検討してもらっている。できるだけ早く、まずは方向性を明らかにしたい。
国立国会図書館による放送番組収集の動きについて
- 記者:国立国会図書館法の改正により放送番組を国立国会図書館に保存するという動きがあるが、民放連の対応をうかがいたい。
- 井上会長:国立国会図書館に放送アーカイブをつくる計画があることを聞いているが、その詳細や放送事業者に何を求めているのかがはっきりしない。まだ予断を持って何か意見を申しあげる時期ではないと思う。