会長会見
井上会長会見
【日 時】 平成25年3月21日(木) 午後3時15分~4時
【場 所】 グランドアーク半蔵門
V-Lowマルチメディア放送に関する検討結果について
- 記者:V-Lowマルチメディア放送に関する検討結果について、うかがいたい。
- 井上会長:本日の理事会で、ラジオ委員会からV-Lowマルチメディア放送に関する検討結果について提案があり、これを承認した。その骨子は、ラジオ全社での“音声優先セグメント”への移行については合意に至らなかったが、V-Lowマルチメディア放送へ参入を目指すラジオ社がある一方で、AM放送の難聴解消などを目的としてFM放送の活用を希望するラジオ社があるので、双方が両立する制度整備などを総務省に求めていく、というものである。
- 記者:ラジオ全社での“音声優先セグメント”への移行が合意に至らなかった理由は何か。
- 井上会長:全国展開するための設備投資が巨額であることなどから、参入を希望しないと判断した社が出てきたためである。
- 記者:既存のAM放送局が、同じ放送を流すために新たな周波数を獲得することについて、理解が得られるのか。
- 井上会長:東日本大震災でラジオの有効性は立証されている。しかし、現在のAM放送は、電波の届いていない地域があったり、鉄塔が海岸近くの低地に立っているなど問題も多い。したがって、災害時に国民に必要な情報を伝えるという放送の公共性という観点から、FM放送の活用が望ましいというのが各社の考えである。こうしたラジオの媒体価値を認めてもらえれば、ご理解いただけるものと思う。
- 記者:AM放送でのFM放送の活用について、既存のFM社から不満がでることも予想されるが、どう思うか。
- 井上会長:今回の検討結果は、そうした議論も踏まえて結論に達している。これまでもAMとFMは番組の質で競争しつつ、ラジオという媒体としては共存しており、その点は心配していない。
- 記者:V-Lowマルチメディア放送や、AM放送でのFM放送の活用はいつから開始する見込みか。
- 井上会長:いつとはいえないが、なるべく早くできればと思う。
スカイツリーへの送信所移転に関する取り組みについて
- 記者:5月の移転に向け、3月中に障害規模を把握することはできそうか。
- 井上会長:3月20日までに寄せられた相談件数は約10万8千件、うち受信対策が必要なのは約4万5千件と聞いている。現在、全力を挙げて障害世帯の確認などを進めている。今後とも周知広報等を徹底し、何とか目標どおり移転したい。
コンテンツの海外展開に関する取り組みについて
- 記者:「国際ドラマフェスティバル」では、3月17日にバンコクでイベントを実施したが、その実施状況と反響について、うかがいたい。
- 井上会長:今回、新たな海外展開施策としてタイで実施しているプロモーション「Jシリーズ・フェスティバル」は、①地上放送・衛星放送の複数チャンネルで、日本のドラマを一定期間集中的に放送すること、②それらのドラマの放送には、番組宣伝のPRスポットを制作し、各局で放送すること、③3月17日に、そのキック・オフとして、バンコクで大規模なイベントを開催したこと、の3点である。日本として、このような大掛かりなプロモーションを行うのは初めてである。
- 3月17日のキックオフ・イベントには、日本音楽事業者協会などのご協力をいただき、女優の菅野美穂さんをはじめとするドラマ出演者やミュージシャンが参加。現地では20台近いテレビカメラが並ぶなど、大勢に取材していただいたと聞いている。今後に期待している。