一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

井上会長会見

【日 時】 平成27年3月19日(木) 午後3時~3時20分

【場 所】 グランドアーク半蔵門

 

NHKについて

  • 記者:籾井会長が国会で受信料の支払い義務化を肯定するような発言をしたが、これをどう考えるのか。
  • 井上会長:籾井会長が「義務化」に言及した真意は分からないが、NHKがインターネット業務を拡大しようとする中で、受信料制度との整合が課題になっている。したがって「義務化」のことだけを取り上げて、良い、悪いを論じても、あまり意味がないように思える。受信料のあり方は、それを支払う国民全体にかかわる問題である。国民各層に十分に説明し、よく理解してもらい、国民的な合意を形成するという丁寧なプロセスが大事なのではないか。
  • 記者:NHKが1月15日に発表した「3か年経営計画」と「ビジョン」について民放連としての『見解』をまとめられたが、趣旨はどのようなものか。
  • 井上会長:NHKは巨大化・肥大化して民業を圧迫することなく、公共放送としてやるべきことを行っていただきたい。また、子会社や関連会社の利益を優先するような事業運営は厳に慎んでほしい。体力のないローカル局もあるので、受信料を財源とする公共放送という立場で競合してくるようなことは避けてもらいたい。このような、これまで民放連として表明してきた考えをまとめている。
  • 記者:『見解』に「NHKがインターネット活用を加速すれば、受信料負担の不公平感がさらに拡大する懸念がある」とあるが、これはインターネット経由だけのユーザーからも受信料を徴収すべきだ、とも読めるが、どうなのか。
  • 井上会長:NHK受信料の支払い率は76%で、4人に1人は未払いである。そういう人たちがインターネットで番組を視聴できるようになると、不公平感が深まる。これをどうするのか、という問いかけであり、この問題を整理してから実施すべきではないか、という考えを示したものだ。

 

放送番組の違法配信への対応について

  • 記者:放送番組の違法配信撲滅のため、民放連で啓発スポットやテロップの放送に取り組んでいるが、現時点で、その反響や成果はどうか。
  • 井上会長:若い人たちは話題になった番組を、放送後、インターネットの動画サイト等で追いかけ視聴をすることが多いようだ。また、タイムシフト視聴が普及し、CMをスキップして視聴することが可能なため、広告主に広告価値を認めていただけない。番組は多くの方に見てもらえるものの、それが民放局の収益に結びついていない。各放送局が制作した番組が外部に勝手に利用され、それで利益をあげているものがあるとしたら問題だ。これは著作権を否定する行為であり、違法動画を撲滅することは、番組を制作する現場の切実な願いである。そのための取り組みとして、1月22日から3月末まで啓発スポットを放送している。非常にインパクトのある内容だと思っている。電通の予測では、啓発スポットの放送により認知率は81.8%まで達するが、その後何も取り組みを行わないと、どんどん下がってしまう。どうやって認知度を維持していくかが大事だ。また、ただ違法動画を見ないでほしい、というだけでなく、それに代わる放送局側の取り組みも必要になると考えている。

 

番組のインターネット配信について

  • 記者:在京キー5局で行っている「CM付き無料見逃し配信サービスについての検討」の進捗状況について伺いたい。
  • 井上会長:これについては、本日開催した民放連理事会と会員協議会の場で会員各社に報告したところだ。テレビ番組の「広告付き無料配信トライアル」を、在京キー5局で10月から、PC、スマートホン、タブレット向けに実施することとした。個人的な意見としては、将来的にはテレビ向けの実施もあるのではないかと考えている。配信期間は放送直後から次の放送までの間とし、1週間程度となる。各社が個別に実施している番組配信を、共通のポータルから利用できるようにするもので、配信する番組は各社がプライムタイムに放送している番組を中心に選び、セールスも各社個別に対応する。目的は、5局が共同でトライアルすることにより、ひとつのポータルから5局の番組へ簡単に飛べるようにして、サービスの利用状況などを検証したいと考えているところだ。
  • 記者:CMの扱いは、どうするのか。また、この取り組みの名称は何か決まっているのか。
  • 井上会長:CMをスキップすることはできないと聞いている。今のところ名称は決まっておらず、「広告付き無料配信トライアル」ということだ。権利処理など、まだ解決すべき課題もある。

 

BPOについて

  • 記者:BPOからいくつか見解などの決定が出ているが、どうお考えか。
  • 井上会長:個別の「見解」に対しては、コメントは控えたい。会員各社には、普段から視聴者・聴取者の声やBPOの意見・提言に真摯に耳を傾け、番組制作に活かしていただくようお願いしている。

 

 (了)