一般社団法人 日本民間放送連盟

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会長会見

2022.09.15遠藤会長定例会見

【日 時】 2022年9月15日(木) 午後2時~2時30分

【場 所】 民放連地下ホール

 

○「民間放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策」について

◆遠藤会長:大久保前会長が取り組まれた施策を基本的に継承しながら、これに加えて、民放が果たしている役割や価値を、社会に伝えていくことを重視した。事実に基づく確かな情報を伝え、誰もが楽しめる娯楽を提供する民放の社会的役割は大変大きいと思うし、みなさんのお役に立っていると考えている。それが世の中に十分に伝わっているかというと、そうとも言えないと感じている。私たちは報道機関ということもあって、自己PRはこれまで少し控えめであったが、インターネットサービスとの厳しい競争にさらされているなかでは、もっと積極的に自分たちの価値をアピールしなくてはならなくなったと思う。今日発表した施策のなかでも、従前の「民放の日キャンペーン」などの見直し、テレビの広告効果研究をもとにした展開、ウェブサイトの「民放online」などを活用した広報などを挙げている。随時、よりよい方法を模索しながら積極的に展開していきたい。民放で働く若い人たちにも、自分たちが働く場や民放の価値に自信を持ってもらうことにつながれば本当にうれしく思う。施策は4本柱・35項目あり、民放連の各専門委員会で力を合わせて具体化を進めていく。

 

■「民間放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策」について

https://j-ba.or.jp/category/topics/jba105818

 

○就任3カ月にあたって

◆記者:民放連会長に就任して3カ月が経過した。この3カ月を振り返っての感想を聞かせてほしい。民放連でどのようなことをやりたいと考えているか。

◆遠藤会長:民放連の会長に就任が決まってから、民放業界の内外の方にお目にかかり、民放についてさまざまな意見を伺った。民放に対する課題への指摘をいただくとともに、民放の将来への大きな期待を感じた。そうした期待に応えるために、本日発表した「民間放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策」に取り組むことで民放の価値の最大化を積極的に展開したい。皆さんと知恵を絞って取り組んでいきたい。

◆記者:フジテレビで民放連会長経験者である日枝久氏からも話を聞く機会はあったか。

◆遠藤会長:民放全体を見る視野など、民放連会長としての心構えなどの話があった。

◆記者:民放の価値を最大化するために、キャッチフレーズなどを作る考えはないか。

◆遠藤会長:パブリシティの重要性は感じている。今回の施策は広く世の中に伝えていくことに重きを置いた。良いアイデアを考えても上手に発信しないと意味がない。記者の皆様の力も借りたい。

◆記者:民放連の会長に就任して、テレビの見方は変わったか。

◆遠藤会長:私たちの競合相手であるさまざまなネットメディアをいっそう観るようになった。アイデアのあるコンテンツは素晴らしいと思う。半面、玉石混淆の部分もあり、テレビ、ラジオの制作者はもっと自信を持って良いと思う。

 

○ 視聴の多様化について

◆記者:タイムシフトやインターネット配信など、テレビ視聴のあり方の多様化が進んでいることについて、どのように考えているか。

◆遠藤会長:さまざまな娯楽メディアがお茶の間を席巻している。人々の余暇時間の奪い合いは熾烈だ。テレビとネットのコンテンツパワーの比較を聞くが、視聴者の立場に立てばこのメディアなら見ようとか、見ないという感覚はない。ネットでも地上波でも衛星放送でも、面白ければ見るし、面白くなければ見られない。その意味ではあまりおそれることはない半面、面白いものでないとなかなか継続して見てもらえないので今の制作者は大変だと思う。テレビの制作者には一層能力を高めてほしい。生活習慣や視聴習慣が変わり、多様なアクセスポイントでコンテンツが楽しめる時代となった。視聴者のニーズや行動形態を調査しながらモノづくりをしていくことが大事だと思う。私たちもTVerをはじめとするプラットフォームを活用し、リアルタイムだけでなく見逃し配信など多様な視聴ニーズに応えなくてはならないと思う。

◆記者:NHKやキー局が同時配信を行っている状況をどう受け止めているか。

◆遠藤会長:テクノロジーの進化に抗うべきではないし、抗うことはできないと思う。視聴者の利便性に応えるサービスはあってしかるべきだと思う。ただ、さまざまなルールの構築や、NHKのインターネット活用業務がどうなるのかなど解決しなければならない問題が横たわっている。

◆記者:NHKのインターネット活用業務について、NHKの前田会長が民業圧迫を否定する趣旨の発言をしていたがどう受け止めているか。

◆遠藤会長:民放側から民業圧迫について述べるのであれば、あまり総論的、抽象的に申し上げるべきではないと思う。

◆記者:民業が圧迫されている実感はあるか。

◆遠藤会長:民放とNHKは収入の源泉が異なる。NHKにはある種、抑制的なものが求められる中で二元体制が成り立っている。大きく踏み越えれば圧迫となるだろうが、現時点で具体的なイメージはない。

◆記者:同時配信が進むと、ローカル局の存在意義が問われることにならないか。

◆遠藤会長:民放連内でもローカル局の経営に関する議論は行っており、継続していく。さまざまな課題などがあるが、課題をうまく利用して活性化していくことも生き残りの方法だと思う。

◆記者:インターネット空間でも二元体制は成り立つと思うか。

◆遠藤会長:放送では民放とNHKとある種のすみわけができている。インターネット空間でも可能かどうかは、思想的な問題とルールの問題がある。解決しなければならない問題が多くあり、課題の整備がなされない限りインターネット空間での二元体制は容易ではないと思う。

◆記者:NHKのインターネット活用業務が本来業務化すると、民業圧迫のおそれはあるか。

◆遠藤会長:NHKがどのような業務を行うかわからないので、今の段階で申し上げられることは無い。

 

○ 国葬について

◆記者:9月27日に安倍元総理の国葬が行われることについて、遠藤会長の考えを教えてほしい。遠藤会長に案内は来たのか。

◆遠藤会長:国葬についてさまざまな意見があることは承知しているが、民放連会長としてコメントすることは差し控えたい。民放連会長宛てに案内状が届いた。今回は三権の長を含む各界の代表者や海外の要人も参加される大きな場であることを判断し、私の判断で参列することにした。

◆記者:SNS上で欠席する旨を表明している方がいるが、どう考えているか。

◆遠藤会長:それぞれの方のお考えだと思う。

◆記者:政府から民放連に対し、国葬の放送内容に対して何らかの要請はあったか。民放連で何らかの申し合わせを行っているか。

◆遠藤会長:ありません。

 

 (了)