一般社団法人 日本民間放送連盟

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(報道発表)武力攻撃事態法案による放送分野の指定公共機関制度についての申し入れについて

 社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=日枝 久・フジテレビジョン会長〕は、武力攻撃事態法案による放送分野の指定公共機関制度について、「報道の自由が制約されかねない」との強い懸念を表明する別紙の申し入れをとりまとめ、本日(5月6日)、同法案の審議にあたっている衆議院「武力攻撃事態への対処に関する特別委員会」の鳩山邦夫委員長に対し、在京キー局の報道委員会委員から手渡しました。また、「武力攻撃事態への対処に関する特別委員会」委員にも申し入れ文書を配付したほか、衆議院、参議院の議長、各政党党首にも送付いたしました。
 当連盟は昨年7月、既に「武力攻撃事態法案による指定公共機関制度に対する意見」を発表しておりますが、開会中の通常国会での審議が進捗している状況を踏まえて、改めて本申し入れを行ったものです。


武力攻撃事態法案による放送分野の指定公共機関制度についての申し入れ
平成15年5月6日
日本民間放送連盟

 民放連は昨年7月、武力攻撃事態法案による放送分野の指定公共機関制度について、国民の「知る権利」に奉仕するための報道の自由が制約されかねないとの懸念を表明した。政府・与党は有事関連三法案の成立を急いでいるが、その後の国会審議ならびに政府からの説明によっても、その懸念は払拭されず、一層深まるばかりだ。

 政府は、制度の詳細については武力攻撃事態法案の成立後に整備する方針とし、具体的内容を示さないまま、「表現の自由」に関わる重要な法制度について枠組みだけを先に決めようとしている。その姿勢は主権者である国民をないがしろにするものだ。

 われわれ民間放送事業者は、視聴者の生命・財産にかかわる緊急情報を、法的規制によらずとも自主的判断で当然のこととして速報する。これは国民の電波を預かるものとしての使命であり、改めて義務付けを受ける必要はない。

 戦時には権力による情報の管理・統制により、真実の報道がしばしば危機に直面する。第二次大戦下の"大本営発表"が国民の眼を覆い、国家の命運を誤り、甚大な被害を内外にもたらしたことを思い起こさなければならない。戦時下においてこそ、国民の「知る権利」に応えるための多角的な視点による報道が必要だ。われわれは、こうした歴史的事実を踏まえ、放送分野の指定公共機関制度に対し強い懸念を改めて表明する。

以 上

この件に関する問い合わせ:民放連 番組部、会長室