一般社団法人 日本民間放送連盟

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トピックス

(報道発表)裁判員制度法案の委員会審議入りにあたっての意見について

2004年4月2日

 社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=日枝 久・フジテレビジョン 会長〕の報道委員会〔委員長=石黒大山・東海テレビ放送 社長〕は、本日、衆議院法務委員会で「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律案」の審議が始まったことを受けて、「民間放送は、裁判員制度の意義や実態について広く国民に伝えていきたいと考えているが、現在の法案には、国民の知る権利に応えるための自由な取材・報道活動を制約する危険性がなお残っている。当連盟は、こうした懸念が国会の審議を通して払拭されることを強く希望する」との意見を発表いたしました。


平成16年4月2日
(社)日本民間放送連盟・報道委員会
裁判員制度法案の委員会審議入りにあたっての意見

 裁判員制度法案についての委員会審議が本日、始まった。当連盟は昨年5月にも「裁判員制度と取材・報道の関係についての意見」を明らかにしているが、改めて報道機関の立場から裁判員制度法案に対する意見を表明する。  裁判員制度の導入は、無作為抽出で選ばれた一般の国民が裁判官とともに裁判を行うという世界でもあまり例をみない取り組みである。この新しい制度の導入にあたっては、国民が裁判に参加する意義についての幅広い理解が不可欠だ。  しかしながら、国会に提出された法案は、裁判員に対して懲役刑付の厳しい守秘義務を課し、裁判を経験した裁判員がその経験を語ることをためらわせるものとなっている。評議における自由な議論や裁判関係者のプライバシーを守るために、一定の守秘義務が必要なことは理解できるが、現行の法案ではほとんどの裁判員が何も語れない結果となりかねない。裁判員経験者の経験が広く社会で共有されない限り、裁判員制度の定着はおぼつかない。  また、新しい制度のなかで、裁判官と裁判員による評議が対等な立場で行われているかなど、制度が当初の目的に沿って運営されているかどうかを検証するためにも裁判員経験者を取材することが必要である。法案では、評議の秘密を知る目的での接触を禁止しているために、解釈によっては、取材活動が大幅に妨げられることにつながる。  民間放送は、裁判員制度の意義や実態について広く国民に伝えていきたいと考えているが、現在の法案には、国民の知る権利に応えるための自由な取材・報道活動を制約する危険性がなお残っている。当連盟は、こうした懸念が国会の審議を通して払拭されることを強く希望する。


以上

この件に関する問い合わせ:民放連[番組部、会長室]