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(報道発表)「個人情報の保護に関する基本方針」の一部改正案に対する意見について
社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=広瀬道貞・テレビ朝日会長〕は2月18日、内閣府が実施した「個人情報の保護に関する基本方針」の一部改正案に関する意見募集に対し、以下の意見を提出いたしましたので、お知らせいたします。
今回示された「個人情報の保護に関する基本方針」の一部改正案(以下「改正案」)について、報道機関である民間放送として、表現の自由・報道の自由と関わる問題点に絞って意見を申し述べる。
個人情報の保護に関する法律の目的は「個人の権利利益を保護すること」(第1条)だが、実際には「個人情報を社会から隔離する」ことが蔓延し、いわゆる過剰反応が広く見られる。こうした過剰反応により、国民の知る権利が阻害されることをわれわれは危惧している。
改正案で、過剰反応に対応した取り組みが明記され、国が講ずべき措置としての「広報・啓発、情報提供等に関する方針」の部分に、国民生活審議会の意見や関係省庁連絡会議の決定について触れたうえで、「引き続き」「積極的に」取り組む旨が宣言されていることは、われわれとしても歓迎する。
しかし、国の行政機関や独立行政法人等については、「必要性が認められる場合は、個人情報の公表等は可能となっており、情報提供の意義を踏まえた上で、同法の適切な運用を図る」ことが示されたものの、地方公共団体については「(条例の)適切な解釈・運用を行うことが求められる」と触れるにとどまっている。さらに、地方独立行政法人や個人情報取扱事業者が取り組むべき具体的な方策は示されていない。
現実に、公共交通を担う事業者やそれに関連する事業者、医療に携わる事業者などで、不必要な「個人情報隠し」があった。なかには2006(平成18)年にトルコで起きたバス事故の場合のように、法の公布前に示された通達を根拠に「個人情報隠し」があったと指摘されているケースもある。また、法が公人と私人との区別を設けていないことに起因すると考えられる、行政機関等の「個人情報隠し」も続発している。
われわれは、こうした過剰反応の問題について、各行政機関・事業者間で平時には密に、また緊急時には速やかに対応するよう求めるとともに、これらの問題の解決のための具体的な措置や方策を基本方針に盛り込むよう望む。
最後に、われわれは、今回の改正により法の施行状況を踏まえた見直しが終わるのであれば、きわめて不充分であり、今後とも必要に応じて見直しを行うべきだと考える。
この件に関する問い合わせ先:民放連〔番組部〕