表彰番組・事績
第10回日本放送文化大賞
テレビ・グランプリ
中京テレビ放送 「NNNドキュメント'14 マザーズ~特別養子縁組と真実告知」
■放送日時:2014年4月21日(月)1:20 ~2:15
■番組内容:「特別養子縁組」は、親が育てられない6歳未満の子どもを血縁関係のない夫婦に実子として託す制度で、新生児の遺棄などから小さな命を守る手段の一つでもある。自分が養子と知った女性は、「真実を知りたい」と産みの母親を探す。性被害によって妊娠・出産した高校生の子どもを引き取る里親は、「将来、真実を伝える」と言う。養子への偏見もあるなか、苦悩しながらも前向きに生きる人たちへの取材を通して、特別養子縁組と真実告知の現実を伝え、新しい「家族」のあり方を問いかけた番組。
■スタッフ:中保謙(プロデューサー)、安川克巳(ディレクター)、伴尚志(撮影)、大矢香織(音声)、大津一剛(編集)、伊藤琢磨(効果)
■出演者:毬谷友子(ナレーター)
■中央審査・審査講評:当事者に寄り添い、信頼関係を築き、心からの声を聞くというドキュメンタリーの基本に忠実に作られている。取り上げ方が難しいテーマに真摯に向き合う姿勢に、報道機関としての心意気を感じる。構成が素晴らしく、顔を隠してしか撮影できない人たちの扱い方にも工夫が感じられる。親子の深い愛情や命の尊さを再認識させられる作品。
テレビ・準グランプリ
長崎放送 「人間神様」
■放送日時:2014年5月31日(土)2:45 ~3:43
■番組内容:日本中の神様が出雲に集まる神無月。長崎県雲仙市瑞穂町にある伊福八幡神社で10月に行われる秋祭り・屯宮祭では、抽選で選ばれた6人の氏子が神様の代役、「人間神様」として崇められる。“ 神様”の大役を果たすためには負担も大きいが、断ることはできない。6人とその家族の悲喜こもごもの様子や、祭りの当日、大いに飲んで食べて大騒ぎする町民たちを追う。氏子が神様に選ばれてから人間に戻るまでの3カ月間、地域に溶け込んで取材を行い、支え合って生きる人々を描いた。
■スタッフ:大田壽満夫(プロデューサー)、古川恵子(ディレクター)、井川裕喜(撮影・編集)、平松誠四郎(ナレーター)、光山耕二(MA)、山口正記(タイトル)
■出演者:長崎県雲仙市瑞穂町伊福地区の皆さん
■中央審査・審査講評:人間神様に選ばれた6人はそれぞれに個性豊かで、さすがに本物の神様が選んだ“キャスティング”と感心してしまう。痛快で泣かされて、ドキュメンタリーでありながらエンターテイメント性やドラマ性もある。地域の人々の飾り気のない姿がさわやかに描かれており、地方局ならではのこころ温まる作品。
ラジオ・グランプリ
中国放送 「ラブ&ピース!お好み焼き」
■放送日時:2013年8月6日(火)12:00 ~ 12:50
■番組内容:広島の人々のソウルフードともいえる「お好み焼き」は、原爆の惨禍から復興をめざした広島の歩みとともに発展してきた。広島の人々が、お好み焼きを食べて元気を出し、核で失われた街を復興させたたくましい姿が描かれる。その広島から復興の願いが込められたお好み焼きが、東日本大震災の被災地・福島に届けられた。関係者の証言をもとに、お好み焼きのルーツを発見し、その発展と普及の歴史を丹念にたどった番組。
■スタッフ:武田信晃(プロデューサー/ 総合演出)、猪野竜平(取材ディレクター)、桜井弘規(取材)、伊藤文(ナレーション)
■出演者:那須正幹 ほか
■中央審査・審査講評:広島の原爆と戦後復興が福島の原発につながっていくというストーリーだが、お好み焼きをテーマにしたことで軽快に伝わった。庶民的な食べ物を通して、戦争や震災を描いている点にリアリティがあり、飾り気のない人々の言葉から作り手のメッセージが伝わる。お好み焼きを焼く音や、店内の喧騒を効果的に使い、ラジオの特性を十分に生かした構成で演出も見事である。
ラジオ・準グランプリ
エフエム東京 「TOKYO FM 特別番組『これからを見つめて LOVE & HOPE ~3年目の春だより~』」
■放送日時:2014年3月11日(火)13:00~15:45
■番組内容:「LOVE & HOPE」は、東日本大震災以降、全国38局をネットし平日の朝毎日、復興に取り組む人たちの「声」を継続して届けている復興支援番組。震災発生から丸3年を迎えた今年、「3年目の春だより」と題した特別番組を編成、人生が大きく変わってしまった被災地の人たちの思いを伝える手紙を紹介。東北からの生リポートなども交えながら、復興の課題と現実を伝えた。
■スタッフ:延江浩、高橋智彦(プロデューサー)、黒川美沙子(ディレクター)、増山麗央(取材)、小林浩子、岡英城(構成)
■出演者:ロバート・キャンベル、高橋万里恵、寺井尚子(バイオリン生演奏)
■中央審査・審査講評:3年間継続してきたリアリティが存分に伝わる。登場する人たちが身近に感じられるのは、被災者に静かに寄り添ってきた制作者とリスナーの距離感そのものだと感じた。ラジオが個と個を繋ぐメディアであることを認識させる。選曲も素晴らしく、音楽の力、声の力を存分に生かした力作。今後もぜひ、継続してほしい。
テレビ・グランプリ候補番組・概要紹介
〔北海道・東北地区〕
北海道放送 「縛られた鉄路~JR北海道を覆う闇」
■放送日時:2014年5月26日(月)1:56~2:51
■番組内容::列車の事故や故障、社員の不祥事が相次いだJR北海道は、7割以上が赤字ローカル線という厳しい経営環境、労使関係などの問題を抱えている。30年前の国鉄分割・民営化の議論にまでさかのぼり、トラブルの連鎖の原点を探るとともに、同社の現状に迫り問題点を浮き彫りにした。
■スタッフ:渡辺圭一(プロデューサー)、森創一郎、眞鍋康志(ディレクター)
〔東京地区〕
BS-TBS 「ドキュメンタリースぺシャル 『フェンス~分断された島・沖縄~』」
■放送日時:2013年12月15日(日)19:00~ 20:54
■番組内容:沖縄の米軍基地の「外側」と「内側」で暮らす人々のありのままの様子や声を時間をかけて取材した。“ 基地反対”の声をあげる人がいる一方で基地問題に複雑な思いを持つ県民、基地に住む米兵の本音などを通して、「フェンスをはさんで暮らす両者」が互いをほとんど知らないという実態を伝えた。
■スタッフ:真木明(プロデューサー)、松原耕二(取材・語り)、初瀬川啓太(総合演出)、多田裕貴、両坂省吾(ディレクター)
〔関東・甲信越・静岡地区〕
信越放送「 SBCスペシャル『刻印~不都合な史実を語り継ぐ~』」
■放送日時:2013年7月31日(水)19:00~19:55
■番組内容:2013年、長野県に開館した満蒙開拓平和記念館には、開拓団の一員として満州に渡った人々の証言記録が収められている。この記録を手掛かりに、今も苦悩や葛藤をかかえる当事者の証言を拾い集め、国策・満州移民の複雑な真相に迫り、戦争の愚かさと平和の尊さを訴えた。
■スタッフ:堀内宏(プロデューサー)、手塚孝典(ディレクター)、三島さやか(ナレーター)、米山博昭(撮影)、本島義和(音声)、和田秀一(編集)、桑澤康則(MA)
■広告主:キッセイ薬品工業、守屋商会、長野電子工業 ほか
〔中部・北陸地区〕
中京テレビ放送 「NNNドキュメント'14 マザーズ~特別養子縁組と真実告知」
■放送日時:2014年4月21日(月)1:20~2:15
■番組内容:親が育てられない6歳未満の子どもを、血縁関係のない夫婦に実子として託す「特別養子縁組制度」。産みの母親を探す女性や、性被害によって妊娠・出産した子を里親に託す高校生を取材し、特別養子縁組と真実告知の現実を伝え、新しい「家族」のあり方を問いかけた。
■スタッフ:中保謙(プロデューサー)、安川克巳(ディレクター)、伴尚志(撮影)、大矢香織(音声)、大津一剛(編集)、伊藤琢磨(効果)
■出演者:毬谷友子(ナレーター)
〔近畿地区〕
テレビ大阪 「和風総本家SP 世界で見つけたMade in Japan 第12弾」
■放送日時:2013年12月19日(木)19:58~21:48
■番組内容:「日本っていいな」をキーワードに、日本の伝統・文化を紹介し、その素晴らしさを再認識しようという番組。世界中の意外な場所で愛用されている“ メイド・イン・ジャパン”の製品を捜索する。日本の職人のこだわりや技術力の高さに迫り、作り手と使い手の海を越えた交流を描く。
■スタッフ:庄田真人(プロデューサー)、内山慶祐(演出)、伊藤正宏(作家)、石井辰之介、豊川康成(ディレクター)
■出演者:萬田久子、東貴博 ほか
〔中国・四国地区〕
南海放送 「消えない雨 ~17万カウントの謎を追う~」
■放送日時:2014年5月26日(月)1:50~2:40
■番組内容:1946 年に始まったアメリカの太平洋上での核実験は、魚や漁船乗組員を被ばくさせ、日本全土に放射能雨を降らせた。元高校教師の調査に同行し、沖縄での取材を中心に構成。当時、日本各地に被ばくが広がっていた事実や、情報が明らかにされない占領統治下の沖縄の特殊事情を検証した。
■スタッフ:小倉健嗣(プロデューサー)、伊東英朗(ディレクター)、山内登美子(音声)
■出演者:山下正寿 ほか
〔九州・沖縄地区〕
長崎放送 「人間神様」
■放送日時:2014年5月31日(土)2:45~3:43
■番組内容:長崎県雲仙市瑞穂町にある伊福八幡神社で神無月(10月)に行われる秋祭りは、氏子の中から抽選で選ばれた6人衆が神様の代役を務める。突然、“神様”に指名された6人とその家族の悲喜こもごもの様子や、祭り当日の大騒ぎを密着取材し、支え合って生きる町の人々を描いた。
■スタッフ:大田壽満夫(プロデューサー)、古川恵子(ディレクター)、井川裕喜(撮影・編集)、平松誠四郎(ナレーター)、光山耕二(MA)、山口正記(タイトル)
■出演者:長崎県雲仙市瑞穂町伊福地区の皆さん
ラジオ・グランプリ候補番組・概要紹介
〔北海道・東北地区〕
山形放送 「YBCラジオスペシャル 花は咲けども~ある農村フォークグループの40年~」
■放送日時:2014年5月31日(土)19:00~19:49
■番組内容:山形県の農村地帯を拠点に活動するアマチュアフォークグループ「影法師」。2013 年「花は咲けども」という曲を発表し、原発事故を風化させてはならないと歌っている。結成以来40 年間一貫して“東北地方と中央の理不尽な関係”を訴えてきた彼らの活動や、歌に込めた東北への思いを伝えた。
■スタッフ:伊藤清隆(プロデューサー)、伊藤和幸(ディレクター)、松下香織(ナレーター)
■出演者:遠藤孝太郎、青木文雄、横澤芳一 ほか
〔東京地区〕
エフエム東京 「TOKYO FM特別番組『これからを見つめて LOVE&HOPE ~3年目の春だより~』」
■放送日時:2014年3月11日(火)13:00~15:45
■番組内容:「LOVE&HOPE」は、東日本大震災以降、全国ネット38局で継続放送中の復興支援番組。震災発生から3年目の特別番組では、被災地の人たちの“いま誰かに伝えたい”という思いが込もった手紙を紹介した。東北からの生リポートなども交えながら、復興の課題と現実を伝えた。
■スタッフ:延江浩、高橋智彦(プロデューサー)、黒川美沙子(ディレクター)、増山麗央(取材)、小林浩子、岡英城(構成)
■出演者:ロバート・キャンベル、高橋万里恵、寺井尚子(バイオリン生演奏)
〔関東・甲信越・静岡地区〕
山梨放送 「YBSラジオスペシャル 水腫脹満茶碗のかけら~地方病100年の闘い」
■放送日時:2014年4月12日(土)18:00~18:54
■番組内容::「水腫脹満」「地方病」とも呼ばれ、古くから山梨県の風土病であった「日本住血吸虫病」。恐ろしい病気が蔓延した過去の事実を風化させないため、当時を知る関係者へのインタビューで構成。不治の病とされたこの寄生虫病と闘い、克服した医師や研究者、住民の努力を伝えた。
■スタッフ:有泉裕人(プロデューサー)、石川治(ディレクター)、塩澤未佳子(ナレーター)
■出演者:林正高、三神竜、若尾敏夫、二瓶直子
〔中部・北陸地区〕
CBCラジオ 「看取りのカタチ」
■放送日時:2013年10月23日(水)20:00~ 20:54
■番組内容:国民の8割近くが病院や診療所で最期を迎えるなか、14年前から名古屋市で地域の在宅医療に取り組んでいる女性医師。番組は、自宅で最期を迎える高齢患者と家族、治療にあたる医師の姿を克明に伝え、終末医療のひとつのあり方を提示した。
■スタッフ:森合康行(プロデューサー)、菅野光太郎(ディレクター)、舘一孝(音響効果)、阪脩(ナレーション)
■出演者:杉本由佳(すぎもと在宅医療クリニック院長)
〔近畿地区〕
毎日放送 「報道特別番組『秘密~今 明らかになる ある大学生の死』」
■放送日時:2014年3月31日(月)20:00~21:00
■番組内容:太平洋戦争開戦の日、国家秘密法の一つ、「軍機保護法」により一人の大学生が特別高等警察に検挙された。裁判は公開されず検挙理由も秘密のまま、大学生は死亡する。現在の特定秘密保護法の判断材料となるよう、秘密の中に埋もれた当時の出来事を解明し、国家秘密法が運用されていた時代を顧みた。
■スタッフ:森﨑俊雄(プロデューサー/ディレクター)、相良希(選曲)、阿部雅人(技術)
■出演者:水野晶子
〔中国・四国地区〕
中国放送 「ラブ&ピース!お好み焼き」
■放送日時:2013年8月6日(火)12:00~12:50
■番組内容:原爆の惨禍からの復興とともに発展してきた広島の「お好み焼き」。核で失われた街を再生した広島の人々は、原発被災地である福島に復興の願いを込めたお好み焼きを届ける。お好み焼きの歴史をたどりながら、広島の復興の経過とその時代をたくましく生きた人々の姿を描いた。
■スタッフ:武田信晃(プロデューサー/ 総合演出)、猪野竜平(取材ディレクター)、桜井弘規(取材)、伊藤文(ナレーション)
■出演者:那須正幹 ほか
〔九州・沖縄地区〕
琉球放送 「特別番組 頭に地図を描いて~沖縄盲学校・新校舎へ続く道~」
■放送日時:2014年5月25日(日)14:10~14:55
■番組内容:県立沖縄盲学校の新校舎完成前後の様子を1年半にわたり取材。視覚障害者にとって新校舎での生活は大きな環境変化となる。視覚以外の感覚を研ぎ澄まして“ 空間認識”を深めていく生徒と職員の姿を丁寧に伝え、「見えない」「見えにくい」世界の日常を描いた。
■スタッフ:安仁屋聡(プロデューサー)、照屋信之(ディレクター)、比嘉京子(ナレーション)
■出演者:県立沖縄盲学校 児童・生徒・教師 等