一般社団法人 日本民間放送連盟

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(報道発表)小型無人機「ドローン」の規制に対する意見

2015年5月28日
一般社団法人 日本民間放送連盟
 

 

 一般社団法人 日本民間放送連盟〔民放連、会長=井上 弘・TBSテレビ会長〕の報道委員会〔委員長=髙橋雄一・テレビ東京社長〕は、今国会での議員立法による成立に向けて議論が進められている「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案」の要綱に対して、昨5月27日、以下の意見を関係議員に提出しました。

 


 

■小型無人機の使用者を一律にとらえていることについて

小型無人機使用の目的には、報道、学術、設備点検、測量、映像制作など国民の利益に資する正当な業務があり、一方で、テロなどの違法行為が考えられます。立法趣旨は後者への対策であるはずです。法案はすべて一律にとらえ、同じ規制をかけようとしていますが、合理性がないことは明らかです。

 

■災害および重大事件の発生時における報道目的の飛行への支障について

民間放送事業者は、災害発生時等において、視聴者、国民に対して、生命、身体、財産の安全、保全を図るための情報を提供する重要な役割を担っており、法令にも記されているところです。

要綱には、取材・報道活動に配慮した規定がなく、非常時における国民の情報アクセスの妨げになるおそれがあるものと、強く憂慮いたします。

 

■対象施設周辺地域が広範囲に及ぶことについて

「対象施設周辺地域」が広範囲に設定される可能性があります。例えば、在日領事館だけでも全国14都道府県(札幌、仙台、新潟、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡、長崎、那覇)に50か所あまり存在します。要綱には「小型無人機の多様な分野における利用の促進のための施策をも踏まえ」とありますが、対象施設の周辺300メートルが規制されうる規定は、禁止範囲が広すぎることは明らかです。

 

■法案が国民への丁寧な説明抜きに成立しようとしていることについて

関係する業界が多岐にわたっており、しかも小型無人機の多様な分野における利用の促進も必要であるにもかかわらず、関係各方面からのヒアリングや委員会審議が行われないまま、わずか数日で成立させようという今回の動きは、拙速との批判を免れません。

 

■国土交通省が進める法規制を考慮していないことについて

近く国土交通省による規制法案が成立すれば、現在の“無秩序状態”から、一定の秩序は保たれるようになります。そうした社会の進化を想定しないまま、“無秩序状態”を前提に広範囲に規制をかける動きは、妥当性を欠いていると考えます。

 

■民間放送事業者の取り組みについて

民間放送各社では、小型無人機の運用ルールの策定を急いでいるところです。既にルールを策定した社においても、状況や技術の進歩に応じて適切に対応しようとしています。

民放連としても、機体を国土交通省航空局に登録を行うべきかどうか、操縦者の技能の保証をどう確立するべきかなど法整備の議論に参画するとともに、安全運航にむけた業界全体のルール策定について、必要な対応を行ってまいります。

 


この件に関する問い合わせ先:民放連〔番組部〕